【共通テスト対策】フクフクちゃんの現代社会・倫理・政治・経済

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【速修】社会の正誤問題 ②労働問題(5)様々な雇用形態・非正規雇用

83 変形労働時間制とは、一定期間の週当たり平均労働時間が法定労働時間を超えなければ、その期間の特定の時期に法定労働時間を超える労働も可能にする形態である。
  • 〇読解力が必要だが正しい。繁忙期と閑散期が読みやすい企業で採用される制度。

    例えば、繁忙期に1日9時間、1週45時間という法律に定められた労働時間の原則を超えた、「所定労働時間」が設定可能。閑散期の終業時刻は通常よりもはやく設定することで、一定期間の週当たり平均労働時間が法定労働時間を超えないように設定できるというしくみである。企業にとっては、繁忙期に残業代を削減できるといううまみがある。

 

84 裁量労働制とは、労働時間の管理を労働者に委ね、実際の労働時間にかかわりなく労使協定で定めた時間だけ働いたとみなす形態である。
  • 裁量労働制の契約で、みなし労働時間を1日7時間とした場合、実際の労働時間が4時間であろうと10時間であろうと、契約した7時間働いたこととされ、給与に反映される。
    自分の仕事の処理能力を高め、所定労働時間より短い時間で仕事を終わらせたり成果をあげたりできれば、勤務時間を短縮できる。就業時間も自分のライフスタイルに合わせて自由に設定できる。管理側は残業代が発生しないし、労務管理も軽減。

    なお、「フレックスタイム制度」は、会社が定めたコアタイムに就業していれば、始業・終業の時刻を自由に選択できる制度。一部似たような面はある。

 

85 一定の年収要件を満たし、専門的かつ高度な職業能力をもつ労働者を対象に労働時間に基づいた制限を撤廃する高度プロフェッショナル制度が導入された。
  • 〇従事した時間ではなく「得られた成果」で評価される。労働者の裁量で出社・退社時間、休暇を自由に決められ、対象となることで賃金が下がらないことが保証されているため、効率よく仕事をし、ワークライフバランスを確保したいという人には魅力がある。
    ただし本人の同意が必要で、対象は、証券アナリストコンサルタント、研究開発職、弁護士などに限定されているが、みんな同意しないらしい・・・裁量労働制が深夜手当や休日手当など割増賃金の支払い対象であるのに対し、高度プロフェッショナル制度は、深夜・休日労働に関しての割増賃金の支払いもない。期待に反して、長時間労働になってしまう危険性が指摘されている。

 

86 SOHO(ソーホー)とは、自営業者や労働者が、自宅等で小規模に事業を行ったり、勤務したりする形態のことである。
  • 〇Small Office/Home Office
    コロナ禍で在宅ワークというかたちも増えてきた。

 

87 年俸制は、1年間の仕事の成果などに基づいて翌年度の賃金総額をあらかじめ決める制度であり、成果をあげるほど賃金が高くなる。

 

88 歩合給制度は、仕事の出来高に応じて賃金が支払われる制度であり、労働時間が長くなるほど賃金が高くなる。
  • ✕「成果」をあげるほど賃金が高くなる成果報酬型の給与で営業職などに多い。

 

89 非正規労働者の労働条件の適正化のための法律は制定されていない。
  • ✕1993年に「パートタイム労働法」が制定された。パートタイマーの雇用環境の改善を目的として、改正が頻繁に行われている。

 

90 パート、アルバイトなどの非正社員についても、6か月以上継続勤務し全労働日の8割以上出勤した者には、使用者は有給休暇を与えなければならない。
  • 〇有給休暇というのは「賃金が支払われる休暇日」のことだが、週1日シフトでのアルバイトやパートでも、半年を過ぎると、1日の有給休暇の権利がもらえる。

 

91 パート、アルバイトなどの非正社員は労働者災害補償保険(労災保険)の給付を受けられない。
  • ✕労災は給付される。

 

92 パート、アルバイトなどの非正社員は雇用保険の対象にならない場合もある。
  • 〇労働時間に応じて加入の義務が発生する。「1週間で20時間以上の所定労働時間がある」「31日以上の期間、働く見込みがある」といった場合は対象となる。

