【知っ得】選挙にかかわる計算問題③参議院の比例代表制:「非拘束名簿式」と「政党名 or 個人名」
選挙にかかわる計算問題
前提知識
★参議院の比例代表制は、「非拘束名簿式」で、政党名か個人名どちらかを記入する仕組み
A党と書いた場合:A党に1票
個人名を書いた場合:個人に1票 かつ A党に1票
では、政党名・個人名が混在した投票をどうやって決めるのか?
→政党への投票を「全国」単位でのドント方式で計算し、各政党の当選者数が確定
→各政党では、「得票数の多い候補者」から「上位順」に当選
※ただし、2018年から「特定枠」という優先的に当選できる制度が導入された
※個人得票数の合計が政党得票数の合計と一致しないのは、個人名ではなく政党名で投票した有権者も存在するから。
(A党へ投票した500人のうち、460人が立候補者の名前、40人が「A党」と記入したということ。)
上記はあくまで極端な例であるが、参議院の比例代表制は、圧倒的な人気のある候補者を擁立できればその政党がかなり躍進できる・・・という側面がある。
少数政党でも躍進できるということだが、与党が人気者を取り入れると「多数の暴政」に陥りかねない危険性も孕んでいる。
「特定枠」は「合区」に対する批判に応じたものになりそうだが、フクちゃんJr.のような得票数で当選となると批判が出る可能性が出る
→そこで、実は、「特定枠」の候補者名を書いて出した場合は、「政党名等」に該当するものとされ、表には実数が出ないような仕組みになっているそうだ。
従って、上記のような特定枠が絡んだ計算問題は出題されないことになる・・・
【解答】
まず政党への得票数をドント方式で計算すると、A党の2人、B党の1人が当選者になる。
※ドント方式の復習→ (1)比例代表制:ドント方式
A党は、「特定枠」が優先的に当選できるのでフクちゃんJr.が当選。
得票数の多いフクちゃんも当選。
B党は、福岡。
先に触れたように、特定枠は投票実数が出ないような仕組みとのことで、この問題自体は成り立たないが、落選したC党の福田が100票もとっているのに、10票の特定枠候補者の方が当選してしまうというような矛盾が生じ得る・・・ということ。
★なお、直近の2022現代社会第一日程で、ドント方式の理解にかかわる問題が出題された。ここでは敢えて触れないので、ぜひ取り組んでみてほしい。