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【速修・過去問/創作問題】⑥国会・内閣・裁判所(4)内閣と国務大臣

61 日本の首相は国会議員でなければならない。
  • ○議院内閣制の原点。

 

62 内閣総理大臣は、内閣を代表して法律案を国会に提出する。
  • ○「内閣総理大臣は、同輩中の首席という地位を有する。」という問題が出たことがある。これは明治憲法なので✕。★2021政経第1日程では「内閣の首長」という言葉を選択させている。問題文は地味なものであるが、内閣総理大臣の権能の一つで、繰り返して4択に採用されている。「行政各部を指揮監督する」も。なお、「内閣総理大臣は、外国の大使を接受する権限をもつ。」これは✕。天皇の国事行為。なお、★2021政経第1日程では、法律と政令には、担当大臣とともに「内閣総理大臣連署」する必要性があることが出題されている。

 

63 首相の任期は5年である。
  • ✕任期に定めはない。駄作問題だが、引っかかったらおおごとだよ。なお、最長は2012年末から約7年8カ月続いた安倍政権。この間、2回の解散総選挙を実施、96代、97代、98代首相を務めた。

 

64 日本の場合、国務大臣の任命は国会の承認が必要である。
  • 国務大臣の任命と罷免は内閣総理大臣の専権事項。なおアメリカでは上院の同意が必要。現社の問題「国会の議決により、内閣総理大臣および国務大臣は指名される。」はもちろん✕。政経の問題「内閣総理大臣は、国務大臣の任免を通じて、内閣の一体性を維持することができる。」これはやや判断力を必要とする文章になっているが、○。既に見たように、国務大臣を罷免をしたケースもあったが、こうした知識があれば、すんなりと判断できるはず。「内閣総理大臣が内閣の方針に反する言動を行う国務大臣を罷免するには、閣議構成員の過半数の同意を得なければならない。」は✕。こんなもっともらしい文章を4択にいれてくるのが現社。なお人事刷新を図るなどのために、内閣総理大臣は代わることなく、他の国務大臣の全部又は一部が代わる「内閣改造」を行うことがある。これは内閣総辞職ではないので注意。国務大臣の任命と罷免が内閣総理大臣の専権事項であることが根拠で、通常は国会閉会中に行われる。

 

65 国務大臣の過半数は国会議員でなければならない。
  • ○イギリスは全員国会会議員。なお、現在の岸田内閣も全員が国会議員。民間人閣僚は8年余り不在とのこと。なお、こんな問題が出たこともある。「国会議員である国務大臣が選挙によって議員としての地位を失ったときは、その時点で国務大臣の職を失う。」→ 国会議員であることは必要条件ではないので、その時点でとなると✕、解散総選挙後ではなく、その後の特別会の時に内閣は総辞職するので、その時点でではない・・・と、これまた✕ということになる。いささか厄介な問題文。なお、国務大臣の定数は、内閣法により、現在、14人(復興庁及び東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部が置かれている間は16人)以内とされている。ただし、特別に必要がある場合においては、3人を限度にその数を増加し、17人(復興庁及び東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部が置かれている間は19人)以内とすることができる。

 

66 国会における第一党が全議席の過半数を超えない場合、どこかの党と連立することで過半数を維持するのが連立与党、連立与党が形成する政権を連立政権と呼ぶ。
  • ○連立与党を形成した場合、連立相手の政党からも入閣するのが一般的。現在も自民党公明党との連立政権で、国交相公明党議員。なお、議院内閣制をとるイギリスやドイツも、連立政権をとるケースがあることも知っておこう。

 

67 連立政権においては、多様な民意を政権に反映できる反面、有権者の選択とは無関係に、政党間の離合集散が政権の行方を左右することもある。
  • ○1993年に誕生した細川政権以来、日本では連立政権が常態化し、さまざまな政党の誕生と消滅、離合集散が続いた。かなり判断力を必要とする問題文であるが、基本、間違ったものではなかろう。連立政権の場合、政権間の離合集散がおこりやすく、それは有権者の意向とは別の、政治的力学によって生じると考えられるからである。政権与党の一角を占めるから応援したという有権者にとって、その政党が離合集散の中で与党から出ていくこともあり得ようが、その場合、有権者の意向は考慮されない。また、第一党を選んだ有権者が、では、連立政権を組む政党を支持しているかと言うと必ずしもそれは言えない。自民党社会党の連立など、国民には荒技としか映らなかったはず。連立政権はあくまで政党間の力学に基づく。ただし、連立政権は、一方で、多様な民意を政権に反映できるという面はあり、それはそれなりに意味がある。政経の正文として4択に入れられた「括弧つけ問題」だが、考えさせる「思考問題」に仕立て上げると面白い問題ができるかも知れない。◎「フクフクちゃんの深める」で創作問題にチャレンジしてみる予定だ。