 

93 非正規社員は労働組合を結成することはできない。
  • ✕できる。正社員とは別に、非正規社員だけで企業内に労働組合を結成する例もあるが、最近では、組合員の範囲を正社員に限らずに組織する組合や、企業の枠を超えて非正規社員を組織する合同労組に加盟するケースが増えている。

 

94 非正規労働者に通勤手当を支払わないことについて、最高裁は不合理な差別的待遇だという判断をくだした。

 

95 フリーターの場合、労働時間が正規労働者と同一であっても、雇用保険へ加入することが使用者に義務づけられていない。
  • ✕正規労働者と同一なら使用者も保険料を負担しなくてはならない

 

96 派遣労働者は、社会保険に加入することができない。
  • ✕収入額に応じて厚生年金にも加入できる。

 

97 派遣労働者は、実際の就労先である派遣先企業との間には雇用関係がない。
  • 〇あくまで「派遣会社の社員」。

 

98 リーマン・ショックの時期、派遣労働の雇い止めが社会問題化した。
  • 派遣社員と派遣先の会社との間には直接の労働契約関係は存在しないので、派遣先の都合によって労働者派遣が終了したとしても、それは雇い止めにはあたらない。しかし、派遣元の会社との間で期間の定めのある有期雇用契約を締結している労働者が、契約期間満了にあたって契約の更新をしてもらえない場合には、雇い止めにあたる。
    2008年に生じたリーマン・ショックによって、製造業を中心に、派遣会社からの雇止めが発生し、2008年の年末には「年越し派遣村」が大きく報道され、社会問題化した。

 

99 労働者派遣法が改正され、日雇い派遣が原則禁止された。

 

100 労働者派遣法が改正され、原則3年間の派遣期間終了後に労働者の雇用安定措置をとるよう、派遣会社に義務付けた。
  • 〇勤続3年を迎えた派遣社員が引き続き同じ職場・部署で働くことを希望している場合、正社員や契約社員、無期雇用派遣社員などに雇用形態を切り替えなくてはならなくした。あくまで派遣社員を望む場合の選択肢として無期雇用派遣社員という形も残し、3年を超えることも可能とした。

 

101 労使紛争の最高裁判例を法制化した労働契約法では、雇い止めを一定の場合は認めないことが規定されている。
  • 〇客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない時は雇い止めも認められないこととなった。

 

102 就業時間中の負傷であっても、本人の故意に基づくものである場合、労働災害ではない。
  • 〇本人の故意であればいたしかたないか。

 

103 働き過ぎによる死亡は、会社の業務命令に従った結果であれば、労働災害である。
  • 〇過労死は長時間の過重労働等のストレスに起因する脳・心臓疾患による死亡で、会社の業務命令に従った結果であれば、労働災害に該当する。いわゆる過労死ラインは月80時間を上回る残業。労働災害と認定されると、遺族は労災保険から労災遺族年金を受給することができる。

 

104 過労自殺とは、自分の意思によって命を絶つ行為なので、労災保険(労働者災害補償保険)の対象となる労働災害とはいえない。

 

105 過労死や過労自殺によって死亡した労働者の遺族に対して、企業は、損害賠償責任を負うことがある。
  • 〇遺族は労災保険から労災遺族年金を受給することができるだけでなく、労災保険では補償されない慰謝料などについて会社から賠償を受けることもできる。
    なお、労働災害と認定されなかった場合にも、慰謝料等についての損害賠償請求が認められるケースもあるとのこと。企業は、労務管理をしっかりと行わないと思わぬつけが回ってくる。

 

106 過労死が労働災害と認められるためには、労働基準監督署長の認定に加えて、裁判所の認定を必要とする。
  • 労働基準監督署長の認定による。ただし折り合わなかった場合、訴訟となり、裁判所の判断に委ねることになる。

 

107 ワークシェアリングとは、雇用の維持・創出を図るために労働者一人当たりの労働時間を短縮することである。