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【速修・過去問/創作問題】⑥国会・内閣・裁判所(5)行政活動と公務員

84 2001年1府22省庁制から1府12省庁制へと再編された。

 

85 前項の再編により、内閣機能強化のため、内閣官房に代えて内閣府が設置されている。
  • 内閣官房は、内閣の補助機関であるとともに、内閣の首長たる内閣総理大臣を直接に補佐・支援する機関。1924年に設置され、戦後も新憲法下で設置。1996年に「首相補佐官」制度が導入された。国会議員以外から選ぶことができる。

 

86 同じく2001年の再編により、財政と金融の統合を図るために、国内金融制度の企画立案や金融機関の監督を行う機関として、金融庁を財務省に設置した。
  • ✕旧大蔵省は「財政と金融」の両方を担ってきたが、財政と金融はそれぞれ膨大な行政事務を必要とするため財務省金融庁に分離された。金融庁内閣府のもとに位置づけられ、内閣府特命担当大臣(金融担当)が置かれている。財務省のもとに設置されているのは、財政と密着した国税庁である。なお、金融庁の前身は金融監督庁。「大蔵省から金融機関の監督・検査部門を独立させて設置された金融監督庁は、その後、金融庁に再編された。」は正しい。経済の学習のところで、バブル崩壊後の対応を改めて学ぶので、その時にもう一度インプットし直そう。

 

87 同じく2001年の再編により、国の行政委員会である公正取引委員会は廃止された。
  • ✕行政委員会は一般の行政機関から相対的に独立した合議制組織として重要。公正取引委員会内閣府のもとに設置。

 

88 2007年防衛庁が防衛省に昇格した。
  • ○「冷戦終結をきっかけとして、世界的な軍備縮小の流れが生まれ、行政機構簡素化のため防衛省防衛庁へと縮小されることとなった。」という問題が出ている。こんなアナクロニズムな問題が出ると簡単なんだけどね。

 

89 2009年に消費者庁が設置された。
  • 〇設置が遅かったことを知っておこう。様々な領域に関係するため、これも「内閣府」の外局として置かれている。

 

90 2011年復興庁が内閣に設置された。
  • 〇2021年までの期間限定とされていたが、復興が十分進まず2031年まで延期された。

 

91 特殊法人は、公共の利益のために政府から出資や融資を受けるものだが、行政改革の一環として、民営化、独立行政法人化が講じられた。
  • 特殊法人は、国の政策や公共の利益のために「特別の法律」で設立された法人であるが、国の財政的支援を受ける一方で、事業計画に政府からの特別の監督を受けなければならない。しかし、効率的な経営が行われていないため行政改革の必要が唱えられ、民営化されたり、独立行政法人という別の形態に仕分けされた。「特殊法人の統廃合」が進められた訳で、「行政の効率性を向上させることをめざして、独立行政法人制度とともに特殊法人制度が創設された。」は✕。現在でも、民営化も可能だが、「公共性が高い」ものとして、NHK日本年金機構などが特殊法人で、民営化したものの中にも、形の上では現在でも「特殊法人」に位置づけられるケースもある。現社では以下のような易しい問題となっている。「行政組織をスリム化するために、民間委託を進め、その業務の受け皿となる特殊法人の数を倍増することが閣議決定された。」もちろん✕。

 

92 日本道路公団、郵政事業は民営化された。
  • ○民営化は従来国営で行われてきた事業の組織構成を組み換え、民間企業に改編することであるが、教科書に括弧書きで記載されているように「株式会社化」でもある。その目的については、経済編で触れることにして、日本郵政株式会社、東日本高速道路株式会社などがそれに該当する。株式会社であるが、政府も大株主で、先に触れた「特殊法人」に位置づけられている。教科書に、「株式会社形態の特殊法人もある」と書いてあり、どういうことか分からなかった受験生も多いと思うが、その典型例がこの二つの株式会社。日本郵政株式会社は総務省東日本高速道路株式会社は国土交通省の監督下にあるようだ。まぁ、こんなことまで試験で問われることはないので、これ以上深入りせず、とりあえず、2000年代に入ってから、行政改革の一環として民営化が進められたことだけが頭に入っていれば良しとしよう。なお、「独立行政法人が民営化された」という問題も出されているが、これは✕。民営化か独立法人化か、の二つの方向性で特殊法人の統廃合が進んだ、と理解しておこう。

