【共通テスト対策】フクフクちゃんの現代社会・倫理・政治・経済

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【速修】経済の正誤問題 ⑥金融政策(2)日銀の政策・量的緩和

19 日本銀行が行う金融政策は、財政政策などとのポリシー・ミックスの観点から、憲法上国会の議決を必要としている。
  • ✕政府から独立した中央銀行の中立的・専門的な判断に任せるのが適当であるとの考え方が、グローバルスタンダード。日本でも、金融政策は日本銀行金融政策決定会合で決められる。
    なお、憲法上と書いてあるが、そのような条文はない。正文のように見せかけるためこうした表現を使っているが、逆にむしろ怪しいと思い、憲法にそんなものあったけなと反芻してみると良い。

 

20 日本銀行の政府からの独立性を高めるために、その最高意思決定機関である政策委員会に、政府代表委員の参加が認められるようになった。
  • ✕9人からなる政策委員は、国会の同意が必要で内閣が任命するが、あくまで政府から独立。
    なお、この文章は明らかに矛盾を孕んでいる。独立性を高めるために、政府代表委員の参加が認められるようになったというのはどう考えてもおかしい。
    しかし、一方で、財務省内閣府などの政府関係者が参加して意見を述べることは認められている。

 

21 日本銀行が行う金融政策は、金融制度に備わっている、景気の自動安定装置(ビルト・イン・スタビライザー)を利用して行われている。
  • ✕ビルト・イン・スタビライザーは「財政」に備わっているもの。

 

22 日本銀行の金融政策のうち、公定歩合の引上げ、および買いオペレーションは、いずれも市中銀行の貸出しを抑制する効果がある。
  • ✕買いオペは、市中にある国債を買うことで資金を市中に出し「貸出を促進する」。

 

23 預金準備率の引上げは、市中金融機関による企業への貸出しを増加させる効果をもつ。
  • ✕貸出しを抑制することになる。ただし、現在預金準備率操作は実施されていない。

 

24 公開市場操作は、株式の売買により通貨量の調節を図る金融政策である。

 

25 公開市場操作は、金融引締めのために売りオペレーションを行い、金融緩和のために買いオペレーションを行うものである。
  • 〇現在、金融緩和で「買いオペ」をしていることは承知のとおりかと。「買いオペ」は市中にある国債を買うことで資金を市中に出すという操作。資金を出して、景気を下支えしようとするもの。

 

26 金利の自由化が進み、中央銀行の貸付利率の操作は政策としての効果を失っている。
  • 〇かつては、日銀が銀行に貸し出す「公定歩合」を上下させていたが、「金利の自由化」でそれも崩れ、現在、一応金利政策の対象としているのは、銀行間の短期の貸し借りのレート。しかしそれもゼロ金利であり、現在は金利の上下ではなく、買いオペを通じた資金提供である「量的、あるいは質的緩和政策」。

 

27 市中銀行が優良企業に無担保で貸出しをする際の金利であるコールレートを上下させることで通貨の流通量を調整しようとする政策もある。

 

28 日本銀行は、1990年代の後半から、政府が発行する赤字国債を継続的に引き受けて、政府に資金の提供を行ってきた。
  • ✕直接引き受けはできない。「市中消化の原則」があり、一旦市中に出ないと引き受けることができない。

    この点については、「こんな質問がありました」コーナーで詳しく説明しているので一読を。fukuchanstudy.hatenablog.com

 

29 日本銀行は、2000年代の前半に、景気対策を目的として、ゼロ金利政策や量的緩和政策を行った。
  • 〇年代的にも正しい。

 

30 日本銀行のゼロ金利政策は、銀行に、最優遇の企業に対して、一定期間無利子で貸出しを行うことを義務付けたものである。

 

31 日本銀行の量的緩和政策は、金融政策の主たる誘導目標を政策金利として金融緩和を進めようとするものである。
  • ✕後段は「金利政策」。

 

32 量的緩和は、買いオペレーション(買いオペ)によって行われる政策である。
  • 〇基本的だけど最重要項目。量的緩和とは、「中央銀行が市場に供給する資金の量を増やすこと」。その方法として「買いオペ」、市中にある国債を買うことで資金を市中に出すという操作が行われる。

 

33 量的緩和は、マネータリーベースを増やすことでマネーストックを増やす政策である。
  • 〇この関係性はしっかりと頭に入れておこう。

    マネタリーベースは「日本銀行」が供給する通貨。日銀当座預金(金融機関が保有)と「市中で流通している現金」。

    マネーストックは「金融機関」を通じて経済全体に流通している通貨。国・金融機関以外の企業や家計など民間部門が保有する通貨の総量で、「市中で流通している現金」と民間金融機関にある預金。「市中で流通している現金」は重なる。

    日銀は、主に民間銀行が保有する長期国債を購入し(買いオペ)、その代金を民間銀行の日銀当座預金に振り込むことでマネタリーベースを拡大している。

 

34 マネタリーベースは、日本銀行が供給する通貨量で、日銀当座預金と市中に出回っている流通現金からなり、量的緩和政策は、買いオペによる資金を日銀当座預金に入れることで、市中銀行に資金提供し、市中銀行が企業等に融資できるようしようとするものである。
  • 〇上記で説明したので、この文章もしっかりと理解・判断できたのではないか。

 

35 2016年には新たにマイナス金利政策を導入したが、これは、金融機関が日本銀行当座預金口座に新たに預金した場合、その預金の一部について、金融機関が日本銀行に金利を支払わなければならない仕組みである。
  • 〇金融機関が日銀に資金を預けたままにしておくと金利を支払わなければならなくすることで金融機関が企業への貸し出しをするように促そうという政策。「一部」というのは、日銀が設定している「預金準備率」を超えた部分

 

36 日本銀行は、自己資本比率が低下した市中銀行に対して増資に応じる。
  • ✕このような支援をすると企業の甘えがでるためあり得ない。