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【速修・過去問/創作問題】⑥国会・内閣・裁判所(7)民事裁判と刑事裁判

124 何人も、法律で定められている適正な手続によらなければ刑罰を科されることはないとされている。
  • ○地味だが、4択の正文として繰り返し取り入れられている。

 

125 憲法は、何人も、現行犯の場合を除き検察官の発する令状がなければ逮捕されないと定めている。
  • 基本的人権のところでも掲載したが、今回は、また違った罠が仕掛けてあった。現社の問題だが、検察官ではなく「裁判官」。いやな落とし穴だよね。

 

126 最高裁判所は、車両等に使用者らの承諾なく秘かにGPS(全地球測位システム)端末を取り付けるGPS捜査には令状は必要としないとしている。
  • ✕2019年の現社の問題。これなどもちろん教科書には出ていない。2017年に判決の出た「時事問題」。現社恐るべし。

 

127 刑事手続において、警察署の留置施設をいわゆる代用刑事施設(代用監獄)として利用することは、現在行われていない。
  • ✕日本の刑事訴訟法では、逮捕された被疑者は、裁判官が勾留の決定をすると、「拘置所」に移されて、原則、最大10日間拘禁されることになっている。しかし、実際には、ごく例外的な場合を除き、全ての被疑者が勾留決定後、捜査を担当する警察の「留置場」(代用監獄)に連れもどされる。そして、被疑者は、警察によって密室で取調べを受けることになる。逮捕時から起算して一事件につき最大23日間警察留置場での身柄の拘束が可能。この捜査当局による身柄拘束期間は、世界的に見て異常なほど長いと言われている。そうなると自白強要の危険が高く、冤罪の温床であると批判されてきたが、依然として、この状況は変化していない。

 

128 無罪推定の原則とは、判決が確定した後に同じ事件で再び裁判にかけられないことをいう。
  • ✕後段は「一事不再理」。「無罪の推定」とは、犯罪を行ったと疑われて捜査の対象となった人(被疑者)や刑事裁判を受ける人(被告人)について、「刑事裁判で有罪が確定するまでは『罪を犯していない人』として扱わなければならない」とする原則。憲法にも保障されている。

 

129 裁判は公開が原則だが、政治犯罪など一部の事件を除く対審については非公開にされる場合もある。
  • ○「裁判官の全員一致で非公開もあり得る」から○。しかし、政治犯罪と出版に関する犯罪、人権にかかわることは必ず公開 しなければならない。これも何度か出ている。なお、●2021現社第1日程では「裁判は、裁判所による許可がない限りは、非公開で行われる。」の問題。もちろん✕。

 

130 判決は必ず公開法廷で言い渡さなければならない。
  • 〇これは大原則である。

 

131 裁判の傍聴は国民の権利であるが、プライバシーの権利を保障するため、刑事事件については、法廷でメモを取ることは許されていない。
  • ✕常識的に考えて、「それはないだろう」と思うはず。「何故こんな問題なんか出るんだろうか」とも。ところがかつては禁止されていた。しかし、憲法が保障する表現の自由の精神から「傍聴人がメモを取ることを理由なく妨げてはならない」という最高裁の判決が1989年に出され、事態は一変。こうした歴史的経緯があるから出題されているのだ。その際、メモの権利を訴え、日本の司法の閉鎖的な体質に根を張る問題をこじ開けたのは米国人弁護士であった・・・。こういうことまで知ると・・・「知るって楽しいな」と思わざるを得ないのでは?

 

132 犯罪被害者は被告人に直接質問したり、裁判官に量刑主張することはできない。
  • 被害者参加制度が導入され、可能になった。●2021現社第1日程で「被害者参加制度の導入によって、犯罪被害者やその遺族は、裁判員として裁判に参加できるようになった。」というストレートな正文が出題された。

 

133 有罪判決の確定後であっても、一定の条件の下で、裁判のやり直しを請求することが認められている。
  • ○冤罪に問われた人を救済するため、「無罪とすべき明らかな証拠が新たに発見された」場合などに、再審を請求することを認める制度が設けられている。四大死刑冤罪事件と呼ばれるのが、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の4つである。「財田川事件は、強盗殺人罪で死刑判決を受けた人が度重なる再審請求をした結果、無罪が確定した事件である。」という出題実績もあり。●2021現社第1日程でも出題。

 

134 刑事裁判において、抑留または拘禁された後に無罪となった者は、国に補償を求めることが認められている。
  • ○★2021政経第2日程でも出題。「抑留・拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、国に金銭的な補償を請求することができる。」。「刑事補償」は裁判で無罪になった人を対象にしたもので、拘束の日数に応じて機械的に補償額が決まる。不起訴になった人は、そもそも裁判を受けていないので刑事補償の対象にはらない。さらに、この身柄拘束に対する補償としての刑事補償とは異なるもので、「捜査の違法性」による不当拘束に対する損害賠償請求権も認められている。ただしこれは改めて訴訟を起こす必要があり、ハードルは高い。

 

 

135 殺人事件などの死刑を含む罪については公訴時効を廃止した。
  • 殺人罪の公訴( 検察官が起訴する )時効期間は、これまでは25年とされていたが、時効廃止。

 

136 刑事裁判に関して、裁判外紛争解決手続法により、裁判によらず調停などを行ない早期の解決をめざす手続きがとられるようになった。
  • ADR法は「民事事件」に適用される。●2021現社第1日程でも出題。

