【共通テスト対策】フクフクちゃんの現代社会・倫理・政治・経済

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【速修】社会の正誤問題 ⑧高度情報化社会

01 いつでも、どこでも、だれでもコンピュータネットワークにつながることができるユビキタス・ネットワーク社会の実現が、政府によって目指されている。
  • 〇ubiquitous  network 「ubiquitousは」「同時にどこにでも存在する」ことを意味する英語。

 

02 インターネットやその他の高度情報通信ネットワークを通じた情報の活用などを所掌する組織として、デジタル庁が発足した。 
  • 〇日本が遅れをとっていると言われる「デジタル社会」の形成推進のために設置されたが、問題文としては間違ってはいない。「デジタル庁」は「内閣」に設置して首相が長を務めるという特殊な庁で他の庁より一段高い地位にある。

    で、デジタル社会とはそもそもとせんな社会なのか・・・というと難しい。「リアルな「もの」や「サービス」を「デジタル化(非物質化)」すること、「コンピュータで扱えるカタチ」に置き換えることで、新しい事業価値が生み出され、文化、産業、人間のライフスタイルを一変させていく社会」「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにしていく社会」といった定義があるがピンとこない。まぁ、デジタル・ネイティブのZ世代にはこんな説明も不要だろうけどね。

 

03 コンピュータのネットワークを介した商品やサービスの取引は、電子商取引(eコマース)と呼ばれる。
  • 〇commerce コマースは取引という意味。

 

04 企業内外での人材の育成や学校での教育を、インターネットなど情報通信技術を使って行う仕組みは、eラーニングシステムと呼ばれる。
  • 〇私のこのブログも、eラーニングシステムの一つ。

 

05 情報通信技術の発達により収集・蓄積・活用が可能となった膨大な規模の情報は、バーチャル・リアリティと呼ばれる。
  • ✕「ビックデータ」と呼ばれる。個人の発信した情報や購入履歴、位置情報等もその一部である。

 

06 情報通信技術の進展に伴い普及したSNSなど、インターネット上で個人が情報を発信することによってコミュニケーションの場が形成されるメディアは、ソーシャルメディアと呼ばれる。
  • 〇こんなこともう当たり前すぎて問題にもならないだろうが、一応、過去問として掲載しておく。

 

07 インターネットにつながる自由は、著作権や商標権などとともに、知的財産権の一種として保障されている。
  • ✕もちろん知的財産権ではない。知る権利にかかわるものか。あるいは表現の自由にかかわるものか。で、問題は、その自由が十分保障されていないというのが現実。アクセシビリティの不備、情報格差(デジタル・デバイド)や障害者に対する情報保障など課題は沢山ある。
    今年、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が制定されたことから、このあたりも出題されるかも。

 

08 インターネットでは、アルゴリズムがインターネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析・学習し、個々のユーザーがみたい情報を優先的に表示してくる。
  • 〇その結果、自分の考え方や価値観に近い情報だけに包まれた情報環境に置かれることになる。この状況を「フィルターバブル」と呼ぶことがある。 

 

09 SNS 等を利用する際、自分と似た興味関心をもつユーザーをフォローする結果、意見を SNS で発信すると自分と似た意見が返ってくるという経験をすることがある。
  • 〇特定の意見が増幅されて強化されやすい。こうした状況を、閉じた小部屋で音が反響する物理現象にたとえて「エコーチェンバー」と呼ぶことがある。この結果、自分の考え方は正しいんだという「確証バイアス」に陥る危険がある。ツィッターにしても自分とは対象的な考え方をする人もフォローして、多様な考え方に触れた方がいいよ。

 

10 インターネット上にある、青少年に対する有害な情報を規制することを目的として、不正アクセス禁止法が制定されている。
  • ✕「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」。
    不正アクセス行為禁止法はアクセス権限のないコンピューターネットワークに侵入したり、不正にパスワードを取得したりすることなどを禁止するもの。

 

11 インターネット利用促進のため、民間企業のコンピュータによって処理される個人情報の取扱いを定めた不正アクセス行為禁止法が制定された。
  • ✕民間企業に先行して公的部門について個人情報を保護するための法律として制定されていたが、民間部門を含む個人情報保護法が20003年に成立した。

    ただしこれはインターネット利用促進のためではなく、インターネットを含め、コンピュータに個人情報が大量に蓄積され不正に流出する危険性が出てきたため、その保護を目的としたもの。「~のため」というところに意味不明な文言を入れることがよくあるので、文章の「係り」の整合性をよく吟味すること。
    なお、「不正アクセス行為禁止法」は上記で触れたように安全保障のための法律で、法律名自体にも誤りが入れてあるという二重の誤文になっている。

