【共通テスト対策】フクフクちゃんの現代社会・倫理・政治・経済

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【速修】経済の正誤問題 ⑦財政政策(1)累進課税・予算・財政投融資

01 政府の財政に、累進課税制度や社会保障制度が組み込まれていることで、裁量的に景気を安定化させる政策を推進することかできる。
  • ✕財政には景気を「自動的」に安定させることができる
    = ビルトインスタビライザーが備わっている。

    裁量的」という言葉に引っかかりを感じないと見逃してしまう。
    裁量的財政政策(フィスカル・ポリシー)は政府がその時点の経済情勢を見極めて、公共事業や増税・減税の判断をするというもの。

 

02 不況の時は累進課税制度によって、所得税、法人税が抑制され、税の重圧感が減るので、景気を刺激することになる。
  • 〇不況の時には収入が減れば、累進課税制度の税率の段階が下がり、支払う税金が少なくなるケースも出てくる。所得が低下しても、税収がそれ以上に低下し、税引き後所得の減少が抑えられると消費意欲が落ちずに有効需要の減少を抑えることになる。

 

03 不況の時は、失業手当、生活保護などの社会保障給付が増加することで景気を刺激するといった、ビルトインスタビライザーが働く。
  • 〇不況によって失業率が上がっても、一方で失業手当が出れば、これまた有効需要の減少を抑えることになる。
    なお、不況の時に収入が減れば、社会保険料も低減し、手取り自体の減少が抑えられるという側面もある。

 

04 景気の動向に合わせて公共投資を増減させたり、減税や増税を行ったりするような政策を、量的緩和政策と呼ぶ。

 

05 政府は好景気のときには増税し、不景気のときには減税することで、経済を安定させようとする。
  • 〇裁量的財政政策(フィスカル・ポリシー)の典型例であるが、実際は、このような単純な財政政策は現実的ではなくなってきている。景気が低迷しているにもかかわらず消費税を10%に引き上げるなど、この公式にそぐわない政策も断行されている。

 

06 公共事業の拡大は、景気の変動を自動的に和らげるビルト・イン・スタビライザーと呼ばれる機能を有している。
  • ✕「公共事業」はフィスカル・ポリシー
    ところが、これもなかなか発動が難しくなってきているのが現状。「財政の硬直化」によって、公共事業もままならない状況に。と言うことで、現在は、ケインズ的な財政政策は影が薄くなり、金融政策を景気回復手段として重視するようになった。今後はむしろこのあたりのシフト認識が問われるかもしれない。

 

07 公共投資の増加は不況対策として支持されやすいが、いったん増加すると削減は困難となり、財政赤字の慢性化を招くと批判されることがある。
  • 〇これ自体は間違いではないが、2000年代になると「民間でできることは民間で」ということで、小さな政府が標榜され、財政の硬直化もあって政府の公共事業は抑えられてきている。

 

08 民間企業だけでは供給が不十分となりがちになる公共財を、政府が供給する場合、その働きは資源配分機能である。
  • 〇財政は資源配分、所得再分配、経済の安定化(景気の調整)の三つの機能を果たしている。市場経済では提供不足となる「公共財の供給」は「資源配分」機能である。

 

09 政府は年度毎に予算を作成して国会に提出するが、その審議を主な目的として召集されるのが臨時国会である。

 

10 政府の一般会計の歳出で最も多いのは公共事業関係費である。

 

11 国の一般会計の歳出において、社会保障関係費と国債費のそれぞれが占める割合は、その他のいずれの支出項目よりも大きくなっている。

 

12 国の予算には、一般会計のほかに、国が行う特定の事業のために特別に設けられる特別会計がある。

 

13 一般会計予算は国会の議決を要するが、特別会計予算は国会の議決の対象になっていない。

 

14 補正予算は、年度途中で当初予算に追加・変更を行う場合に作成される。
  • 〇当初予算成立後に発生した事由によって、当初予算通りの執行が困難になった時に組まれる。

 

15 一般会計予算は、現在100兆円を超える規模となっている。
  • 〇100兆円という数字そのものが問われることはない。
    ただし、GDPが500兆円とあわせて、儲けと予算程度は知っておきたい。500円玉と100円玉である。

 

16 「第二の予算」と呼ばれたことがある財政投融資は、道路や港湾の整備などの投資や融資に用いられる。
  • 〇現在は第二の予算ではないということで、出題率は下がるものと思われるが、それでも現在でも機能はしているので、視野に入れておこう。社会資本にも費やさられる。

 

17 日本では、中小企業への融資のために、財政投融資は利用されていない。
  • ✕むしろ逆。「中小企業への融資」は財政投融資の主な対象。

 

18 財政投融資は、税収や国債以外の財源によって賄われたことはない。
  • ✕「税収」は使用されない。税収はあくまで一般家計。

 

19 財政投融資は、郵便貯金や年金積立金などの資金を、社会資本の整備や中小企業支援事業などを行う特殊法人などに直接融資する制度である。
  • ✕かつては郵便貯金や年金積立金を原資としていたが、現在は、特殊法人などの公的機関は「財政機関債」を発行して市場から調達するように変更された

 

20 財政投融資の使途としては、公共投資である道路が最も高い割合を占めてきた。
  • ✕確かに道路も対象であるが、中小企業への融資も多い。「最も」という表現のある場合はやや警戒して、とりあえず怪しいリストいりさせておいたほうがよいかも。

 

21 財政収入は本来租税によって賄われるが、財政法によって特例国債(赤字国債)の発行が認められている。
  • 特例国債は禁止されている
    → 発行するためにはその都度特例法を制定する必要がある。