 

68 議院に議席を有しない国務大臣は、議院に出席し、議案について発言することはできるが、議案の表決に参加することはできない。
  • ○議案の表決にはさすがに参加できない。

 

69 内閣総理大臣の同意がないと検察官は国務大臣を公訴できない。
  • 憲法に、国務大臣の特典として「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない」と明記されている。問題文は「公訴」、憲法は「訴追」と言葉は違うが、日本では刑事訴追はすべて公訴であり、国家機関の中でもとくに検察官がこれを行うものとされているので、意味は同じ。「在任中の国務大臣を訴追するには、国会の同意が必要となる。」は✕。なお、憲法には、「ただし、これがため、訴追の権利は、害されない」とあるが、これはどういう意味か?→「国務大臣が職務を退いた後に訴追はできる」という意味である。訴追に同意がなかったとしても時効が停止するので、後から訴追することができるとされている。

 

70 日本銀行の総裁は内閣が指名する。
  • ✕国会の同意を得て(国会人事)、内閣が「任命」する。任期は5年

 

71 最高裁判所の長官は内閣が指名する。
  • ○任期不定。70歳までできる。

 

72 内閣総理大臣のリーダーシップを確保するために、閣議については、内閣総理大臣に決定権が付与されている。
  • 閣議は首相が主宰するが「全会一致」が慣例である。そのため、首相が通そうとした案件に反対した国務大臣が出たため、これを罷免し、閣議決定させた例がある。また、「内閣総理大臣が主宰する閣議での決定は、多数決によることが慣行となっている」という別の出題もある。多数決ではない。なお、ここに「慣行」という言葉が出たが、別のセンター政経で、閣議の充足数が法で規定される「法律事項」ではなく、「慣例」であるという知識を求める問題が出題されたこともある。安倍政権下、集団的自衛権閣議決定も含めてかなり多くのことが閣議決定されたが、国会での議論を軽視し、「非公開」で決定する、密室政治ではないかという批判もある。★2021政経第1日程で、「全会一致」のことが問われた。

 

73 内閣総理大臣は裁判官を罷免する弾劾裁判所を設置できる。
  • ✕内閣ではない。「国会」に設置される。●2021現社第1日程の「罷免の訴追を受けた裁判官を裁判する弾劾裁判所は、衆議院のみが設置する。」は✕。衆参両議院から選ばれた者によって国会に設置される。

 

74 内閣総理大臣が自衛隊に出動命令を出すにあたっては国会の承認が必要とされる。
  • 内閣総理大臣は、自衛隊に対する最高指揮監督権をもつが、国会の証人は必要である。なお、「自衛隊の定員や予算、組織に関する基本的内容を決定する権限は国会がもつ。」という問題が出たことがある。これも正しい。「予算」の承認は国会の権限であることを想起しよう。

 

75 内閣は条約を締結する権限をもち、国会の承認は事後でもよい。
  • ○条約は、規約とか議定書とかの名称のいかんにかかわらず、国家間に一定の権利義務関係を設定する文書による約束を指すが、既存の条約を執行するために必要な技術的・細目的な協定は、条約には含まれない。事後承認は、緊急やむをえぬ場合に限るのが原則。しかし迅速性の観点から担保されたものであり、「条約の締結に必要な国会の承認は事前に与えられなければならず、それを欠いて締結された条約は当然に無効である。」は✕。なお、政府が行政の範囲内の協定と判断し、後に、国会承認が必要な条約ではないかという議論が高まり、改めて国会に提出したとする。ところが、国会が承認しなかった。この場合、国内では無効になるが、条約自体を破棄するのは難しいのではないかな・・・過去そのような例はないけどね。

 

76 憲法は、衆議院が内閣の提出した予算を修正した場合、その修正に対して内閣総理大臣が拒否権を行使できると規定している。

 

