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【速修・過去問/創作問題】⑥国会・内閣・裁判所(2)国会その1(衆議院の優越)

21 臨時国会は衆議院または参議院議員の1/4以上からの要求があれば開催できる。
  • ○内閣の閣議決定でも招集可 会期の規定なし 2回まで延長 1/4という数字も覚えておきたい  なお、この他、先に触れた衆議院議員の任期満了による「総選挙」と、参議院議員の「通常選挙」の後も必ず臨時国会が開かれる。これは教科書に記載がないが知っておこう。今回の総選挙は岸田首相による解散総選挙であったので、特別会として実施された。今年は参議院選挙が行われるので、選挙後の臨時国会に注目しよう。なお、細かいことだが、衆議院憲法にも規定されているように「総選挙」と呼び、参議院の場合は「通常選挙」と呼ばれる。衆議院が全員を対象とした選挙であるのに対して、参議院が半数の改選であることによる違いか、ただしこれも明確な説ではない。

 

22 国会議員は在任中は現行犯を除いては逮捕されない。
  • ✕「会期中」のみ 在任中までの不逮捕特権はない。 政府が議員の活動を妨害するために逮捕したという歴史的な経緯があったためこうした不逮捕特権がある。現行犯場合にも、検察は一定の手続きを踏んで、所属の院の「許諾」を得る必要があるとのこと。逮捕された例は20例程度あるそうだ。なお、昨年、前法相夫妻は国会閉会翌日に逮捕された。検察は手堅く時を待っていたということか。★2021政経第2日程で出題。

 

23 衆参両院の各議員は、国会の会期中は逮捕されず、会期外の期間においても、その所属する議院の許諾がなければ逮捕されない。
  • ✕所属する議院において許諾が必要なのは会期中。会期外はその必要性なし。現社の問題だが、正確な理解をしていないと迷うかも。

 

24 議院内の秩序を乱したことを理由に国会議員を除名する場合には、所属する議院において、出席議員の過半数による議決が必要である。
  • ✕「除名」は既に触れたことであるが、記憶に残っていたであろうか?過半数ではなく、出席議員の2/3以上による議決が必要である。法的拘束力があるため、特別多数議決である。このことは教科書には出ていないが、政経問題として実績あり。

 

25 憲法上、国会議員は「全国民を代表する」とされているので、選出された選挙区の利益を追求する代弁者に徹することが求められている。
  • ✕論理的矛盾  現代社会特有のconfusing問題。

 

26 法律案は、特別な事情がない限り、常任委員会に付託される。
  • ○本議会前の委員会での審議を重視  アメリカ型 イギリスは本会議  議員は、少なくとも一つの常任委員会に属さなくてはならない。各委員会には、法律案などの議案を審査する権限がある。「常任委員及び特別委員は、各会派の所属議員数の比率により、これを各会派に割り当て選任する」ということなので、少数政党の場合、参加できない委員会もあるということになる。なお、委員会も法律案を出すことができることも知っておこう。法案提出権は①国会議員、②委員会、そして、承知の通り、もうひとつ③内閣にもある。

 

27 常任委員会のうち、予算委員会では、国民各層の有識者の意見を聞く公聴会を開かなくてはならない。
  • ○予算の場合は必ず「公聴会」を開かなくてはならない。重要議案についても開かれることがあり、委員会で「利害関係者」と「学識経験者」に意見を聴く。「国会に設置されている委員会は、法律案の審議のために公聴会の開催が義務づけられている。」これは✕ 予算のみが義務化。

 

28 国会は必要に応じて常任委員会以外の、特別委員会を開くことができる。
  • ○「東日本大震災復興特別委員会」などで、特別委員会は、会期ごとに各議院で必要と認められたときに、その院の議決で設置される。 「特別委員会は、必要に応じて設置され、同一会期中は廃止できない。」という問題が出たことがある。かなり細かな知識を要求した「括弧つけ問題」だが、✕。期間を限定して設置され、案件の処理や調査が終ると消滅するものがほとんどだそうだ。一方で、各議院の議決で特に付託された案件については、閉会後もなお、これを審査することができるそうだ。これは常任、特別問わずということ。これは後に触れる「会期不継続の原則」の例外。例外は試験で狙われるので、細かすぎるものだが知っておこう。

