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【速修・過去問/創作問題】⑥国会・内閣・裁判所(6)裁判所と裁判官

112 大津事件は、明治政府の圧力に抗して、裁判所がロシア皇太子暗殺未遂犯を通常の殺人未遂罪で裁いた事件であり、司法権の独立を守った事例と言われる。
  • ○「大津事件は、司法権の独立を守った事例ということは受験生なら承知のとおりだが、では、この文章は正しいかどうか。「通常の殺人未遂罪で裁いた」とあるが、これは明治政府がどのような圧力をかけてきたか分かっていなかったら、判断できないのでは?明治政府は皇太子を負傷させた被告人に対して、未遂であるのにもかかわらず死刑を科すように迫った・・・これが伏線である。だから、殺人未遂で扱ったことは、明治政府の圧力に屈しなかった事例になる。これは政経問題を改題したものであるが、結局、大津事件という名称を覚えていただけでは意味はない。どんな事件だったのか、友人に説明できるまでにしておかないと、自信をもった判断できない。

 

113 違憲立法審査権は最高裁判所だけが有する権限である。
  • ✕全ての裁判所にある。

 

114 最高裁判所の先例に従わない判決を下級裁判所が出した場合、その判決は訴訟当事者を拘束しない。
  • ✕現社の問題だが、怪しいと感じるとは思うが、ではどこが誤りか説明しなさいと言われると難しいかも。「判例」という言葉を聞いたことがあると思うが、判例とは、先例性を有する重要な判決・決定で、最高裁判所の判決・決定の場合が多く、拘束性をもつものと捉えるのではないか。しかし、日本の法律は、先例拘束性を認めていないので、判例は、その後の裁判所の判断を法律上拘束しないそうだ。従って、裁判所は、先例と異なった判断をすることは自由ということになる。そうなると、その判決は訴訟当事者を「拘束」することになるので✕。

 

115 裁判官の独立を保障するため、最高裁判所が下級裁判所の裁判官の任命に関与することは法的に禁止されている。

 

116 内閣は裁判官にいかなる懲戒処分を行うことができない。
  • 司法権の独立、裁判官の身分保障の観点から、内閣からの懲戒は許されない。ただし、裁判官の任期は10年だが、再任は拒否される場合もあるという。指名名簿を作成する最高裁判所の自由裁量とのことだが、再任拒否のケースはいくつかあり、その場合、理由は公にされないとのこと。「裁判官の独立」を保障する観点から、再任拒否の場合には透明性のある基準や手続きが必要ではないかという意見が強い。

 

117 最高裁判所が規則を制定した場合、国会の承認が必要である。
  • 最高裁司法権の独立に立脚した「規則」制定権が認められていることは承知の通り。国会の承認は必要なし。

 

118 最高裁判所は裁判官ではない学識経験者も入る。
  • 最高裁は15名 法曹を10/15以上が慣行とのこと  学識経験者とは法学者や行政経験者など。「最高裁判所は、長官1名と判事14名の合計15名で構成されているが、その15名には、高等裁判所裁判官の経験が必要とされている。」は✕。

 

119 ●個々の裁判官は、良心に従って独立して職権を行い、憲法及び法律にのみ拘束される。
  • ○●2021現社第1日程の超オーソドックス問題。

 

120 最高裁裁判官は、国民審査で有効投票総数の過半数が罷免を可とした場合罷免される。
  • 〇国民審査は、「憲法で保障されている国民による公務員の選定罷免権を具体化するもの」。「国民による一種のリコール制度」である。これまで「国民審査」で罷免された例はない。「白紙は信任を意味する」。なお、「国民は、衆議院議員総選挙の際に裁判官が適任かどうかを審査することができるが、審査の対象になるのは最高裁判所の裁判官のみである。」、「のみである」という強調構文であるが正しい。

 

121 ✕の記号を記入した投票数が有権者の過半数である場合に、裁判官の罷免が成立する。
  • ✕同じような問題を出して申し訳ないが、国民審査は、有権者が辞めさせたい裁判官の欄に「✕」を書き、✕印以外を記入すると無効になる。従って、✕という部分は正しい。ところが案外気づきにくい誤りがある。前項で「有効投票数の過半数」という文をみた訳だが、これが正しい。有権者過半数ではない。これは政経で実際に出された問題で、じっくり吟味しないと見逃してしまい、「答えがない・・・」とあせってしまう4択であった。

 

122 国民審査は衆議院の選挙時に実施され、裁判官全員が審査を受ける。
  • ✕裁判官に任命されて最初の選挙時と、国民審査を受けて10年を超えた裁判官のみ

 

123 弾劾裁判所は、裁判官の罷免の訴追を行い、裁判する。
  • 政経の問題。おそらく多くの受験生は○と判断したことと思う。ところが✕。弾劾裁判所は、「衆議院議員および参議院議員の中からそれぞれ選ばれた裁判員によって組織される」ということは知っていたかと思うが、実は、その前段に「裁判官訴追委員会」という組織があり(衆参両院から各々10名で組織、予算委員会等の常任委員会とは別もの)、 国民が弾劾裁判所に直接裁判官の罷免の訴追をすることはできず、この裁判官訴追委員会のみが、弾劾裁判所に裁判官の罷免の訴追をすることができる。従って、裁判官に対する罷免の訴追を考えた場合は、裁判官訴追委員会に対して、弾劾裁判所に裁判官の罷免の訴追をするよう請求することができ、訴追委員会は、必要な調査・審議を行い、裁判官を罷免すべきであると判断したときは、弾劾裁判所に裁判官を訴えることになる。アメリカの大統領弾劾も、下院に訴追権、上院に裁判権があるということに触れたが、このことを考えれば納得できるのでは。訴追(裁判官の罷免を求めること)とその裁判は区分けされているという訳だ。4択の「括弧つけ問題」。が、教科書には記載がないが、資料集には説明があり、知っておきたい。なお、これまでに弾劾裁判で罷免されたのは7例。