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【速修・過去問/創作問題】⑥国会・内閣・裁判所(3)国会その2(参議院)

41 内閣不信任決議案を可決するには、衆議院において出席議員の3分の2以上の賛成が必要とされる。
  • ✕内閣不信任の決議は衆議院だけにできることだが、当然議決が必要。人事上のリコールはほとんどが2/3以上だが、内閣不信任は、法律案、予算案、条約と同様「過半数」。なお、これまで内閣不信任が可決されたのは4回だけ。1990年代の宮沢内閣が最後だが、この後「解散総選挙」にもっていったが、自民党は敗れ、細川連立内閣が成立することとなった。ただし、「過半数」で可能だが、かと言って内閣不信任の可決については、基本的に野党が出すものだから、過半数はハードルが高い。

 

42 衆議院において、内閣不信任決議案が可決されるか、または、信任決議案が否決された場合に、内閣は10日以内に必ず総辞職しなければならない。
  • ✕「必ず」といった強調構文は怪しいと思ったほうがよい。この問題と似たものを後にも掲載してあるが、衆議院を解散し(10日以内)民意を問うという、別の選択肢をとることもできるので✕。ただ、ここでもう一つ着目したいのは、「信任決議案が否決された場合」という部分。不信任は頭に入っていることとは思うが、案外この部分は無視されがち。ここに引っかかりを感じて✕と判断した受験生もいるかも知れないが、憲法にも実は明記されている。信任案は過去に3回しか例がないが、野党の内閣不信任案や参議院における首相問責決議などに対抗するために用いられる。野党が妨害工作として不信任案を提出することがあるが、そんなときに予め信任案を提出して可決させることで、野党に不信任案を提出できなくさせるといった使い方のようだ。

 

43 いわゆる強行採決を繰り返すことは、法的に問題が生じないとしても、討論による合意形成を基本とする議会制民主主義の精神に合致しない。
  • ○ストレートな正文である。強行採決は、少数派の議員が審議の継続を求めている状況で、与党のみが賛成する形で審議を打ち切り、委員長や議長が採決を行うことである。近年で言うと、統合型リゾート実施法案(カジノ法案)、出入国管理法改正案あたりが強行採決された。一方、欧米では強行採決などほとんどないそうだ。審議時間が確保されていること、会期制や法案審議の継続性が緩やかで、引き延ばしや早期解決の意味が薄いこと、といった理由から喧々諤々と議論がなされる。しかも、党議拘束が弱いから、採決してみないと結果は分からない。なんてなことを聴くと、日本の場合、抜本的に国会改革を断行する必要を痛感する・・・というのは私だけであろうか?時間はかかるが、話し合いで決めていくのが民主主義国家、権力者が仕切るのが権威主義国家。強行採決では権威主義的国家と同じではないか?であるとすると、今、民主主義の意義が問い直されていることになる。日本学術会議の会員承認を拒否された宇野重規東大教授は以下のように指摘したとのこと。「私たちに欠けているのは、自分たちの社会を自分たちの力で変えていけるという自信なのではないか。それこそが民主主義の危機だ」(<政流考>2022.3.11 令和臨調 民主主義の価値再確認を 共同通信社)。君たちも、自分たちで社会は変えていけるんだという自信をもち、そして少しずつ社会を変えてほしい。そして、私のような退職者も、諦めずに社会を変えていきたいと思っている。そして、気概を示したいと思っている。君たちだけに丸投げする訳ではない・・・しかし、君たちの中に希望を見たい。そのためにも、我々は老体にムチをうち、考え行動するから・・・。

 

44 両議院は、国政調査権をもち、裁判所の判決内容の当否に関しても行使できる。
  • 司法権の独立を守るため、裁判官の活動に影響を与えるような調査活動は許されないとされる。では次の問題はどうか。「憲法は、司法権の独立に配慮して、各議院は、刑事事件に発展する可能性のある汚職事件については国政調査権を行使できないと規定している。」→これも✕ 既に刑事訴追を受けていたら別だが、汚職の疑いがある場合は国政調査の対象となる。なお、国政調査は、委員会活動の中で行われ、過半数の議決が得られれば、議長の賛成のもと、「資料提出請求」「証人喚問」「参考人招致」の3つが可能となる。●2021現代社会第2日程で国政調査権が両議院にあるという認識を問う問題が出題されている。衆議院参議院それぞれに権限があり、衆議院で実施されずに参議院では実施されることもあり得る。これは二院制のメリットのひとつ。

 

45 国政調査権の基、証人として議院に喚問されても、出頭・証言を拒否できる。

 

