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【今日の時事問題】臨時国会の招集(選挙制度と二大政党制)

臨時国会の招集

今日、参議院選挙後初めての「臨時国会」が召集される。

www.shugiin.go.jp

と言っても、参議院の正副議長を決めるだけの3日間だけとのこと。安倍元首相の国葬についての審議はなされないようだ。

注:衆議院解散後の召集されるのは「特別国会

 

ただし、自民党は、国葬については「閉会中審査」に応じる模様。

「閉会中審査」というのは、各議院の常任委員会と特別委員会は、その議院の議決があれば閉会中でも審査を行うことができるというもの。

 

受験生としては、そのようなしくみがあることも知っておきたい。

ただし、本来は、臨時国会を延長して、「国会」 で審議すべきだという意見も強いが、政府はどうもこれに応じない模様。

2022年参議院選挙の結果

こうした政府の強気の背景の一つに、先の参議院選挙の圧勝があるのではないか。
ただ、選挙結果をよくよく見てみると、一見圧勝、でもどうかな?と思われるところもある。

参議院の改選定数124のうち、自民党は63議席で「単独で過半数」を獲得したが、「一人区」で圧勝した点が大きかった。

3年前の参議院選挙では「一人区」32のうち21の選挙区が自民党だったが、今回は32のうち28の選挙区が自民党。結果、選挙区では45/75を獲得した。

 

一方で、「比例区50人」のうち自民党が獲得した議員数は18人。過半数ではない。

一般に、「比例代表制」は少数者の意見や利害を国会に反映しやすく、「死票」が少ないという特長がある。また「世論の縮図に近い」ものとされており、その意味で言えば、自民党支持は4割を切っており、決して圧勝ではない。

選挙制度と選挙結果

で、今回何を言いたいかというと、選挙制度によって、選挙の結果は結構左右されるということだ。

実は、かつて参議院都道府県別の選挙区と「全国区」というかたちであった。

 

衆議院はかつて「中選挙区制」であった。

中選挙区制」というのは、1つの選挙区から3~5人の議員を選出する選挙区制のこと。

2位や3位の候補も当選するために、「死票」が少ないというメリットもあったが、同一政党から何人も立候補者が出ることで費用がかさんだり、政策本位の争いでなく個人の争いになってしまうというデメリットが指摘されてきた。

 

そうした中、衆議院については、1993年「小選挙区比例代表制」が導入された。

これは、どのような政権の時か連想できるであろうか?

 

そう、前回触れた「細川連立政権」の時のこと。

政治腐敗を受けて様々な政治改革を断行した中で採り入れられた制度である。その際、その制度転換の最も大きな狙いとされたのが、日本にも「二大政党制」を導き、「政権交代」が可能な体制にしていこうということであった。このあたりのつながり、理解できるであろうか?

 

実は「比例代表制」は「二大政党制」にはつながらない。

むしろ、「小党でも当選の可能性あり」、その意味では多党制と親縁性が高い。

一方、アメリカやイギリスのような二大政党の国では「小選挙区制」をとり、どちらかが勝利し、政権交代も実現可能ということで、小選挙区制は二大政党制結成を促すものと、一般的には考えられていたということだ。

 

で、確かに、2009年に、本格的な政権交代が一時的ではあれ実現した。
ただし、最初に見たように、参議院では「一人区」、一種の「小選挙区制」で自民が圧勝ということで、対抗できる野党勢力が育っていない限り、「小選挙区制」→二大政党とは必ずしも言えない現実もある。

 

歴史的に二大政党が形成されている場合は、小選挙区制をとると、第三党以下の小政党の進出が難しく二大政党が維持される可能性が強い。

しかし、二大政党が形成されていなければ、一党に圧倒的に有利になる場合もあり、自民党が政権を保持し続けてきた日本の場合、なかなか二大政党・政権交代という訳には行かないのが現実のようだ。

 

正誤問題にチャレンジ

以上のこと等を踏まえつつ、以下の正誤問題に取り組んでみよう。

「思考力」が求められる難問もあるので、チャレンジ!!!

問題文をクリックすると解答と解説が表示されます

小選挙区の方が大選挙区より死票が少ない。
  • ×
  • 小選挙区制は死票が多いのが最大のデメリット。なお「一般に、小選挙区制では、一つの選挙区の議員定数は二人以下と限定されている。」は✕。定員が一人なので、当選者以外の人への票は死票となる。「大選挙区制」は、1つの選挙区から2人以上の代表者を選出する制度。

 

小選挙区では、少数派の意見が反映されにくい。
  • 一人選出なので当然そうなる

 

小選挙区制を導入すると、大選挙区制を導入した場合に比べ、得票率の低い候補者も当選しやすくなる傾向がある。
  • ×
  • 少し考えこんでしまったのではないか。・・・ 大選挙区のほうが定数が多いので、立候補者も当然多くなる。 そうすると、一人当たりの得票率は低い。低くても定数が多いので当選はできる。 小選挙区は逆に、立候補者が少ないので、当選者の得票率は相対的に高くなる。 ・・・しかし、もっと単純に考えてみると、そもそも小選挙区は一人当選者の制度なので、「得票率の低い候補者も」の「も」はあり得ない →✕・・・という判断もあり。実際に出題された問題だが、難しく考えると罠にはまってしまう問題だ。

 

大選挙区制においては、小選挙区制に比べて二大政党制を促進する傾向がある。
  • ×
  • 2021現社第2日程の問題。これまで触れてきたように、二大政党を促進しやすいのは小選挙区制。大選挙区制は小政党も進出しやすく多党制になるので、×という判断は比較的容易にできるはず。★2021政経第2日程でも「小選挙区議席数の割合を高めたら、二大政党制を導き政権交代が円滑に行われやすくなる」といった変化の理解を問う問題も出題された。これは○。

 

小選挙区制の下では、議会の過半数を単独で占める政党が誕生しやすいことから、政権が安定するといわれている。
  • 前項で小選挙区→二大政党という道筋をみたが、これを固定的に捉えると、✕と判断してしまいかねない。しかし、ここではもっと柔軟に考える必要がある。歴史的に二大政党が形成され小選挙区制をとるアメリカやイギリスの場合は、第三党以下の小政党の進出が難しく二大政党が維持される可能性が強い。二大政党だとどちらかが過半数を超えるので、問題文にあるように政局は安定する。日本も1993年二大政党を期待して小選挙区制が導入されたが、小選挙区制は、二大政党が形成されていなければ、一党に圧倒的に有利になる場合もあり、自民党が政権を保持し続けてきた日本の場合、なかなか二大政党・政権交代という訳には行かなかった。自民党による安定政権で、その意味でも、問題文は○ということになる。

 

比例区よりも選挙区に多くの議席を割り当てている現行制度は、大政党に有利に作用する。
  • これも落ち着いて「考えなくては」ならない。比例区は小数政党が進出しやすい。比例区の方が定数は少ないということは、小数政党が進出しにくい。故に、「大政党に有利」は正しい。