「三つで括って覚える現社の倫理」 ⑦生命倫理
現社では「必出事項」として確認しておくこと ここも出たら落とせない
クローン技術
①1996 クローン羊ドリー
②人間とクローン
2000 「ヒトクローン技術規制法」で禁止
技術的には可能だが・・・倫理的問題から
③・ベビー
親の望む遺伝子を組み込んだ受精卵による・ベビーを生み出す可能性
日本 → 法規制の動き
生殖革命
①授精
・人為的に精液を生殖器に注入することによって妊娠を実現することを目的とした技術
・夫が精子のない無精子症の場合、夫以外の第三者から提供された精子を子宮内に注入して妊娠をはかる「非配偶者間人工授精」も認められている
※法的に結婚している夫婦のみに認められる
②受精
・排卵近くまで発育した卵子を体外に取り出し(採卵)、
精子と接触させ(媒精)受精し分割した卵を子宮内に戻す不妊治療
※法的に結婚している夫婦のみに認められる
③代理母出産
・不妊夫婦のために、別の女性が代わりに出産する
・依頼を受ける側の女性の卵子を用いて「授精」をして懐胎する場合は
代理母(・マ ザー)
・依頼する側の女性の卵子を用いて「受精」した受精卵を、
子宮に着床させて懐胎する場合は借り腹(ホスト・マザー)
※いずれも日本では認められていない 海外では可能なところも
出生前診断
①胎児段階での病気の発見・治療に貢献
②命の選別の危険性 ← 思想
③日本では、胎児の先天性疾患を理由とした人工妊娠中絶は認められていないが・・・
ヒトゲノム(人間の遺伝情報の総体)
①解読完了
②難病治療進展の可能性
③今後遺伝情報の保護等をめぐって人権上の問題が発生する可能性
※ユネスコ 遺伝的特徴に基づく差別の問題などを扱う
「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」を採択
再生医療
①細胞(胚性幹細胞)
→ 受精卵の初期の段階である胚を解体して作る
胚をこわすため、倫理上の問題が指摘
移植の際に拒絶反応
②細胞(人工多能性幹細胞)
→ 皮膚などの体細胞にある幹細胞で作る
胚をこわす必要がない
移植の際の拒絶反応は起きない
※現在、iPS細胞を利用した再生医療が進展
脳死臓器移植
①人の死の判定 → 三兆候
[1]の停止 [2]自発の停止 [3]瞳孔の散大
②脳死
脳幹を含む脳のすべての機能が不可逆的に停止した状態
③1997 臓器移植法の制定
→ を行う場合のみ、脳死を人の死とする
・脳死と判定された提供者(ドナー)の書面による同意をもとに、患者(レシピエント)への臓器移植が法律で認められた
・本人の同意
→ 健康保険証・運転免許証などで臓器提供の意思表示可能
臓器移植法の改正
2009 改正
①本人と家族の同意
[1]本人の同意
・本人が同意し、家族が承諾(同意)すると臓器提供が可能。
・逆に、本人の提供意思があっても、家族が「同意しない」と臓器提供は不可。
[2]本人の拒絶
・本人が「同意しない」という意思表示をしていれば家族は提供に同意できない
[3]本人の意思が不明
・「本人の拒絶意思がない場合、が同意すればOK」ということに
「推定同意制」(拒絶の意思表示がない限り、同意とみなす)
← 日本ではドナー提供が進んでいないため
※つきつめると、本人と家族、どちらか一方でも「同意しない」と臓器提供は不可
②優先提供の意思表示も可に
③歳未満の子どもの臓器提供も可能に
自己決定の尊重と末期医療
①患者の権の尊重
↔ パターナリズム(患者が医者にすべてを委ねる) → 父権主義
・インフォームド・コンセント
→ 医師による説明と、患者の理解・選択に基づく同意
②ターミナル・ケア (末期医療)
→ 末期患者のためのホスピスでの医療
QOL(生活の質)を重視
③リヴィング・ウィル
→ 生前、自分の死のあり方を意思表示
「延命」措置の中止の表明も
尊厳死・安楽死
①尊厳死
・世界各国で法的な容認が進む尊厳死だが、日本では、尊厳死を認めた法はない
・欧米のように、医療者がリビング・ウィルに従って延命治療を中止した場合、「法的には罰せられないことを定めている」法律もない
②安楽死
・日本は認められない
・オランダ・ベルギーでは安楽死法が成立
③SOL(生命の尊厳)か、QOL(生命の質、生活の質)か
Sanctity of Life、Quality of Life
性の多様性
・生物学的な性別(sex)に対して、社会的・的につくられる性別のこと
・男性、女性それぞれに対するバイアス(固定観念・先入観)に囚われないこと
②性的マイノリティー
・LGBT
好きになる性(Sexual Orientation)
→ [L]レズビアン [G]ゲイ [B]バイセクシュアル
性自認(Gender Identity)
→ [T]ジェンダー
(こころの性とからだの性が一致していない人)
※医学用語の「性同一性障害」とは異なる
なお、性同一性障害は現在、WHOは精神障害から除外し、
「性別不合」という表現に変更 → 日本もやがて変更される見込み
・Sexual Orientation and Gender Identity
・性は多様で、誰もの人権問題
→ 性的マジョリティも含め、国連は
「SOGIを理由とする暴力と差別から保護する」ことを国や事業主等に求めている。
※現在、「多様性」(ダイバーシティ)を尊重しようという動きが様々な領域で進む
→ そのためには、「タイプ」に陥らないことも必要
→ レッテルを貼るのではなく、一人ひとりの個性を尊重すること