46 証人喚問において、証人は偽証した場合は罰せられる。
  • 〇嘘の証言をすれば刑事罰に問われる可能性がある。ただし、刑事訴追のおそれを理由に証言を拒否することは可能。1976年のロッキード事件は、航空機の選定をめぐり、元内閣総理大臣が刑法の収賄に関する罪などに問われた事件で証人喚問では「記憶にございません」という回答が連発された。証人喚問のテレビ中継は人権上問題があるという声が上がり、尋問中のテレビ撮影などが禁止されたが、法改正が行われ現在は解禁された。なお、「参考人招致」の場合は、呼ばれても出頭する、しないは任意で、発言の際に偽証をしても罪には問われない。森友学園問題でも参考人が数名招致された。

 

47 衆議院および参議院は、それぞれその会議その他の手続や内部の規律に関する規則を定めることができる。
  • ○地味だが、○の文章として、何度も出題されている。国政調査権と同様、国会ではなく「両議院」の権限の一つである。その側面で意味があり、取り上げられるのかな・・・。案外なことに頻出なのでインプットしておこう。

 

48 衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に衆議院議員の総選挙を行い、その選挙の日から30日以内に国会を召集しなければならない。
  • </li○現社の問題。現社でも正確な知識を求めることがある。なお、「衆議院が解散され、衆議院議員総選挙が行われた日から30日以内に召集される国会を、臨時会(臨時国会)という。」これも現社の問題。✕、この国会は特別国会。>

 

49 衆議院が解散した時は参議院は閉会となる。緊急の必要があれば緊急集会が開かれる。
  • 〇あくまでも臨時的な措置で、緊急集会で決められた議決は、次の国会で10日以内に「衆議院の同意」が得られなければ無効となる。緊急集会は、これまで2回開かれたことがあるが、昭和20年代後半という古いもの

 

50 参議院が衆議院の解散中にとった措置には、事後に、内閣の同意を必要とする。
  • ✕センター政経の問題。 緊急集会で決められた議決は、次の国会で10日以内に「衆議院の同意」が得られなければ無効となる。内閣ではなく、「衆議院の同意」。なお、仮にこの知識がなかったとしても、あくまで国会が最高機関であって、内閣の同意を得るというのは論理的に矛盾するのではないか、という大局観で対応できる。

 

51 参議院は内閣総理大臣の政治責任に対して問責決議を出すことができる。
  • 参議院では10人以上の賛成があれば発議できる。首相だけでなく、国務大臣などに対しても出すことができる。可決されたケースとして2013年の安倍首相に対するものがある。

 

52 参議院の問責決議は法的拘束力はない。
  • 憲法や法律には問責決議についての規定はなく、問責決議案が可決されても法的拘束力はない。

 

53 国会に、官僚が答弁できる政府委員制度が導入された。
  • ✕大臣の代わりに答弁していた官僚による政府委員制度は廃止され、原則として答弁は「大臣・副大臣大臣政務官」に限られることになった。頻出問題。

 

54 ●国会審議活性化法により、内閣府や各省に、内閣によって任命される、副大臣と政務次官が設置された。
  • ✕2021現代社会第1日程問題。「政務次官」が廃止され、副大臣と「大臣政務官」を置いた。政務次官というのは官僚ではなく国会議員から任用されていたが、大臣と官僚の事務次官との間に置かれたものの、ほとんど機能していなかった。そこで、政策全般について大臣を助ける副大臣とともに、特定の政策について大臣を助ける「大臣政務官」が新設された。いずれも国会議員を充てることが慣例となっており、その点では政務次官と大きな差はない。なお、前項は「政府委員制度」の廃止、この項は「政務次官」の廃止と表現に違いがあるが、厳密に言うと、以下のようなこと。政府委員は国務大臣を補佐するため任命された委員で、政務次官だけでなく事務次官や各省庁の部局長などが委員として任命されていた。その制度が「政府委員制度」。これが廃止。それと並行して「政務次官」も廃止されが、ただし事務方のトップの事務次官というポストは残り、あくまで技術的・専門的質問についてのみだが答弁自体は可能ということに。ただし名称として、政府委員ではなく、「政府参考人」として。という具合に、実はそこまで大きな改革とは思えないのだが、「国会審議活性化法」の目玉の一つとして強調されている。ちなみに、「政務次官」と「大臣政務官」は似たような名称で混乱しそうという受験生は、今の名称ほど覚えておこう。この変化を「だいじにせんかい」と。

 

55 国会本会議に首相と野党の党首が討論する党首討論制が導入された。

 

56 近年、提出数、成案数ともに、法案は議員提出法案が内閣提出法案上回るようになった。
  • ✕提出数は議員立法が多い年もあるが、成案数は内閣提出法案が多い。成案数の違いは、内閣法の優先審議の原則や、野党議員が提出したものは時間的制約があると審議さえされないといったことが背景にある。内閣提出法は内閣が政策実施上から制定をめざすもの。一方、議員立法は実生活の必要性から、国民の間から出てきた要望を吸い上げたものが多い。「子どもの読書活動の推進に関する法律」も、多くの人々の熱い思いを吸い上げてできた議員立法で、この法によって学校図書館の整備も進んだ。個人的には議員立法がもっともっと増えることが望ましいと思う。なお、現代社会の問題に以下のものがある。「議員の立法活動を補佐するために、政策秘書の制度が設けられ、議院事務局や国立国会図書館などにもそのための部局が置かれている。」、現代社会も時には教科書にない事項を判断させることがある。現社を侮ることなかれ。○である。国会議員が国費で採用できる秘書(公設秘書)には、公設第一秘書、公設第二秘書、政策担当秘書という3つの役職があり、このうちのひとつ。

