西洋思想の受容
● 幕末期
いち早く西洋科学技術の摂取を説く
「東洋の道徳、西洋の芸術」 → 「和魂洋才」
・人権論(人間は生まれながらに権利をもつ)
・独立自尊(自主独立の精神)
・実学(日常生活に役立つ学問)
※「脱亜論」 で西洋近代国家への仲間入りを目指す
② ルソーの『社会契約論』を訳す
・「恩賜的民権」(為政者から与えられた民権)から
・「恢復的民権」(人民が勝ち取った民権)への転換を説く
③ キリスト教の受容
・「二つの 」
(イエス[Jesus]と日本[Japan]) → 信仰と愛国心は矛盾しない
・無教会主義 神の前に個人として向き合う
・武士道はキリスト教を受け入れる素地となると主張
・旧来の共同体重視の考え方と、個人の「自我の確立」との間で、「本位」に基づく個人主義
→ 自己の欲求を満たしつつ、他者をも尊重すること
※他者を顧みないエゴイズムではない
・日本の文明開化は外発的なものであり、内面的開化には「自己本位」の態度が必要であると説いた
・晩年は東洋的な「則天去私」の境地
日本独自の思想
①幾多郎
主観・客観の二項対立的西洋哲学を批判
「純粋経験」(自己と対象が分かれず一体となった状態:主客未分)
②哲郎
・「間柄的存在」
→ 人間は個人としての自己と社会の一員である自己の両方を併せもつ
・「風土」で自然の特徴によって人間の特性が決定されると指摘
(モンスーン型・牧場型・砂漠型)
③国男
・「常民」(名もない人々)が日本の社会を継承してきたと伝承や習俗を研究