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【今日の時事問題】日本の「円安」が止まらない。その8(金利、なぜ上げないのか?)

経済の話が続くが、あまりに込み入ったことばかり触れていると、受験生としてもしんどいはず。そこで、今日で経済は一応一区切りしたいので、金利の話だけ追加しておく。

 

アメリカが金利を上げてきたことが日本の「円安」につながっていることは理解できたはず。日本の金利はあってないようなものなので・・・このことは別の機会に触れるが・・・アメリカだったら多少利子がつくということで、円を売ってドルを買い、アメリカの銀行に預けるという動きが生じてくるためだ。

 

アメリカがなぜ金利を上げたかも理解できるはず。景気が上向きとなり、インフレとなってきたので、引き締めるため。金利が上がると、借りにくくなるから、設備投資なども控えることになり、景気の「過熱」を抑えるということ。

 

EUなども同様に景気が上向きで、利上げに出る可能性が高いとのこと。ただし、今後、ウクライナ戦争の結果、どのような経済的な問題が出てくるか、不透明なところはあるが、こと、日本については、「金融緩和」を継続していく構え。

 

では、なぜ、日本だけが金利を上げない構えなのか?

 

それはこれまでの解説から分かるように、一つは物価があがっていないから。できるだけ資金を市中に流し、インフレにして景気回復につなげたいからである。

 

しかし、一方では、「円安」のデメリットは当然、懸念材料。「円安」だと輸入物価が上がり、しかも、現在のウクライナ戦争で、原材料価格が高騰、生活必需品の値上げで家計を圧迫する危険がある。インフレにつながり狙い通りだという訳でもあるまい。さすがに、この値上げは苦しい。

 

そこで、「金融緩和」をやめ、「円高」誘導してはどうかという意見もあるが、政府日銀はこれまでの政策を継続する方針のようだ。

 

では、なぜ堅持するのか?

 

その理由として考えられるのが、膨らんだ国債。その利子が上がるということは、償還の負担が増えるということ。日本がGDPの2倍以上の借金をしていることに触れたが、その返済が重く圧しかかってくるということがあるのではないか。

コロナ禍対策もあり、今年度も多額の赤字国債を発行している。

ジレンマである。