【速修】経済の正誤問題 ⑥金融政策(2)日銀の政策・量的緩和
19 日本銀行が行う金融政策は、財政政策などとのポリシー・ミックスの観点から、憲法上国会の議決を必要としている。
20 日本銀行の政府からの独立性を高めるために、その最高意思決定機関である政策委員会に、政府代表委員の参加が認められるようになった。
21 日本銀行が行う金融政策は、金融制度に備わっている、景気の自動安定装置(ビルト・イン・スタビライザー)を利用して行われている。
- ✕ビルト・イン・スタビライザーは「財政」に備わっているもの。
22 日本銀行の金融政策のうち、公定歩合の引上げ、および買いオペレーションは、いずれも市中銀行の貸出しを抑制する効果がある。
- ✕買いオペは、市中にある国債を買うことで資金を市中に出し「貸出を促進する」。
23 預金準備率の引上げは、市中金融機関による企業への貸出しを増加させる効果をもつ。
- ✕貸出しを抑制することになる。ただし、現在預金準備率操作は実施されていない。
24 公開市場操作は、株式の売買により通貨量の調節を図る金融政策である。
- ✕株ではなく国債。
25 公開市場操作は、金融引締めのために売りオペレーションを行い、金融緩和のために買いオペレーションを行うものである。
- 〇現在、金融緩和で「買いオペ」をしていることは承知のとおりかと。「買いオペ」は市中にある国債を買うことで資金を市中に出すという操作。資金を出して、景気を下支えしようとするもの。
26 金利の自由化が進み、中央銀行の貸付利率の操作は政策としての効果を失っている。
27 市中銀行が優良企業に無担保で貸出しをする際の金利であるコールレートを上下させることで通貨の流通量を調整しようとする政策もある。
28 日本銀行は、1990年代の後半から、政府が発行する赤字国債を継続的に引き受けて、政府に資金の提供を行ってきた。
- ✕直接引き受けはできない。「市中消化の原則」があり、一旦市中に出ないと引き受けることができない。
この点については、「こんな質問がありました」コーナーで詳しく説明しているので一読を。fukuchanstudy.hatenablog.com
29 日本銀行は、2000年代の前半に、景気対策を目的として、ゼロ金利政策や量的緩和政策を行った。
- 〇年代的にも正しい。
30 日本銀行のゼロ金利政策は、銀行に、最優遇の企業に対して、一定期間無利子で貸出しを行うことを義務付けたものである。
31 日本銀行の量的緩和政策は、金融政策の主たる誘導目標を政策金利として金融緩和を進めようとするものである。
- ✕後段は「金利政策」。
32 量的緩和は、買いオペレーション(買いオペ)によって行われる政策である。
33 量的緩和は、マネータリーベースを増やすことでマネーストックを増やす政策である。
34 マネタリーベースは、日本銀行が供給する通貨量で、日銀当座預金と市中に出回っている流通現金からなり、量的緩和政策は、買いオペによる資金を日銀当座預金に入れることで、市中銀行に資金提供し、市中銀行が企業等に融資できるようしようとするものである。
- 〇上記で説明したので、この文章もしっかりと理解・判断できたのではないか。
35 2016年には新たにマイナス金利政策を導入したが、これは、金融機関が日本銀行当座預金口座に新たに預金した場合、その預金の一部について、金融機関が日本銀行に金利を支払わなければならない仕組みである。
- 〇金融機関が日銀に資金を預けたままにしておくと金利を支払わなければならなくすることで金融機関が企業への貸し出しをするように促そうという政策。「一部」というのは、日銀が設定している「預金準備率」を超えた部分
36 日本銀行は、自己資本比率が低下した市中銀行に対して増資に応じる。
- ✕このような支援をすると企業の甘えがでるためあり得ない。