 

29 本会議では総議員の過半数が出席していないと議決できない。
  • ✕ 合議制の機関が議事を進め議決をするのに必要な構成員の最小限の出席者数を「定足数」と呼ぶ。3分の1以上でよい。もし2/3にしてハードルをあげると、野党が政治的時間稼ぎのために全員欠席なんかしたものなら、政治運営が停滞してしまう。欧米は過半数だそうだが、日本の場合よりハードルを下げていることになる。

 

30 国会、本議会は総議員の1/3以上、委員会は総委員の1/2以上の出席が必要である。
  • 〇委員会は20名から40名という規模なので、1/3では寂しい。委員会は過半数が定足数。

 

31 議案は、出席議員の過半数で可決する。
  • ○同数の場合、議長が投票する。なお、法律案は「出席議員」でいいが、憲法改正の発議は「総議員」

 

32 本会議は秘密会とすることができない。
  • ✕3分の2以上の賛成で秘密会とすることができる。ただし、国会の会議において秘密会が開催されたことは一度もない。またもし秘密会が開催されたとしても「両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。」とされている。

 

33 法律案は必ず衆議院が先に審議しなくてはならない。
  • ✕「予算案」のみ衆議院に先議権あり

 

34 二院制は、国民の様々な意見をできるだけ広く反映させることができる、より慎重に審議できる、一つの議院の行き過ぎを抑えたり足りないところを補ったりできる、といった利点から導入されているとされる。
  • ○これは問題というより、思考問題のための準備問題として掲載しておいた。一般にこうした三つの点が挙げられよう。なお、一方で衆議院に優越を認めているが、その理由として、衆議院は任期も短く解散もあり、「国民の意思を反映しやすい」からといった中学校記述問題の模範的解答や、二院を対等にすると議事の停滞を招く恐れがあるから、といったものが挙げられることは承知の通りかと。ちなみに、参議院の方には、問題文にあるように、衆議院の暴走?の「抑制」と「補完」が期待され、「良識の府」という名称を自認していたが・・・承知のように、現在は、参議院は「衆議院のカーボーンコピー」と揶揄されるようになっている。一方で、ねじれ国会になると、「強すぎる参議院」と批判されたりもする。以下、問題演習を通じながら、今後の国会はどうあるべきか、自分なりに考えてみてほしい。

 

35 国会の各議院の議長は、審議中の法案が基本的人権を不当に侵害するおそれがある場合、最高裁判所に判決を求めることができる。
  • ✕こんな、聞いたことがない、突拍子もない問題が出ることがある。無論✕。「三審制」の日本でいきなり最高裁はあり得ない。

 

36 法律案について衆議院と参議院で異なる議決がなされた場合、必ず両院協議会を開かなくてはならない。
  • ✕法律案の場合、両院協議会の開催は任意 開催するかどうかの実質的な決定権は衆議院にある。両院協議会は、衆議院参議院から選ばれた10名ずつの協議委員で組織され、各議院の協議委員の「3分の2以上」の出席のもと開かれる。両院協議会において、出席協議委員の「3分の2以上」の多数で議決されたとき、両院協議会の成案となる。 頻出問題で「法律案について衆議院参議院が異なる議決をした場合、両院協議会での成案が得られると、それが直ちに法律となる。」という出題もあった。これも✕ ここでは両院協議会を必ず開かねばならないと言っている訳ではないが、後段の「それが直ちに成案になる」が誤り。「直ちに」という強調構文もヒントになって怪しいなと感じるとは思うが、成案は、その後、両院の本議会で議決されなければ国会の意思とはならない。二段構えの過半数超えが必要である。しかし、このように両院協議会を経て成案に至るケースは稀であり、成案をみた直近の法案は、細川連立政権時代の1994年の「政治改革法案」である。で、最後に、ではなぜ、そもそも法律案の場合、両院協議会開催は任意なのか?これに答えられるであろうか?次の問題を通じて、「あっそういうことか」となるといいが・・・

 

