【共通テスト対策】フクフクちゃんの現代社会・倫理・政治・経済

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【速修】経済の正誤問題 ①経済体制・経済学者

01 資本主義経済体制の基本的特徴は、私的所有権の保障と市場機構による需給の調整である。
  • 〇利潤の追求、自由競争という言葉がないから✕などと判断してはならない。この文章は明らかに誤りのある文章との四択の一つであるため判断しにくいが、誤りは含まれていない。

 

02 18世紀の経済学者アダム・スミスは、国の豊かさは貿易黒字によってもたらされると主張した。
  • ✕後段はアダム・スミスが批判した「重商主義」の主張 。
    アダム・スミスは、貿易による富の蓄積ではなく、富とは国民の労働で生産される必需品と便益品といった消費財の蓄積だと考え、労働生産と消費の拡大を重視した この点、国内の消費意欲が弱い現在の日本・・・アダム・スミスからすれば、全く分かっていない・・・ということになるのでは。 

 

アダム・スミスは『国富論』(『諸国民の富』)を著して、保護貿易などの重商主義政策を批判した。
  • 〇上記の通り、「重商主義」を批判するとともに、国家による保護ではなく、国家の規制や介入を排除し、市場原理に任せるべきという「自由競争」の重要性を主張

 

04 アダム・スミスの言う「見えざる手」とは、市場における政府の調整能力のことである。
  • ✕「政府」ではなく「市場」の調整能力、価格の自動調整機能のこと 。アダム・スミスの場合、「国富論」の原文が出され、志向判断する問題が出題されたことがある。その主張の骨格は頭に叩き込んでおこう

 

05 19世紀初め、ドイツの経済学者リストが比較生産費説によって自由貿易の利点を唱えたのに対し、イギリスの経済学者リカードは国内産業を育成する観点から保護貿易を主張した。

 

06 19世紀後半になると、欧州の列強は資源や市場を求めて植民地獲得に乗り出すという帝国主義政策をとった。

 

07 マルクスは、資本主義では貧富の格差が存在するだけではなく、資本主義が発展すればするほどその格差が拡大するとした。
  • 〇何気ない一文であるが正しい。

 

08 マルクスは、資本主義社会において資本家が労働者を搾取することを批判し、搾取のない社会の実現を主張した。
  • 〇これまた正しい ・・・が、勝負は下の問題。

 

09 マルクスの社会主義の思想は、資本主義社会では、労働者階級の労働力が商品化されていないという考えに基づくものだった。
  • ✕「政経」の難問である。
    労働者の長時間労働が商品価値の中に含まれて=商品化されていているにもかかわらず、労働者に対価として労働者に提供されず、資本家が「搾取」していることを批判した。搾取されているのは、

    商品の価値 = 生産手段にかかる費用 + 賃金 + 「余剰価値」

    のうち、「余剰価値」。これは労働者の長時間労働で生まれるが、これを資本家が「搾取している」と断罪した

 

10 「夜警国家」の名付け親であるラッサールは、自由放任主義の考え方に立つ「小さな政府」を、肯定的に評価した。
  • ✕皮肉を込めて、「夜警国家」にすぎないと断じた。

 

11 ケインズは、自由放任主義を批判し、政府による積極的な財政・金融政策が必要であると主張した。
  • 〇これを「修正資本主義」と呼ぶ場合もある。

 

12 ケインズは、完全雇用を実現するには不況に陥るのを回避しなければならないが、不況の原因は有効需要の不足であると主張した。
  • ケインズは、供給量(生産量)は「欲しいな~」という欲望ではなく、実際の「貨幣支出」を伴う「有効」需要で、国民所得水準や雇用水準が決まるとし、

    有効需要 = 消費 + 投資 + 政府支出 + ( 輸出 - 輸入)

    という計算式を示した。消費意欲が高まるなど経済活動が活溌になると、好況へと転じ、国民所得水準も上昇する。
    なお、( 輸出 - 輸入)という計算式が意味するのは、有効需要は「輸出の伸び」にかかっているということである。

 

