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【速修・過去問/創作問題】⑩国際社会と国際法・国際連合(4)総会と安全保障理事会

61 総会では、NGO(非政府組織)も投票権をもっている。
  • NGO(非政府組織)も経済社会理事会と協議資格をもち、条約の作成に大きな力を発揮するようになったが、さすがに投票権はない。

 

62 総会では、多数決制が採用されている。
  • ○一般事項は「過半数」、重要事項「2/3以上」。

 

63 国連総会での投票権は、一国一票ではなく、国連分担金に比例して割り当てられる。
  • ✕総会はあくまで平等。

 

64 総会では、安全保障理事会のすべての常任理事国は拒否権を行使できる。
  • ✕拒否権 right of veto というのは単なる「反対」という意味ではなく、決議や決定に同意せず、それを「無効としうる特権 privilege 」のことである。総会では、どの加盟国にも拒否権の発動は認められていない。何度か出題されているのでぜひインプットを。

 

65 総会は、加盟国や安全保障理事会に対して勧告を出すことができる。
  • ○勧告 Recommendation はある行動をとるように説きすすめること。ただし法的効力はない

 

66 総会は、安全保障理事会が機能していない場合であっても、国際社会の平和と安全を維持するための措置を勧告することはできない。
  • ✕さすがにこの否定文は怪しいと思わないと。緊急特別総会(会合)で2/3以上の賛成で「国際社会の平和と安全を維持するための措置」を勧告することはできる。「安全保障理事会が拒否権の行使により機能しえないとき、集団的措置を加盟国に勧告することができる。」と、この問題文では「集団的措置」という言葉を用いている。ただしこれまでに総会の勧告に基づく「強制措置」が行われたことはない。でも、「国連憲章は、国連加盟国が安全保障理事会決議に基づかずに武力を行使することを認めていない。」は✕。「強制措置」が行われたことはないにしても、集団的措置≒武力行使の勧告は可能は可能。

 

67 総会が国際の平和と安全に関する問題を審議することができるのは、朝鮮戦争を契機に採択された「平和のための結集」の決議による。
  • "○「平和のための結集」は、朝鮮戦争勃発後の1950年に国連総会で採択された決議。安全保障理事会が、常任理事国のいずれかの国が拒否権を発動して議決できず、安全保障の任務を果たせなくなった場合、「緊急特別総会」を開催して、安保理に代わって軍隊の使用を含む集団的措置を勧告することができる、とするもの。総会が安保理に代わって安全保障に関する強制行動を決定することができるという画期的な採決であり、総会の権限を大きく強めるものであった。ただし、あくまで勧告であり、法的な拘束力はないが・・・ この背景には、朝鮮戦争が勃発したときはソ連が欠席中であったので、他の4国で国連軍派遣を決定することができたが、その不利を悟ったソ連が、8月には安保理に復帰し、その後は拒否権を行使するのではないか、とアメリカが警戒したことがあった。そこでアメリカは国連で多数派工作を行い、「平和のための結集」決議を成立させた。当時の国連(加盟60カ国)では社会主義陣営は圧倒的に少数(東欧6カ国のみ)であったので、拒否権を行使できない総会ではソ連の主張を通すことは不可能であったからであり、この決議はソ連の拒否権を無力化するのがねらいであった。この条項は、1956年のスエズ戦争(第2次中東戦争)ならびにハンガリー事件、1958年のレバノン紛争、1960年のコンゴ事件や、たびたびの中東問題、1980年のアフガニスタン、1981年のナミビア問題などに適用されてきた。今回のロシアのウクライナ侵攻に際して、今まさに、「緊急特別総会(会合)」の開催が求められたが、Emergency special sessions can be convened by a vote of nine members of the Security Council、 or a majority of United Nations Member States.前段の採決では常任理事国は拒否権を行使することができないので、開催の運びになり、2/3以上の賛成多数で「即時撤退決議」が採択された。ただし、北朝鮮とシリアは反対、中国やインドは棄権した。なお、かつて1979年にソ連アフガニスタンに侵攻、新冷戦となったが、この時も緊急特別総会が開催されて、撤退決議が採択されている。ただ気になるのは、予想外に反対や棄権した国が多かったこと。これでは経済制裁が機能しないし、今後世界が「分断」してしまうのではないかという危惧を感じてしまった。"