 

93 国民生活センターや国立古文書館など、民間が自発的に実施するとは限らない業務を担うものは独立行政法人とされ、独立採算制の法人となった。
  • 独立行政法人は、民営化にはハードルが高いが、省庁からの「自立性が高い」法人がこれに移行した。資金調達に関して国の援助を受けられない。事業計画に政府の監督が不要。国立大学も独立行政法人に移行、生き残りをかけて、魅力化・地域貢献・国際貢献等、様々なブラッシュアップを試行錯誤している。この独立行政法人と先の特殊法人の違いについては理解しておこう。

 

94 日本放送協会や日本学術会議は特殊法人である。
  • ✕これは問題として出題されることはないとは思うが、知っておいてほしいということで書き加えた。NHK特殊法人で、経営委員の任命権者は「内閣総理大臣」である。一方、日本学術会議特殊法人ではなく、内閣府の機関で政府から独立して職務を行なう特別の機関。その会員の任命権は、これも「内閣総理大臣」にあるが、承知のように任命拒否問題が起こり、学問の自由を侵すものではないか、いやあくまで政府の公的機関の一つであり、任命しないことはあり得ると、紛糾した。このことは君たちも知っていることと思うが、どう考えるか、ぜひ自分なりの意見をもってほしい。なお日本学術会議と同様に科学者が政府に対して提言を行う学術機関は欧米各国にもあるが、政府から独立した機関として運営されているとのこと。財源は政府からの助成金と寄付。所与の体制を当たり前として捉えるのではなく、どのような形が国のため社会のためになるのか、未来は、君たち若者の想像力と行動力にかかっている。頼んだぞ。

 

95 住民からの苦情を受けて行政活動の問題点を調査し、改善勧告を行うオンブズマン制度が国に導入された。
  • 地方自治体の一部で導入。国はまだ。長年繰り返し出題されているが、一向に導入の動きがないので、当分また出題されるのかな・・・なお、オンブズマンは、「オンブズパーソン」や「オンブズ」に言い換えられるつつある。

 

96 情報公開法が制定され、中央省庁の行政文書が公開の対象となった。
  • ○「国の安全保障や個人に関する情報は開示されない場合もあり、外交・防衛・捜査情報を開示するか否かは、関係する行政機関の長の判断による。」衆参両院や裁判関係の書類は公開対象に含まれない。こいつも狙われる可能性あり。

 

97 情報公開法においては、政府の説明責任とともに、行政文書の開示を請求する権利について定められている。
  • ○「知る権利」は認められていないということが頭にあると、案外引っかかりを感じたのでは?でも根拠は知る権利ではないが、「開示請求する権利」は認められている。その権利は外国人にも、ということも何度か問題として出されている。

 

98 公文書管理法が制定され、行政機関による公文書の作成、管理、保存、廃棄等について統一ルールが示されたが、これは、政策決定の経緯を記録することで、行政の透明性を高め、健全な民主主義を支えようとするるねらいもある。
  • ○未出問題で教科書等にも掲載されていないが、時事問題として出題される可能性はある。公文書管理法は年金保険料記録が失われたことなど、行政の公文書のずさんな管理を背景に2009年に制定された。廃棄する場合は首相の同意が必要等のルールが示されたが、しかし法制定後も、森友問題でも文書が破棄されるなど、ずさんな管理が批判されている、電子化への対応など、新たに検討すべき課題が山積でもあり、今後、法改正もあり得るので注目しておきたい。

 