77 日本の内閣総理大臣の場合は、自らが実行したいと掲げた政策が、与党内の政治力学により、実施できないことはあり得ない。
  • 大統領制でも、議会との対立でなかなか実行に移すことができない場合はある。しかし、議院内閣制の内閣総理大臣は、大統領制より、より厳しい状況にある。与党の力学の中で、反故にされることもあり得る。現在の岸田首相も、様々な力学の中で腐心しているのではないか。問題文はへんてこりんな駄作だが、総理大臣がリーダーシップを発揮しにくい現状があるのは事実。そこで、「首相公選」ということも主張されているが、確かにその方がリーダーシップを発揮しやすいであろう。このあたりを問う問題も出題されている。「この選出方法のねらいは、首相と議会との協調を促すことにある。」は✕。「この選出方法では、当選した首相を公認・推薦した政党が、議会の多数党であるとは限らない。」は○。なお、「首相公選」導入のためには、もちろん憲法改正が必要。

 

78 日本の首相は衆議院が不信任案を可決するとすぐに総辞職しなければならない。
  • ✕「すぐに」といった強調構文は怪しいと思ったほうがよい。衆議院を解散し(10日以内)民意を問うという、別の選択肢をとることもできるので✕。「国会において憲法の規定に基づき内閣不信任決議案が可決された場合、内閣は総辞職か衆議院の解散かを選択することになる。」なら○

 

79 国務大臣が衆議院で不信任されたとき、内閣総理大臣はその大臣を次の会期までに更迭しなければならない。
  • ✕個別の閣僚(国務大臣)に対する不信任の決議は、政治的責任の追及という意味を有するにとどまり、法的効果を伴うものではない。国務大臣を選ぶのは内閣総理大臣の専権事項だから、それを国会決議が強制力をもって覆したら三権分立に反することになるからである。従って、内閣総理大臣には罷免の義務はないし、また自ら退任する必要もない。これは現社の問題。現社、侮ることなかれ。

 

80 政令が法律の範囲を越えないように、内閣は政令案を国会に提出して審査を受ける必要がある。
  • ✕政府が作成した予算案や締結する条約については、確かに国会が承認しないといけないが、政令はその必要性はない。もっともらしい文章だが、こんなこと聞いたことがないはず。センター政経問題だが、待てよ、そうだっけ・・・と疑ってかかる必要あり。なお、内閣の権能である恩赦も国会の承認は必要とされていない。

 

81 法律の範囲内で内閣が制定する政令は、法律の委任があれば罰則や義務を設けることもできる。
  • ○今回のコロナ禍における特措法に基づいた政令による過料などが該当 逆に言うと、法律の委任がない限り罰則や義務は設けることができない・・・これは重要。「国民の権利を制限する規制措置は立法権限を持つ国会が制定する法律のみがなしうるのが原則で、例外的に命令がこれをなすには法律の授権がなければならないからである。」なお、行政の立法は「法規命令」と「行政規則」(内部ルール)に分類され、「政令は法規命令」にあたる。さらに法規命令は「執行命令」と「委任命令」の2種類があり、前者は実際に行政を担う内閣が法律を執行するため細目を定める命令、後者は、法律に委任された事項を具体的に定める命令で、既に触れた「委任立法」に基づくもの。後段の場合は、罰則や義務を設けることができることになる。なお、「執行命令」「委任命令」は政経には記載がないのに、現社の教科書欄外に記載されているという珍しい例。

 

82 国の行政機関は、法律の委任に基づかない独立命令を制定することができる。
  • 政経の問題。「政令」という言葉は知っているが、「独立命令」という言葉にはなじみがないかと思う。しかし、何となく✕と感じるのでは?法律に根拠をもたず、行政権によって法律から独立して発せられる命令のことで、言い換えれば、法律を無視して内閣が制定する政令のこと。憲法にさえ沿っていれば法律に違反していても政令が下せるのではないか、という解釈の下にある命令で、明治憲法下では認められていたが、日本国憲法では認められていない。現在は、前項で見た「執行命令」「委任命令」も法律に矛盾していたら正当化の根拠を失うため「独立命令」となり、無効である。ただし、通常の授業でこの「独立命令」という用語に言及することは稀で、類推で、あるいは大局観で✕と判断したい問題。

 

83 内閣総理大臣が欠けた場合、内閣は直ちに閣議を開き、閣僚の互選により新たな内閣総理大臣を選任しなければならない。
  • 内閣総理大臣は「あくまで国会から指名されるもの」。内閣は「総辞職」をし、新たな内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行わなければならない。総辞職はするが、政治的空白が生じないように、という趣旨であろう。これは憲法に明記されている。速やかに特別国会が開催され、新たな内閣総理大臣が指名されることになる。なお、実際の例として、1980年、大平首相死去に際して、事前に指名されていた官房長官が総理大臣臨時代理として内閣総辞職を、2000年には小渕首相が倒れ、やはり官房長官のもとで総辞職したケースがある。