 

68 総会設置機関に国連児童基金(UNICEF)、国連貿易開発会議(UNCTAD)などがある。
  • ○Uで始まる組織は「総会」設置期間。その他のw等で始まる組織は国連の専門機関。ただしUNESCOは専門機関。

 

69 総会は、安全保障理事会の勧告に基づいて事務総長を任命する。
  • ○事務総長は何人かの候補者の中から事前投票で絞っていき、安保理理事国5カ国の推薦等によって総会に諮られ過半数の賛成で決まる。

 

70 事務総長は、国際紛争の解決や国際平和の維持に積極的に関与するようになり、調停者・仲介者としての役割を果たしている。
  • ○任期5年 再認可  現在は前ポルトガル首相のグテーレス。その前は韓国の潘基文  アジア・アフリカ出身者も多い

 

71 国連安全保障理事会の常任理事国は、フランス・ドイツ・ロシア・イギリス・アメリカである。
  • ✕ドイツではなく中国である。なお、中国は1971年に台湾から中華人民共和国に移行したことは承知の通りかと。

 

72 国連安全保障理事会の非常任理事国は、2年任期で総会で選出される
  • 非常任理事国は任期2年で、総会で選挙により、毎年半数ずつが改選される。地理的分配を考慮して、選ばれる地域ごとに割当数が決まっており、アフリカ3か国、アジア・太平洋2か国、東欧1か国、南アメリカ・カリブ2か国、西欧その他2か国の10カ国。連続再選は不可。安保理の決定事項に関する投票権を有するが、常任理事国が有する拒否権は有しない。日本は、11期22年間にわたって非常任理事国を務めた。2022年現在再び立候補している。

 

73 国際連合憲章は、加盟国が他の加盟国に対して武力行使することを、原則として禁止している。
  • ○念のため掲載しておいた。そうであるのにもかかわらず、ロシアはウクライナに侵攻。許される行為ではない。

 

74 安全保障理事会では、五大国に拒否権を認めつつも多数決制を採用した。
  • 安保理では「手続き事項」と「実質事項」との二つがある。「手続き事項」は当該議題に関して理事会が議論するべきかどうかを決めること、「実質事項」はその具体的な決議などの採決。いずれも、非常任理事国を加えた15カ国の理事で採決され、9/15の賛成で決議できる。従って、「全会一致ではない」ので注意。あくまで、「多数決」。しかし、問題は・・・

 

75 国連安全保障協議会の実質事項にかかわる決議は、常任理事国5か国のうち1か国でも反対すると採択されない。
  • 〇「手続き事項」に対しては拒否権は認められていないが、「実質事項」については常任理事国のみに拒否権が認められている。「大国一致」で一国でも拒否権を発動すると、否決される。もう一度確認しておくと、拒否権 right of veto というのは単なる「反対」という意味ではなく、決議や決定に同意せず、それを「無効としうる特権 privilege 」のことである。ロシアのウクライナ侵攻に際する即時撤退要求は、ロシア自身が拒否権を発動し、否決させたことは言うまでもない・・・。

 

76 安全保障理事会において常任理事国が欠席・棄権した場合は、拒否権を行使したものとみなされている。
  • ✕「棄権」は拒否ではない。「欠席」ももちろん該当しない。なお、「棄権」についてはあまり知られていないが、提案された決議を完全には支持できないが拒否権によってそれを阻止することを望まない場合に棄権することができる。

 

77 安全保障理事会では、すべての理事国は拒否権を行使できる。

 