 

137 婚姻や相続に関して争いが生じた場合、これらの民事事件は、原則として、地方裁判所で扱われる。

 

138 民事裁判では裁判による判決以前に、当事者間の和解や、調停で合意をみたり、訴えの取下げが行われたりすることがある。
  • ○「和解」は裁判で、「調停」は先に見た「裁判外紛争解決手続」の一つである。なお●2021現社第1日程で「刑事裁判では、裁判官の下で当事者が妥協点を見付けて訴訟を終結させる和解が行われることがある。」という問題。これは✕。刑事訴訟に和解はない。また、●2021現社第1日程で「民事紛争を解決するための手段の一つとして、裁判所が関与する斡旋がある。」という出題があった。✕。「斡旋」は労働問題の時。

 

139 傷害の罪で起訴された者に対する刑事裁判において、裁判所は有罪の判決を下し、被害者への民事上の損害賠償を命じることができる。
  • ○現社2002本試の改題。刑事事件の被害者が、刑事裁判手続きの中で民事上の請求を行うことは、原則としてできないこととされていた。従って当時の解答は✕。また、こんな問題が出たことがある。「刑事裁判において有罪判決を受けた者について、重ねて民事上の責任を問われないことが、憲法で定められている。」。これも✕。憲法にはそのような記載はない。記載されているのは、「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任は問はれない」。いわゆる「二重処罰の禁止」は記載されている。ところが、では、刑事裁判とは別に、民事裁判も並行して起こせないかと言うと、そうではない。刑事と民事の両方で裁判になるケースは結構多い。「刑事裁判において有罪判決を受けた者を、さらに民事裁判で責任追及することは、憲法上許されない。」という出題もあるがこれは✕。逆に言うと、それぐらい刑事・民事両方で訴訟というケースは多いということでもある。そうした中、2008年に、刑事事件の手続の中で、例外的に一定の事件については「損害賠償命令制度」が設けられ、被害者の申立てがある場合には、刑事事件の審理を担当した裁判官が、有罪判決を下したあと、引き続いて損害賠償請求も審理することができることになった。となると、問題文は○と判断しても間違いではない。と言うことで、これも当時の解答・解説は活用できないので、ここに敢えて掲載したが、ただし、損害賠償命令制度自体が数冊の教科書にも掲載されてきているので、今後、この問題が出題される可能性はある。「請求手続きなどの負担減・効率化を目的」として設けられたということも含めて理解しておこう。

 

140 訴訟費用負担の軽減のため、弁護士費用の敗訴者負担制度が採用された。
  • ✕「こんなことまで聞いて委員会問題」。「訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とする。」という民事訴訟法の規定があり、勝訴した当事者は、敗訴した当事者に対し、訴訟費用を請求することができる。ところがここでは「弁護士費用」まで敗訴者が負担することになったということだが、これは誤り。弁護士報酬の高さから訴訟に踏み切れなかった当事者が訴訟を利用しやすくなるという理由から導入を求める意見もある。一方、敗訴すれば二重の弁護士報酬の負担となる。それに耐えるだけの経済力のない市民や企業をむしろ裁判から遠ざけかねないということから反対する意見もある。このことについては、2001年に司法制度改革審議会意見書で導入すべきという提言があったが、結局見送られた。この問題は2006年本試の政経問題で、もちろん「括弧つけ問題」かつ「時事問題」。しかし、共通テストでも援用されてもおかしくないほど、ジレンマを感じる「思考問題」。君は、この問題をどう考えるか?「統治行為論」のように思考停止せず、自分の意見をもとう。

 

141 行政裁判では、違法だが、取り消すと著しく公益を害する事情がある場合、原告の請求を棄却したケースがある。
  • アイヌの二風谷ダム訴訟の「事情判決」がそのケースである。二風谷ダム訴訟は、国の二風谷ダム建設の事業認定が、アイヌの聖地であるのにもかかわらず進められ、アイヌの文化を不当に軽視、無視しているとして違法と判断された。ただし、ダムは完成したため、これを解体するわけには行かず、公共の福祉の観点から「事情判決」によって原告らの訴えは棄却された。

 

142 未成年の犯罪は、家庭裁判所で少年院送致や保護観察といった保護処分を決めるが、14歳以上の場合、大人と同様、刑事裁判になるケースもある。
  • 〇少年による凶悪犯罪もあり14歳以上は刑事裁判となり得る。なお、少年事件については、原則非公開であるが、2008年の少年法「改正」により、一定の重大な犯罪または触法事件において、被害者等からの申し出があった場合、裁判所が「被害者等」による審判の傍聴を許すことができる制度が創設された。犯罪被害者の立場にたってのものだが、「少年の健全な育成を妨げるおそれがなく、相当と認める」場合に、裁判所は被害者等の傍聴を許可することができるとされている。

 

143 第一審裁判所の判決に不服で上訴することを上告と言う。
  • ✕「控訴」と言う。「上告」は第二審に対して。

 

144 判決以外の審判について、その決定・命令に不服で上級裁判所に上訴することを抗告と言う。
  • 家庭裁判所の、例えば遺産相続などの決定・命令が、抗告の対象となる。試験に出たことはないが、区別しておこう。

 

145 特許権侵害訴訟などの処理のため、知的財産高等裁判所が設置された。