99 行政手続法では、国家公務員の民間企業への天下りを禁止する規定が設けられている。
  • 天下り規制は、国家公務員の再就職に関する規制で、行政手続法ではなく、「改正国家公務員法」により、利害関係企業等への求職活動が規制されている。「行政手続法」では、行政機関が私人に対する許認可事務を恣意的に行わないようにするための規定等を設けたものである。法律名はよく「首変え問題」として差し替えて作成されるから注意。●2021現代社会第1日程でも「国家公務員の職業倫理強化を主な目的とする、行政手続法が制定された。」という誤文が出題された。なお、現社2018年では、以下のような知識問題が出題された。「国の行政機関の職員の退職後の再就職について監視を行う内閣府再就職等監視委員会には、中央官庁による天下りの斡旋について法律違反の有無を調査し、勧告を出す権限が与えられている。」4択で、他の3つが誤りと判断しやすいものであったため、消去法でこれを○と判断するしかなかったであろうが、やや酷な問題であった。再就職等監視委員会は、国家公務員の再就職の際、出身官庁の働きかけや在籍中からの利害関係先への求職活動などがないか監視するため、内閣府に置かれた中立の第三者機関。違反行為の有無を調査したり、府省庁への勧告を出したりすることができる。元裁判官の委員長と、大学教授、弁護士、元新聞記者の委員で構成される。国家公務員法改正に伴い、2008年に設置されたようだ。一体どこまで知っておく必要があるんだ?という悲鳴が聞こえてきそうだが、要は残りの3問は教科書レヴェル。全て知らなくても、教科書をしっかり理解していれば、消去法で何とか拾えるよ・・・という典型的な問題。

 

100 行政手続法が制定され、行政機関が行う許認可や行政指導が禁止された。
  • ✕行政指導は行政機関が勧告・助言・警告によって私人・団体に働き掛けること。法的な根拠はなく、相手の自発的な同意が必要。この公正性・透明性を確保するため、行政手続きの共通事項を定めたものが行政手続法。許認可、行政指導事自体が禁止された訳ではない。★2021政経第2日程は、「 行政手続法は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図ることを目的としている。」という極めてオーソドックスな正文を出してきている。

 

101 警察行政の分野においては、合議制の行政委員会として、国家公安委員会や都道府県公安委員会が設けられている。
  • ○国民の良識を代表する者が警察を管理することにより、警察行政の民主的管理と政治的中立性の確保を図ろうとするもの。地方にも設置されている。

 

102 内閣の指揮監督権は行政委員会には及ばないとされている。
  • ○否定文のため✕と考えた受験生も多いのでは。公正で中立的な行政を実現すること、専門的な知識を要する行政に対応することから、行政委員会は内閣から独立して活動するとされる。ただし、一方で、「内閣は、行政権の行使について、国会に対して連帯して責任を負ふ」とあることから、行政委員会制度に対しては違憲論もあった。しかし、内閣が人事権や予算編成権をもつことから、「内閣が責任を負えないほどの独立性はもっていない」という解釈によって、通説では違憲ではないとされている。このあたりのロジック、理解できるだろうか?こういうロジックを理解する力が共通テストでは求められるようになったので、こうした「解説文」も面倒くさがらずに読み込もう。

 

103 公正取引委員会や人事院は、準立法的機能、準司法的機能をもつ。
  • ○全ての行政機関に両機能がある訳ではないが、この二つは両方有する。公正取引委員会の準司法的機能として、独禁法違反行為に対する排除措置や違法なカルテル等に対する課徴金の納付命令等に際して、その事前手続が公正かつ慎重に行われるために、裁判に準じた手続を行うことがある。政経の問題で「公正取引委員会は、価格カルテルの破棄勧告とその後の審査・審判を行うことができる。」というスマートな○問題が出ている。人事院の準司法的権限としては、国家公務員に対する不利益処分の審査と勤務条件に関する措置要求の判定がある。「地方公務員の訴えを受けて、人事院は、地方公務員と自治体の間の労働紛争を裁定することができる。」という問題が出たことがある。人事院はあくまで国。