 

12 インターネット上で使用するID・パスワードを、その利用権者や管理者に無断で、売買したり、公開したりする行為は、「プロバイダ責任制限法」で禁止されている。
  • ✕「不正アクセス禁止法」によって禁止。「プロバイダ責任制限法」は、インターネット上に公開されている情報によりプライバシーや著作権などの侵害があった場合に、プロバイダの負う責任範囲を定めた法律。
    また、「インターネット接続事業者に対して、インターネット上の表現によって権利を侵害された者が、発信者情報の開示を請求することについて定めた法律」でもある。 

 

13 知的所有権は、それが保護している対象がコンピュータソフトのように複製や模倣が容易なものが多く、権利侵害に対して脆弱な面を持つ。
  • 〇逆に言うと、高度情報化が進むなか知的所有権をいかに保障していくかが大きな課題ということになる。

 

14 インターネットでの表現活動は、他の表現活動と同じく、他者の自由や権利を侵害しない限り、基本的人権として保護される。
  • 〇あくまで、「他者の自由や権利を侵害しない限り」。

 

15 日本では言論の自由が保障されており、インターネット上の発言で罪に問われることはない。
  • 名誉毀損、侮辱、脅迫、信用毀損、業務妨害刑事罰の対象になる。今年、侮辱罪が厳罰化され「1年以下の懲役・禁錮」となった。木村花さんの事件を契機にしたものであった。
    なお、現在のところプライバシーの侵害で刑事罰を課せられることはない。ただし、民事訴訟で賠償金を請求することはできる。
    この問題も含めて、以下4題は創作問題だが、出題の可能性あり。

 

16 日本では、インターネット上の発言について、発信者の情報を提供することは禁止されている。
  • ✕インターネット接続事業者に対して、インターネット上の表現によって権利を侵害された者が、発信者情報の開示を請求することについて定める「プロバイダ責任制限法」がある。従って、インターネットは決して「匿名ではない」 ということになる。

 

17 日本では、SNS などのオンライン・サービスを提供する事業者が、表現の内容をモニタリングして、有害な情報ではあれ法的には違法でなければ、その情報を削除することはできない。
  • ✕法的には違法とはいえないけど「有害な情報」も削除できる。他人の権利を侵害する「違法な情報」もである。また、その投稿者のアカウントを停止したりするケースもある。こうしたことを「コンテンツ・モデレーション」と呼ぶことがある。

 

18 ヨーロッパや日本では、「忘れられる権利」があるとし、インターネット上に掲載された自分の過去の行為に関する情報、検索結果を削除できることが認められている。
  • ✕ヨーロッパでは認められているが、日本では「忘れられる権利」という言い方での削除は認められていない。ただし、最高裁では、「プライバシー保護が事業者の表現の自由より重要な場合は削除」とし、訴えのケースを比較衡量した結果、削除を認めなかった。

 

19 インターネット利用者が18歳未満の青少年である場合、情報のフィルタリング・サービスを利用することが法律で保護者に義務づけられている。
  • △2009年より、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が施行されたが、フィルタリングソフトウェアの利用は義務ではなく、その他の方法により適切に管理してもよいことになっていた。そのためこの問題が出題された時点では✕。

    ところが、フィルタリングソフトウェアが低迷 そこで2018年に法改正がなされ、保護者については従来どおりだが、「事業者」に、スマートフォンの契約・機種変更の際、店頭でのフィルサリングが義務化された。従って、「事業者は携帯電話端末の販売時にフィルタリングを設定して渡すことが義務化された」なら〇になる

 

20 日本では、犯罪捜査のために、捜査機関が電話や電子メールなどの通信を傍受することを認める法律は、これまで制定されていない。
  • ✕1999年に通信傍受法が成立。一定の犯罪について、捜査機関は電話やインターネットなどを傍受できることになった。

 

21 インターネットを用いた通信販売は、一定の期間であれば無条件で契約の申込みを撤回したり契約を解除したりできるという、消費者保護を目的とした制度の対象となる。 
  • ✕通信販売は特定商取引法上のクーリング・オフ規定がないため、基本的には、クーリング・オフはできない。既に触れたが・・・返品の可否や条件についての特約がある場合には、特約に従うことになるが、特約がない場合には、商品を受け取った日を含めて8日以内であれば返品することができる。ただし、商品の返品費用は消費者が負担。ということであくまで、クーリングオフとは別。

 

22 日本では、ウェブサイトに載っている他人の文章を無断で複製・転載することは、個人的に利用する場合を除き、特許権を侵害することになる。