【共通テスト対策】フクフクちゃんの現代社会・倫理・政治・経済

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【速修】倫理の正誤問題 ②倫理思想(1)源流思想

01 ソクラテスは、善などについて完全には知っていないということの自覚が、真の知識への出発点であると主張した。
  • ソクラテスは、自分が無知であることを自覚し(「無知の知」)、「問答法」で「普遍的な真理」を共に探求していこうと呼びかけた。また、ただ生きるのではなく、よく生きること(「魂への配慮」)が大切だ。それは、人間ならではのよさである徳(「アレテー」)が何かを「知ること」から始まると、知を愛し求めることを勧めた。

 

02 プラトンは、可視的な現実世界の探求を愛する者たちによる政治が理想であると論じた。

 

03 プラトンは、不変の本質から成るイデア界が、感覚的な世界を超えた所に存在すると主張した。
  • プラトンは、「感覚」が捉える「現実界」だけではなく、感覚を超えた「理性」でしか捉える事ができない「イデア界」が存在するとし、ソクラテスの求めた普遍的真理は、イデア界にその根拠があるとした。そして、現実の世界は、イデアの影にすぎず、現実を超えたイデアを探求することが大切だと説いた。

 

04 プラトンは、人々が自然権をもちながらも国家が存在しないような自然状態のことを、「万人の万人に対する闘争」と呼んだ。
  • ✕これはもちろんホッブズ。現社はこのように倫理分野はとても易しいものが織り込まれるので、とりあえず人名・主張さえ頭に入っていれば何とかなる。

 

05 プラトンは、人間は誰もが過ちを犯すことがあるため、「多数の人で決めていく政治」を理想とした。
  • プラトンは、魂には「理性」「気概」「欲望」があり、それぞれ「知恵」「勇気」「節制」という徳が生まれる。それらが調和すると、「正義」という徳が生まれると説いた。そして、正義を実現させるためにイデア界を理解する哲人政治を理想とした。

 

06 アリストテレスはポリス的動物である人間の行為のあり方や基準として、徳が必要であることを説いた。
  • アリストテレスは、勇気、節制といった「徳」によって生じる活動を「習慣とする」ことが大切だと説いた。また、超過と不足の間の「中庸」の生き方を習慣とすることが善き生き方につながると説いた。

 

07 アリストテレスは、人は本来的に共に生きる存在である「社会的動物」であるとし、人々が共に生きる上では正義が重要であると考えた。
  • アリストテレスは、人間はポリス的動物であるとし、正義を「ポリスの中で調和のある状態」と捉え、法を守るという「全体的正義」を求めた。

 

08 アリストテレスは、労働量に応じた適正な報酬の配分や、損害を被った者に対する賠償支払いも「調和のある状態」のためには必要であると説いた。
  • アリストテレスは、法を守るという「全体的正義」だけでなく、労働量に応じた適正な報酬の配分(「配分的正義」)、  損害を被った者に対する賠償支払い(「調整的正義」)といった「部分的正義」によって、「調和のある状態」=「正義」が実現すると説いた。後に見るロールズあたりの原点となっている。

 

09 アリストテレスは、中産市民が多数派となる共和制(共和政)を、中庸を得た国制と考えた。
  • 〇共和制が「中庸」かどうか判断は難しいが、正しい。

 

10 仏教を開いたゴータマ=ブッダは、人の生における苦の原因の一つとして、縁起の法に無知な状態を意味する涅槃があると説いた。
  • ✕確かに、縁起の法に無知な状態から脱することを説くが、「涅槃」は理想の境地のこと。ブッダは以下のように説く。苦(四苦八苦)は避けることができない。苦の原因は「煩悩」の集まりである。煩悩を滅っすれば安らぎの境地「涅槃」が得られる。修行方法に八つの正しい道(八正道→中道)がある・・・と。

    なお、「縁起の法」は、「あらゆるものは依存しあっている」という考え方で、「諸行無常」(あらゆるものは変化しとどまることがない)、「諸法無我」(あらゆるものは不変の実体である我は存在しない)といった考え方とともに仏教の中核をなす教えである。

 

11 仏教は、あらゆるものは相互依存しているととらえ、他者により生かされる自分を自覚することや、慈悲の心の大切さを説く。
  • 〇慈悲は、生きとし生けるものへの愛で、「いつくしみ・与楽の心」と「苦しみを取り除く・抜苦の心」とされる。 

 

12 孔子は、自分を愛するのと同様に他者を愛することが「人倫の道」であるとした。
  • ✕自分を愛するのと同様にに他者を愛しなさいというのは墨子が述べた「兼愛」。孔子が説いた「仁」は、親子の間の「孝」、兄弟・年長者への「悌」(てい)といった自然な情愛から始まり、嘘・偽りのない「忠」、思いやりの「恕」(じょ)。墨子は、儒家の「仁」を狭いものとして批判した。

 

13 孟子は、人の本性は悪であるとし、礼という社会規範を教育することにより人の内面に訴えかけ悪である本性を矯正できるとした。
  • 〇この考えは荀子孟子性善説に立ち、「惻隠の心」「羞悪の心」「辞譲の心」「是非の心」の四端を育てて、仁義礼智の四徳を完成することを説く。

 

14 キリスト教において救世主とされるイエスは、十戒の啓示を神から授かり、人々は神の戒めである律法を遵守すべきであると説いた。
  • ✕後段は預言者モーゼ。イエスは「律法」ではなく、人間は罪深いが、悔い改めることが大切であると説く。 

 

15 キリスト教は、唯一神を崇拝し、神の愛(アガペー)を自覚することや、神の愛を周囲の人に実践する隣人愛の大切さを説く。
  • 〇そして、神の絶対愛(アガペー)を信じ、神を愛し、隣人愛を実践するところに幸福が訪れると説いた。

 

16 イスラーム教における五行には、信仰告白・礼拝・喜捨がいずれも含まれている。
  • 〇あと二つは断食と巡礼。イスラームは、ユダヤキリスト教の影響を受けつつ都市の宗教(相互扶助の実践を重視)として成立したことを知っておこう。

 

17 イスラーム教は、唯一神に服従し、信仰箇条である六信や信仰行為である五行を守ることの大切さを説く。
  • 〇六信は、神、天使、来世など。