 

104 人事院は、国家公務員の給与や勤務条件について国会や内閣に勧告する権限を持つ。
  • ○勧告とは、相手方がその内容を自発的に受入れることを前提とするものであって、相手方を拘束する力までもつものではない。が、それ相応の影響力は持つ。地方では、「人事委員会」が勧告する権限をもつ。なお、現社では、「人事院が国会に設置された」という誤文が出ている。●2022現代社会第1日程に「一般職の国家公務員の幹部人事を一元管理しているのは人事院である」という問題が出題された。✕。幹部人事は内閣官房に設置された「内閣人事局」。

 

105 内閣から完全に独立して存在する唯一の行政機関として、憲法に明記されているのが会計検査院である。国・政府関係機関の決算、独立行政法人等の会計、国が財政援助する地方公共団体の会計などの検査を行い、決算検査報告を作成する。
  • 会計検査院は、これまで見てきた行政委員会とは一線を画し、憲法に明記された内閣から完全に独立した機関である。こうした組織上の特殊性が問われることはないかと思われるが、国の決算は、会計検査院によって検査されなければならないことが何度か出題されている。

 

106 国や地方自治体には、政策などについての審議・答申を行う審議会が設けられ、会議や議事録を公開しているものもある。
  • ○審議会(advisory committee)とは、行政機関が意思決定を行う際に意見を求める合議制の機関である。審議会は、国においては、省、委員会、庁に、法律の定める所掌事務の範囲内で、法律または政令の定めるところによって設置することができる。例えば教育分野での中央教育審議会などがある。その答申、決議は法的拘束力はもたないが、指針として活用される。

 

107 党首討論は、官僚主導を防ぐ政治主導強化の一案として考えられている。
  • ○少し迷ったかな・・・これは問題ではなく、センターのリード文の一部。党首討論は国会審議の活性化に資することを目的として導入されたものである。これは理解できると思う。ところが、さらに、政治家同士の討論を活発にし、官僚主導の政治を打破しようとしたものでもあるという。このあたりピンとくるであろうか。正しいのは正しい。けど、正誤問題にするには少し無理があったかな・・・。なお、政務次官制度の廃止、内閣人事局あたりは政治主導強化と結びつくはず。ただし、では、進められている政治主導に問題がないかというと、そうではない。内閣人事局は忖度を生んだ。また、官僚も志を高く持ち日本をよくしようとして精一杯努力している人がほとんどである。私はそういう官僚に敬意をはらいたいと思っている。対して、自分の政治的信念とはいいつつも、偏狭な考えで社会を改悪しようとする一部の政治家に対しては失望を禁じ得ない。そのような政治家が幅を利かせるようでは、政治主導はそれこそナンセンスである。

 

108 行政国家化が進行すると、法律は制度の大枠を定めるだけで、詳細については政令や省令に委(ゆだ)ねるという委任立法が多くなる。
  • ○知識ではなく、簡単だけど、もし・・・となるとどうなると思うか、という思考問題の一例。今後この問い方の比重が高まると思われる。今回の答えは簡単、○。「省庁の統廃合が進み、公務員の数が大幅に減少する。」「国会の政策形成能力が向上することによって、議員立法が増加する。」はいずれも✕。

 

109 公務員は、日本国憲法の規定によれば、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。
  • ○この公務員に関連して、「日本国憲法は、公務員の不法行為によって損害を受けた者が、国や地方自治体に賠償請求できることを定めていない。」という問題が出たことがある。✕。請求できる。2022の共通テストでも出題された。

 

110 行政の活動について争う訴訟は、行政裁判所に提起する。

 

111 一般職の公務員は、労働組合を結成して国や地方公共団体と労働条件を交渉することができない。
  • 団結権と団体交渉権の二権はある。だから✕。ただし、団体行動権(争議権)はない。●2022現代社会第1日程に「公務員が争議行為を行うことは禁止されている」という問題が出た。○である。