【速修】倫理の正誤問題 ①青年期
01 ルソーは、「第二の誕生」を、「生きるため」ではなく「存在するため」に生まれることであるとした。
- ✕逆。存在するためは第一の誕生。
02 ルソーは、我々はいわば二度生まれ、青年期には存在するだけではなく生活するために自覚的に生まれると指摘し、この時期を第二反抗期と呼んだ。
- ✕第二反抗期ではなく「第二の誕生」。意外に見落としがち。
03 この時期のはじまりにみられる身体的な特徴の顕著な変化を、「第二次性徴」と呼ぶ。
04 子どもにも大人にも安定的には帰属しにくい中間的な状態の青年を、レヴィンは「マージナルマン」と呼んだ。
- 〇それ故、揺れ動く時期だということ。
05 青年期には、主として同世代の価値観と対立する第二反抗期が現れるとされる。
- ✕「親や社会」と対立。
06 親をはじめとした大人に保護されていた状態から抜け出し、精神的に自立することを、心理的離乳という。
- 〇ホリングワースの言葉。
07 青年期には、「自分とは何か」を模索するなど、自分についての意識が強く働き始めるようになるといった、心理的変化が現れるとされる。
- 〇自意識過剰になることもある。
08 エリクソンは、社会のなかでの自らの連続性や一貫性の感覚を獲得するアイデンティティの確立を、青年期の課題として挙げた。
- 〇あくまで「課題」。できれば自己を確立して、悪いところも含めて自分が好きという自尊感情をもちたいもの。
09 アイデンティティの確立がうまくいかず、自分がどのように生きていきたいのかなどを見失っている状態は、アイデンティティの拡散と呼ばれる。
- 〇アイデンティティの危機でもある。
10 大人としての責任や義務が猶予されているという特徴から、エリクソンは青年期を心理・社会的モラトリアムと呼んだ。
- 〇モラトリアムは本来は経済用語。
11 大人への仲間入りの儀礼である成人式など、個人の人生の節目に行われる儀礼は、通過儀礼と呼ばれる。
- 〇通過儀礼は英語ではイニシエーションと呼ぶ。
12 学業および社会や人に対する意欲や関心が高まるという、学生に特有の状態は、スチューデント・アパシーと呼ばれる。
- ✕アパシーは「無気力」のこと。大学生あたりで無気力になるケースが多いとされる。
13 ハヴィガーストは、同世代の男女との洗練された新しい交際を学ぶことを、青年期の発達課題の一つとしている。
- 〇ハヴィガーストの発達課題は目を通しておきたい。
ただし、今日、性は多様ということで、男と女という枠組みだけではないということが共通理解されるようになった。従って、「男女」ではなく「性別にかかわらず」交際できる力が現代では求められるようになった。
14 ハヴィガーストは、自らの職業を選択し、その職業に就くための準備をすることは、青年期に先立って達成すべき発達課題の一つであると指摘した。
- ✕見つけにくいが・・・青年期に「先立って」ではなく、青年期そのものの課題。
15 パーソナリティの形成に対しては、生まれながらの気質だけではなく、人間関係などの後天的な要因も影響を与えている。
- 〇パーソナリティは①能力(知能・技能的側面)②気質(感情的側面)③性格(意志的側面)からなるが、後天的な環境によっても当然変容する。
16 時代や文化が変化したとしても,青年期の終わりの時期は変わらないとされている。
- ✕今日、社会が複雑化して、青年期は伸びてきている。
17 現在の行動や思考などから、それ以前の未熟な段階の行動や思考などに逆戻りすることは、退行と呼ばれる。
- 〇防衛反応の一種。なお、欲求不満の際には、こうした防衛反応か、近道反応(八つ当たり)か、合理的解決か。ただし自死は「失敗反応」とされる。従って、ときには防衛反応もあり・・・。
18 受け入れがたい感情や考えを、反対のものに置き換えて行動することは、投射と呼ばれる。
- ✕「反動形成」、好意を抱いている相手に意地悪するなど。
「投射」は、本来は自分の欲求や感情なのに、それを認めたくない時、「相手が持っている」欲求・感情とみなすこと。
例)「彼女、オレに気があるに違いない」。
・受け入れがたい自分の弱みや欠点を、「相手に転嫁する」ケースも「投射」。
例)「点数が出なかったのは問題が悪かったからだ」
19 欲求が満たされないことを、もっともらしい理由をつけて正当化することは、合理化と呼ばれる。
- 〇望みながらも満たされなかった欲求に対して、何かしらの理由をつけ、「自分を正当化」する。イソップのすっぱいブドウが典型。
例)「あんなオトコ、こっちから願い下げだ」
20 自らの心のなかにある感情や気持ちを、他者がもっているものとして認知することは、昇華と呼ばれる。
- ✕「同一視」。
例)自分が嫌っているのに、相手が自分のことを嫌っていると思い込む。