13 ケインズは供給されたものは必ず需要されるとする考えを否定し、政府が有効需要を創出する必要性を指摘した。
  • 〇「有効」という意味がわかっているかどうかが問われている。
    あくまで実際に「支出」されたもの。有効需要は、「国内総支出」(GDE)と同義であると考えると分かりやすいかも。そしてケインズは、政府が積極的に経済に介入し、公共投資により有効需要を増やすことが「完全雇用」につながり、生産規模も拡大すると考えた。主著に『雇用・利子および貨幣の一般理論』と、「雇用」という用語があるように、世界恐慌で失業者が多数出た時に、「完全雇用」を目指した。

 

14 ケインズは、技術革新が経済発展の原動力であることを主張した。

 

15 1929年の大恐慌が起こると、アメリカの大統領ルーズベルトは、政府の役割を「市場の失敗」を克服することに限定すべきであると説いた。
  • ✕限定すべきではなく、大きな政府として様々な対策を実施した

 

16 アメリカの大恐慌の象徴的な現象の一つに、それまで投機ブームに乗って上昇を続けていたウォール街における株価の暴落がある。
  • アメリカは早くから国民が株で財産を作ることが当たり前であった。
    なお、株価の急落の理由はそもそもは「生産過剰」 西ヨーロッパが案外早く復興、そのため特に農業分野で生産過剰、そのため農作物の価格が下落したことがはじまりとなり国内の消費が減退、それがその他の産業にも飛び火し、これに危機感を感じた投資家が株価が下がる前に売ってしまおうという心理が働き、株価が一気に下落・・・ 

 

17 第二次世界大戦後の先進資本主義国では、政府は全雇用の実現や社会保障制度の拡充を行うべきだとする考え方が広まった。
  • 〇失業対策や社会保障の整備が政府の大きな役割となった。
    ただし、アメリカの場合は医療保険については個人責任としたため、この文章を✕とした生徒もいるかも知れないが、社会保障制度の拡充ということになると✕とは言えない。なお、社会保障については、既に1944年にILO総会で「フィラデルフィア宣言」が採択され、社会保障の充実が各国に勧告されたことも、政経では出題実績あり。

 

18 市場メカニズムのはたらきに強い信頼をおくフリードマンは、ケインズ政策を批判し、政府は安定的な通貨供給を行うべきだとした。

 

19 フリードマンの考え方は、金融政策による貨幣量の操作を重視することから、マネタリズムと呼ばれた。

 

20 アメリカでは、1960年代末から1970年代にかけて裁量的な財政・金融政策への批判が高まり、マネタリストの主張がその後の政策に影響を与えた。
  • 〇その後というのは1980年代のレーガン政権のこと。

 

21 イギリスでは、大きな政府による社会保障支出の増大と下方硬直的な賃金に批判が高まり、1970年代末に保守党のサッチャー政権が成立した。

 

22 イギリスでは、労働党政権のもと、議会政治により高福祉を実現する従来の社会民主主義の立場に対し、市場万能主義と高負担を共に回避する「第三の道」という主張も登場した。
  • 〇教科書記載がないが、二度出題。ギリスのブレア政権のフレーズ。現在ではほとんど死語になったので出題はないとは思う・・・が、一応知っておこう。

 

23 冷戦期に発展途上国の一部は、東側陣営に属して鉱山・工場などの国有化による経済発展をめざした。

 

24 1970年代のソ連では、景気変動を統制するための計画経済が功を奏して、二度の石油危機にもかかわらず、それ以前と同様の経済成長を続けた。
  • ソ連も経済的に低迷した。1979年の第2次オイルショックも影響があり、これが10年後の1989年、冷戦終結へと向かう波の一つとなる。

 

25 1990年代の東欧諸国は、コメコン(経済相互援助会議)のもとで地域的経済協力を進めながら市場経済化を推進した。

 

26 東欧諸国は、政治体制についてはこれまでどおり社会主義としながらも、経済に市場原理を導入する社会主義市場経済体制を目指してきた。

 

27 市場経済化を進める中国で、経済特区のみに社会主義経済を残す「一国二制度」を採用した。

 

28 中国では、改革・開放政策への転換以降、急速に貿易が拡大し、1990年代後半に大幅な貿易収支黒字を実現した。
  • 〇高い経済成長率であることも注目。2001年WTO加盟、2012年にはGDPで日本を追い越し世界第2位、このあたり未出だが、そろそろ問われそう。国際経済のところで触れ直す。