78 国連安全保障理事会が侵略国に対する制裁を決定するためには、すべての理事国の賛成が必要である。
  • ✕「すべての理事国」というと15カ国であるが、全ての理事国の賛成は必要ない。「五つの常任理事国の同意」と非常任理事国と合わせて9カ国が賛成すれば武力制裁することができる。しかし、逆に言うと、仮に常任理事国が拒否権を発動せず、武力行使を容認したとしても、非常任理事国7カ国以上が反対したとすると制裁はできない。もっとも、こんなこと現実的ではないけどね・・・。いずれにせよ、注意深く読まないと罠にひっかかってしまう。やはり、「すべて」という言葉がある時は要注意。

 

79 国連創設から現在に至るまでの間、安保理の常任理事国の数に変化はないが、非常任理事国の数は増やされた。
  • 非常任理事国は発足当初6カ国、1965年から10カ国に拡大。なお、常任理事国についても枠を広げようとする動き自体はあり、日本が意欲を示している。ただし、日本については、旧「敵国条項」が国連憲章から削除されておらず、敵国扱いのママという問題をまだクリアしていない。敵国条項とは、第二次大戦中に連合国の敵国であった国が、戦争の結果確定した事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こした場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は、「安保理の許可がなくとも当該国に対して軍事制裁を科すことができる」、とするもの。かつての負の歴史がいかに日本に重くのしかかっているか・・・ということ。しかし、国連改革を推進し、個人的には、日本が常任理事国の一員としてリーダーシップを発揮すべきだと思うが、一方で、現在の政治家の成熟度、国民の成熟度からすると、残念ながらまだまだ心もとない。しかし、いつの日にか・・・という期待は持ち続けたい。頼んだぞ、若者たち。

 

80 国連安全保障理事会の決議には加盟国を従わせる力がある。
  • 〇これは、ある。常任理事国の力はそれほど高いものとされている訳だが・・・ただし、このしくみ・・・永遠なものとしてよいのかどうか?かねてから安保理改革の必要性が唱えられ、日本だけではなく、ドイツ、インド、ブラジルあたりが常任理事国への意欲を示し、この4国で改革案を提示しているが、進展はない。 「現在の国連の組織は国際社会の変動に対応していないとして、日本は主要機関の改編を含む国連改革の必要性を繰り返し主張している。」という出題あり。これも○。なお、「国連の安全保障理事会が停戦を決定した場合は、自衛のためであっても、決定に従って武力行使を停止しなければならない。」、これも○。それほど安保理の決議は拘束力が強い。ただし、「安全保障理事会が決定したことは、兵力提供の命令のような軍事的措置への協力を含めて、すべての加盟国を拘束する。」は✕。武力提供はその限りではない。

 

81 侵略国に対する国連の安全保障理事会の決議では、経済制裁はできない。

 

82 安全保障理事会が軍事的強制措置を含む決議を行うことを認めていない。
  • ✕できる。「安全保障理事会が国際平和の回復に必要な措置をとる場合には、その措置は国連加盟国の空軍、海軍または陸軍による行動を含むことができる」。後に触れるが、かつて、冷戦終結後に生じた湾岸戦争の時、「大国一致による多国籍軍派遣」という軍事的措置を実施したことがあった。今となれば、信じられないようなことだが。

 

83 安保理は、国際社会の平和と安全の維持または回復に必要な軍事的措置を決定する場合には、あらかじめ総会の承認を得なければならない。
  • ✕国内では首相は国会の承認を得なければならないが、国際社会では、安保理の権威が極めて高い。総会の承認は不要。

 

84 国際連合では、軍事的強制措置の手段として、安全保障理事会の下に国連軍が常設された。
  • ✕「常設」国連軍はない。カントが「永久平和ために」の中で常備軍を否定していたことも想起したい。

 

85 バンドン会議(アジア・アフリカ会議)における「平和10原則」に基づき、UNF(国連軍)を派遣した
  • 国際連合憲章には規定があるが、正式な国連軍が派遣されたことはない。1950年の朝鮮戦争と1960年のコンゴ動乱に「国連軍」と称された組織が発動したが、厳密な意味での国連軍ではない。無論そもそも「平和10原則」に基づき派遣、なんてなことはデタラメである。このようなもっともらしいものをつけて迷わすという手法にはひっかからないように。