37 法律案について衆議院と参議院で異なる議決がなされた場合、衆議院で過半数の賛成で再可決されれば法律となる。
  • ✕先に見たように、両院協議会は任意であるが、もう一つの可決の仕方が、衆議院での再審議である。衆議院だけに認められているもので、衆議院の優越を意味するものであるが、3分の2以上の多数で可決しないと法律にならない。法律案は、予算や条約より成立させるためのハードルは一段高い。与党が2/3を占めないと難しく、そのため、こうしたルールに基づいて成立した法も数少ないが、2008年の「新テロ特措法」などがある。しかし、一方で、両院協議会を通じた制定も難しいし、時間もかかる。そこで、会期期間が少なくなった時、この方法だと、会期中成立もあり得る。ということで、法案成立に至る可能性を残すためのルールであると捉えることができるのではないか。与野党対立、あるいは、ねじれ国会で法案成立が滞ると、それはそれで問題であるからだ。ただし、あくまで2/3という高いハードルにはしてある。こういう微妙なバランスのうえに、このルールはある。どうだろうか?「あっ、そういうことか」と思ってもらえただろうか。

 

38 衆参両院の議決が異なる法律案は、両院協議会でも成案が得られない場合、衆議院の議決が国会の議決となる。
  • ✕前項でも触れたように、両院協議会による成案か衆議院における2/3以上の賛成が必要であり、✕。このように、ちょっとした文言を変えて、繰り返して出題されている問題である。「衆議院で可決し参議院で否決した法律案が法律になるためには、再度、衆議院で総議員の3分の2以上の賛成を必要とすると憲法は規定している。」これも✕。両院協議会による成案の道もある。なお、2021総選挙の結果、現在は、自民・公明の与党は「2/3」に達していない。そのため再可決は難しい。一方でねじれてはいないので、衆参両院の議決が異なるようなことはまずないだろうから、与党にとってはとりたてて心配する必要はない・・・ということになるのだろうが。

 

39 参議院が衆議院が可決した法案を受け取った後、60日以内に議決をしないときは、衆議院の議決が国会の議決となる
  • ✕★2022政経で出題されたばかりの問題。繰り返し見てきたように、法律案は、ねじれた場合は両院協議会による成案か衆議院における2/3以上の賛成が必要である。では、参議院がなかなか議決しなかたら・・・ということで、「60日ルール」のことを知らなかったら、この問題には答えられない。60日以内に議決しない時も、ねじれと同様、両院協議会による成案か衆議院における2/3以上の賛成か、どちらかが必要で、自然成立とはならない。実は現代社会の教科書にはこのことの記載がない。しかし、政経の教科書にはしっかり記載されてはいる。けれど、読み流していたらこれも記憶に残らない。そこで、「60日ルール」といった言葉で、強調しておくと、記憶に残るのではないか。なお、参議院が60日以内に議決しない場合、衆議院はこれを否決したものとみなす。「みなし否決」と言う。センター政経で、「衆議院の可決した法律案を受け取ってから一定期間内に参議院が議決しないときは、衆議院参議院がその法律案を可決したものとみなせる。」というものもあった。可決したものではなく、「否決したものとみなす」が正しい。こんな、よくよく読まないと罠にハマるような問題もある。

 

40 予算・条約・内閣総理大臣の指名については、衆議院と参議院が異なる議決をしても衆議院の優越の原則から、そのまま衆議院の議決が優先する。
  • ✕さすがに「そのまま」ではない。必ず両院協議会を開催しなければならない。ただし、成案が成立するケースはこれもレアであり、予算・条約・内閣総理大臣の指名については、不一致の場合、衆議院の議決がそのまま国会の議決とするという、「衆議院の優越」が認められている。法律案よりハードルが低い。なお次の問題も判断してみよう。「衆議院が可決した予算を参議院が否決した場合でも、衆議院が出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、その予算は成立する。」→✕ 再議決はそもそも不要である。なお、法律案の60日ルールに対して、予算・条約は30日、内閣総理大臣の指名は10日、それ以内に参議院が議決しなければ、衆議院の議決が国会の議決となる。法律案と違って迅速な決定を要するため、日数も短いという訳だ。