【速修】⑤基本的人権の尊重(4)差別解消の動き・選挙権
63 指紋押捺制度は最高裁で違憲であると判断され、廃止された。
65 外国人に健康保険や雇用保険は適用されない。
66 2007年から16歳以上の外国人の入国には指紋や顔写真の提供が義務付けられた。
- 〇 テロ対策の一環として。指紋押捺制度が復活した訳ではない。
67 ★日本は、感染症に罹患したおそれのある外国人の入国を国民保護法に基づいて拒否した。
- ✕ 2021政経第2日程の問題。コロナの水際対策については様々な課題が生じたが、この問題自体は「国民保護法」ではないという単純な問題。「国民保護法」は、有事法制の一環で、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律。では、外国人の入国を一時でも拒否できたのはなぜか。それが、いわゆる「コロナ特措法」である。恒久法ではなく「特別措置法」で対応しているのである。ただし、日本の入国拒否については、国内では当初は評価されたが、海外からは批判が強かった。君は、どう感じた?どうすべきだと思う?
68 国連の先住民族の権利に関する宣言を批准した後、アイヌ民族支援法(アイヌ新法)が成立したが、アイヌ民族が日本の先住民族であるという主張は受け入れられなかった。
- ✕ 「先住民族」 indigenous people と明記された。in(中)とgenus(生まれ)に由来、 同義語はnative。
69 国連の女性差別撤廃条約を批准した後、男女雇用機会均等法が成立し、求人票における男女不問などが掲げられた。
- ✕ 再掲の問題だが、間違えなかったかな? 1971女性差別撤廃条約 1985日本批准するに先立って法を成立させた
70 国連の障害者権利条約を批准した後に、障害者差別解消法が制定された。
- ✕ これも再掲問題 2006障害者権利条約は、障害者差別解消法で整えた後の2014に批准 批准の前に国内法を整備すべきとの当事者の要望から国内法の整備加速化
71 ●障害者基本法の制定によって、国や地方自治体、企業は、一定割合の障害者雇用が原則として義務づけられている。
- 〇 2021現代社会第1日程。オーソドックスな正文。
72 実質的平等とは、機会の均等を図るもので、ポジティブアクションもそれに該当する。
- ✕ 後段は正しいが、「結果」の均等Equality of outcomeの確保が「実質的平等」。「機会の均等」Equal opportunityは「形式的平等」。 ポジティブ・アクション positive action は和製英語で、アメリカではアファーマティブ・アクション affirmative action. とも言われる。差別されてきた人々の社会的地位の向上を図るために、入学基準や雇用の採用基準で積極的な優遇政策をとる。affirmative は、af-「その方向へ」firm「強い、かたい」-ive「のような」という意味合い。
73 ●男女共同参画社会基本法は、男女間の格差改善の機会を提供する積極的改善措置について定めている。
- 〇 2021現代社会第1日程。「積極的改善措置」について定めている。「社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会」に係る男女間の格差を改善するため、「男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供する」としている。あくまで機会の均等である。
74 日本でも、実質的平等の推進のために、女性やマイノリティに対して一定の採用枠を割り当てるクウォータ制が導入された。
- ✕ 候補者男女均等法は成立したがあくまで努力義務。罰則規定がないことは2021の共通テストで出題されたばかり。クウォーター制 quota system クオータ(quota)とは、ラテン語に由来する英語で「割り当て」などの意味。1/4を意味するquarterとは違うので注意。
75 トランスジェンダーが医学的な診断を得て一定の条件を満たすと、戸籍上の性別を変更できる。
- 〇 ただし日本の場合、「医学的な転換」が必要とされる。これには批判がある。
76 同性のカップルを夫婦に準じた人生のパートナーと証明するパートナーシップ制度はまだ条例として認められていない。
- ✕ かなりの地方自治体で認められつつある。なおこの制度があればパートナーへの遺産相続や、税金控除等が可能となる。
77 国は、障害の有無にかかわらず一緒に学ぶインクルーシブ教育のシステム構築を図っている。
- 〇 inclusive 中に(in)閉じる(claudo)こと→包括
78 日本ではヘイトスピーチを規制する法律は制定されていない。
79 選挙権に関し、憲法では、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、住民の固有の権利である」と規定している。
80 一票の格差に関して、違憲状態という判断がなされたケースはあるが、違憲判断が下されたケースはない。
- ✕ 2回ある。
81 在外日本人の選挙権は比例代表制に限定して認められている。
82 外国人地方参政権訴訟で、最高裁は、定住在日外国人は住民であり、参政権が付与されていないのは違憲であると判断した。
- ✕ 違憲ではないが、立法で付与することは可能とした。 超頻出問題の一つ。
83 地方公共団体においては、外国人の被参政権を認めているところもある。
- ✕ 条例に基づく住民投票に外国人も参加という例はある。
84 裁判を受ける権利は、憲法で、選挙権の一つとして保障されている。
- ✕ 「国務請求権」の一つ
85 一つの地方公共団体のみに適用される特別法については、直接民主制的な政治参加として、住民投票の権利があることが憲法に明記されている。
86 国または地方公共団体の不法行為等により何らかの損害が国民に生じた場合、国民には、刑事補償請求権が保障されている。
- ✕ 「損害賠償請求権」が正しい
87 損害の救済や公務員の罷免、法律・命令・規則の制定・改廃などに関して、国会や地方議会、行政機関などに対して平穏に請願する権利は、未成年、外国、法人には認められていない。
⑤基本的人権の尊重(全126問)
(4)差別解消の動き・選挙権