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【速修・過去問/創作問題】⑥国会・内閣・裁判所(8)憲法判断・裁判員裁判・検察審査会

146 日本の場合、通常の裁判所が具体的訴訟事件の裁判に付随して審査する抽象的違憲審査制を採用している。

 

147 裁判所の違憲審査権は、法律に対してのみ行使される。
  • ✕「のみ」という強調構文は疑ってかかったほうが良い。法律以外にも、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないか判断される。命令、規則はある意味法律であり、そんなの屁理屈ではという意見もあるかも知れないが、憲法に、「法律、命令、規則又は処分」と明記されている以上、やはり✕と言わざるを得ない。違憲判決が出たものに政教分離に関するものがあるが、これは法律ではなく、行政の対応が問われていた。このあたりを想起しても✕と判断できるはず。

 

148 ある法律の規定を違憲であると判断した最高裁は、その法律の改正を国会に命じることができる。
  • 最高裁判所により違憲判決が下された場合であっても、その判決はその裁判の当事者間にのみ効力が生じ、違憲とされた法律は「当然に無効とされるものではない」という個別的効力説が採用されている。「最高裁判所により違憲と判断された法律は自動的に廃止されるため、国会による改廃は不要である。」も✕。最高裁に法改正を命ずる権限はないため、「尊属殺重罰規定」は違憲判決が出たが、刑法第200条が削除されたのは、何と、違憲判決から20年以上も経過した後のことであった。

 

149 最高裁判所で違憲とされた例として、公職選挙法の定める衆議院の議員定数配分規定は、一票の価値の較差が合理的に許される範囲を超えているので違憲であるとされたものがある。
  • ○この他、違憲判決が出たものは全て、ひとつひとつ丁寧に確認しておこう。「最高裁違憲判決」は最頻出テーマである。また、違憲ではないものの、朝日訴訟など重要訴訟の判決についても繰り返し問われている。判決は、政治分野で最も狙われる・・・と心して勉強しておこう。

 

150 最高裁判所は、衆議院の解散によって地位を失った衆議院議員が解散の合憲性を争う訴えを、裁判所が審査することはできないと判断した。
  • 政経の問題。「極めて政治性の高い国家統治の基本に関する行為であつて、かくのごとき行為について、その法律上の有効無効を審査することは司法裁判所の権限の外にありと解すべき」としている。これは、「苫米地事件」と呼ばれたものの判断で、いわゆる「統治行為論」を採用したということになる。「統治行為論」は安保条約にかかわる「砂川事件」が最初の判例になるが、こうした「衆議院の解散」に関しても司法審査が及ばないと判断したことも知っておこう。実は、この「苫米地事件」、政経、現社ともに教科書の欄外に簡単ではあるが記載されている。「内閣不信任がなされていない場合の衆議院解散の効力について」が、司法判断になじまないもう一つの例であるといったニュアンスで取り上げられているが、いかんせん目立たない。でも、出題されているのだ。やはり隅々までチェックし、意味不明なものは質問するなりしてはっきりさせておきたいもの。ただし、これも実は、「括弧つけ」問題で、他の3つの文章は比較的判断しやすいが、やはりそれでも知は力なり、知っていると簡単に判断できた4択だったと思われる。なお、「内閣不信任案の可決に基づかずに衆議院を解散することは、違憲である。」という出題もあった。これは✕。

 

151 違憲審査権を積極的に行使することに批判的な主張の根拠に、国会議員は民主的な代表であり、国会の意思は尊重されるべきであるというものがある。
  • 政経問題の改題。「日本の裁判所が違憲審査権を積極的に行使することに批判的な主張の根拠として最も適当なものを選べ」というものだが、この文章の後段がそれに適合し、正文と考えてほしい。政経教科書欄外にも同じような文章がある。しかし、基本的には、法について判断回避はできるだけすべきではなく、司法の対象外とされるのはあくまで高度な政治性のあるものに限定されると解釈されているものと思われる。思考停止とか司法の責任回避とも批判されることがある「統治行為論」がそれであるが、一方で「統治行為論」そのものを否定する説があることは想像できるものと思う。なお、問題文は、国会について述べたものだが、裁判所は行政についてもその「裁量権」を尊重すべきだとする主張もある。法規に基づきつつも、行政庁が意思決定し処分できる権限を保障すべきであると。しかし、一方で、行政が裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる、とされる。社会権についての堀木訴訟の判決などがその典型的な例である。統治行為論については欧米でも学説で認められているようだが、一方で、積極的な憲法判断を行っているケースも出てきているとのこと。

 

152 裁判所は違憲立法審査権を積極的に行使し、必要な場合には違憲判断をためらうべきではないとする見解の根拠に、人権保障は、とりわけ社会の少数派にとって重要であるから、多数派の考えに反しても確保されるべきであるというものがある。
  • 政経問題の改題。「裁判所は違憲立法審査権を積極的に行使し、必要な場合には違憲判断をためらうべきではないとする見解の根拠となる考え方として最も適当なものを選べ」というもの。前項の逆の問題で、これが正文と考えてほしい。