 

57 立法府が大枠だけ決め、細部は行政府の立法に委ねる委任立法は禁止された。
  • ✕委任立法の一例をあげてみよう。児童扶養手当の支給対象について、児童扶養手当法は、父母が婚姻を解消した児童、父が死亡した児童等の列挙の最後に、これらに「準ずる状態にある児童で政令で定めるもの」としている。この後段が委任立法で、行政に裁量権を認め、具体的な対象については政令に委任しているということである。行政の肥大化とともに、特に行政に関わる分野では委任立法はむしろ増大している。議会の立法権を放棄するに等しい白紙委任は許されないが、委任立法があまりに増えるのも問題であろう。なお、「政令」については後ほど詳しく触れる。

 

58 衆議院と参議院の多数党が異なるという「ねじれ国会」という状態が出現したことはない。
  • 衆議院参議院は、異なる時期に異なる方法で選出された議員によって成り立つので、ねじれはあり得る。以前にも触れたが、ねじれこそ、単純な多数決による採決ではなく、議論をより深めることができる可能性をもち、民主主義の観点からするとより健全ではないかという見解もある。一方で、与党が参議院過半数を維持するのが難しくなって、「強すぎる参議院」なんて呼ばれることもある。

 

59 会期中に議決に至らなかった案件は、次の国会で継続して審議することが義務付けられている。
  • ✕審議がつくされれば議決し、会期が終わっても審議がつくされていなければ、審議未了として廃案にされ、「会期中に議決に至らなかった案件は、後会に継続しない」とされている。これを「会期不継続の原則」と言う。「継続しない」ということであるが、もう一度審議することができないという意味ではなく、衆議院で可決され、参議院で継続審議になり廃案となった場合、もし、もう一度議決を目指すのなら、衆議院の前回での可決はなかったということになり、もう一度審議し直すという意味である。そのため、廃案を目指す野党は、国会で審議拒否等の時間を稼ぐ戦術を採る。一方、与党は「強行採決」を断行したり、法を可決させるために「会期」を延長させる作戦に出ることがある。通常国会は1回しか延長できないので、延長幅は最大何日までという決まりはないため、与野党が延長幅をめぐって攻防することもある。既に見たように通常国会は150日。当初は予算案が主な審議対象になるので、法案審議は中盤以降ということになる。委員会の審議を経て本会議での採決ということなので、時間はかかる。ところが、審議が伸び伸びになり、さらに参議院での審議が進まないとなると会期中の成立が難しくなる。だから60日ルールというものがあるということになるのだ。どう?これで60日ルールの意味がわかったのでは?60日間たっても審議されなかったら、「みなし否決」とし、2/3以上で決定できるように、ということなんだ。で、時間不足であれば、会期を延長する・・・このように、いろいろなことがつながると、「あっ、そういうことだったのか」とすっきりするのでは?これが勉強することのひとつの意義である。・・・なお、昨年の通常国会は、逆に、野党がコロナ対応のため会期延長を主張したが、与党は延期せず閉会した。では、これはなぜか?これに答えられないようでは困ったものだ・・・ということになる。受験生、忙しいのは分かるけど、社会に、政治に関心をもたないと。ちなみに、分からなければ質問してほしい。私のブログに質疑応答を掲載するから。

 

60 与党と野党が国会本会議で、対決姿勢で激しく政策論戦を交わす政治状況を国対政治と呼ぶ。
  • ✕逆で、密室でのある種の妥協である。与野党国会対策委員長同士が本来の議論の場である国会の本会議や委員会での議論ではなく、円滑な国会運営を図るために、議会の進め方をめぐって、裏面での話し合いを行って国会運営をすること。55年体制下、特に自民党社会党が拮抗した時に、どういう日程でどの法案を通すかが決められ、国会内での議論が沈静化するという弊害が生じた。「国対政治は、審議の日程や手順を各党の国会対策委員の折衝により決めておくやり方で、国会運営の透明性を高めるのに寄与している。」という文章は当然✕。透明性を高めるために党首討論が導入されるなどしたが、国対政治からは未だに脱却できていないという批判も根強い。一方で、国会の議論自体も噛み合わないことが多く、のらりくらりと、はぐらすだけの与党、批判ばっかりの野党と、有意義な政策論争になっていないという批判も強い。新しい政治リテラシーを持った議員の登場が切望される。