 

153 恵庭事件は、被告人が刑法の器物損壊罪で起訴され、最高裁判所が統治行為論を展開した事件である。
  • ✕細かな問題である。恵庭事件は自衛隊に関する訴訟であることは知っていると思うが、自衛隊演習場内の通信線を切断したとして訴えられた刑事事件。一審で無罪とされ、最高裁には至っていない。自衛隊に関しては、長沼ナイキ基地訴訟は二審で「原告に訴える利益はないと却下、百里基地訴訟は二審で控訴を棄却、ともに最高裁は二審を支持。ということで、三つの訴訟とも、最高裁統治行為論により憲法判断回避した訳ではない。最高裁の、統治行為論による憲法判断回避は「砂川事件」判決と「苫米地」判決の二つだけである。なお、「砂川事件」や「恵庭事件」は事件、他は「訴訟」とあるが、どういう違いなのか?という疑問をもつ受験生もいるはず。事件がつくのは「刑事・民事事件」として起訴された場合。東京都公安条例事件は刑事事件、「石に泳ぐ魚」事件は民事。事件がつかないものは行政訴訟

 

154 重大な刑事事件の第一審に国民が参加する裁判員制度が導入された。

 

155 裁判員と裁判官とが合議し、有罪・無罪の事実認定だけをし、量刑の判断は行わない。
  • ✕量刑も決められる。「裁判員制度の下では、一般市民が、裁判官に代わって裁判を行うこととされている。」は✕。裁判員と裁判官との合議。

 

156 原則として裁判官3人と裁判員6人で判断し、評議で意見がまとまらない場合多数決だが、多数意見に裁判官一人以上の賛成が必要
  • 裁判員6人が全員有罪でも、裁判官3人全員が無罪だったら無罪。ただし、これでは市民感覚を取り入れようとした趣旨からすると矛盾するようにも思えるが、こんな極端なケースはないかと・・・。いずれにせよ、単純な多数決ではない。

 

157 参審制では、参審員は裁判官から独立して評決する。
  • ✕日本の裁判員裁判は、ドイツの「参審制」とアメリカの「陪審制」をミックスしたような制度となっている。参審制は「参」の文字が表しているように、参加市民と職業裁判官がとともに参加し、審理を行う。量刑判断も行う。これに対して、陪審制は市民だけで有罪か無罪かを判断、量刑判断は職業裁判官が行う。従って、問題文は✕。なお、裁判員制度はこれまでのところは参審制と同様だが、ドイツの参審制が団体推薦等による任期制であるのに対して、日本の裁判員制度は「事件ごと」「無作為抽出で選ばれる」。従って日本の裁判員制度は、参審制・陪審制のいずれとも異なる日本独自の制度だということになる。ちなみに、「陪審制はこれまで実施されたことはない」という問題が出されたことがある。✕。戦前一時期導入されていた。

 

158 裁判員は有権者の中から無作為で選出され、拒むことはできない。
  • ✕いくつか辞退事由が定められており、裁判所がこれらの事情にあたると認めれば辞退することができる。70歳以上の人、学生、妊娠中、重い病気やけがなど。承知のように裁判員裁判も18歳から該当するようになったが、高校生の場合、学業とのからみで辞退はできる。現在、辞退率の高さが課題になっているそうだ。

 

159 裁判員制度でこれまで死刑判決を下した例はない。
  • 裁判員裁判は対象が「重大な」刑事事件だけに、ある。

 

160 裁判員制度では、裁判員は裁判後も評議の秘密と職務上知り得た秘密の、守秘義務が課せられている。
  • 守秘義務 the duty of confidentiality あり  confideラテン語でもともとは「信頼する」という意味→「秘密」は「信頼」する相手と共有するもの confide「信頼して秘密を打ち明ける」confidential「打ち明けられた秘密を守る≒秘密の」 自分の能力に対する「信頼」は→confidence「自信」。●2021政経第1日程で、守秘義務が「任務終了後も課せられる」ことが問われた。 

 

161 裁判員制度が適用される事件では、公判前整理手続きが義務化された。
  • ○可視化だけでなくこれも。裁判員に判断しやすくするため。ただし、手続きに問題があり、差し戻しがなされた事例あり。

 

162 検察審査会制度では、検察官の不起訴処分が適当であるか国民が監視する制度が導入されている。
  • 有権者から抽選で選出 「検察審査会は、検察官が起訴した事件については、その起訴の当否を審査することはできない。」、これは正しい。あくまで、不起訴の場合に、起訴を求める申請があれば、検察審査会がかかわる。

 

163 検察審査会が起訴相当の議決を2回行うと、検察官は起訴をしなくてはならなくなった。
  • ✕検察官ではなく、「裁判官が指定した弁護士」が起訴する(強制起訴)ことになった。●2021現社第1日程では、「裁判官から選出される。」ときた。繰り返すが「弁護士」