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3 企業
●企業
①資本を調達し
②設備投資等によって生産(生産主体)
③利潤を得る
●企業は生産主体
生産の三要素は 土地 労働力 資本
●企業の資本調達方法
直接か間接か?
株式・社債発行による資金調達は直接金融、
銀行からの借り入れは間接金融
※日本は、株式による資金調達が50%に近いが、
欧米と比較すると借入の割合が25%と高い
ただしここのところ株式による直接金融が増加傾向
伸びがあるのは「直球」
自己か他人か?
株式発行 ・ 内部留保 による資金調達は「自己資本」
社債 ・銀行 からの借り入れは「他人資本」
●企業の利益 →損益計算書
売上高から
①売上原価(原料や仕入れ代金など)
②販売・一般管理費(広告・光熱費)等、人件費(従業員への報酬)
③法人税 など
を差し引いた額が純利益
●企業のやりくり
純利益の活用の仕方 株式会社の場合
①社員(株主)への「配当」
※利益の大小によって「変動」
②( 内部留保 )=企業の資本に・・・「自己資本・内部金融」
設備投資
直接投資(海外企業の買収・工場建設など)
間接投資(証券投資 海外の株に投資) など
労働者の雇用 → 規模の拡大に活用
※日本企業の内部留保は現在およそ500兆円・・・
そんなにあるなら人件費をあげてほしいよ~
●企業の貸借対照表(バランスシート)
・右側はどのように集めたか
返済する必要がある銀行借入金・社債は「負債」
返済する必要がない株式の発行による資本金は「純資産」
・左側は資産をどのように運用したか
現金・建物・機械など
・右側の「純資産」÷左側の「総資産」が、(自己資本)比率
→企業の財務状況の安定性を図る指標
※共通テスト 2年連続で計算問題として出題
●「分配国民所得」から見る家計と企業
①雇用者報酬70%
②企業所得(内部留保)25%
③財産所得(地代・利子等)7%
●政府の3つの役割
①資源配分の調整 (社会資本の整備・公共サービスの提供)
②国民生活の安定 (景気の調整・社会保障)
③所得の再分配
●政府の資金調達方法
家計からの「所得税」が30%
「消費税」が30%
企業からの「法人税」が20%
※第二の予算としての「財政投融資」もあるが・・・とても厳しい
●企業の3形態
私企業 公企業 公私合同企業
※地方住宅供給公社は「公企業」、
東京大学(独立行政法人)は「公企業」
日本銀行(特殊法人)は「公私合同企業」、
第三セクターは「公私合同企業」
農業協同組合は「私企業」で法人企業(組合企業)、
農家は「私企業」で個人企業
※個人企業が50% 株式会社・有限会社が40%
●「会社企業」の代表 株式会社 その3大原則
①■有限責任の株主
→持株数に応じた配当
②「所有と経営の分離」
→経営は「取締役」
③株主総会が最高の意思決定機関
→形骸化が問題視
●会社企業 株式会社以外の3つ
いずれも株式はなし
①「合名会社」
∞無限責任社員のみ
個人事業主の集まりみたいな形態 個人「名」会社
②「合資会社」
「資」本家とつるんだ会社
ただし上記2つはごく少数 遺物
③「合同会社」
■有限責任社員のみは 新設された
設置が簡単で 株式はないけど、株式会社と「同」じメリットあり
所有と経営が一体化(「同じ」)
※「有限会社」(出資者は自社の社員で、社員数も制限された小規模な経営)
は新設廃止
●株式会社の株にかかわる重要事項 ベスト3
①株式公開(上場)は任意だが、上場すると増資可
※+1 ベンチャー企業を対象にした「新興株式市場」も開設
②M&A(合併・買収)が盛んになってきた
③インサイダー取引は禁止
→会社の内部情報を知る立場にある者が、
非公開の情報を利用して株式の取引を行うこと
●合併・買収に関する変化 3つのステップ
①日本では、「乗っ取り」を防ぐため、グループ企業・取引金融機関との「株の相互持ち合い」が多かった。
②1997年「規制緩和」の流れの中で、「独占禁止法」の改正で
「持株会社(他社の株式を保有することと、それを通じてその会社を支配することを目的とした会社)が解禁。
③合併・買収(M&A)が盛んになり、経営者が同意しない「敵対的買収」も生じるようになった。
※株式公開買い付け(TOB)
→不特定多数の株主から株式を大量に買い集める企業買収
同意を得て行う場合は友好的TOB
合意がないまま一方的に行うのは敵対的TOB
●持株比率の変化
①戦後~ 当初は、「個人・その他」が主流。
その後株の発行高が増えるとともに、グループ企業・取引金融機関との持ち合いが次第に高まり、
1990年段階では(i)「金融機関」(ii)「事業法人など」。
②バブル崩壊後、株式持ち合いの解消の動きが高まり、金融機関の株保有率は右肩下がりに。
一方で「外国人」の保有率が右肩上がりに。
③2015現在は(i)金融機関(ii)外国人(iii)事業法人など(iv)個人・その他
が、いずれも25%前後で拮抗
●企業の結合
①「カルテル」 企業連合
同じ産業に属する複数の企業が、価格、生産量等について協定を結ぶのが「カルテル」
※カルテルは原則禁止 ただし闇カルテルあり
例外として認められていた不況カルテル、合理化カルテルも1999年禁止
②「トラスト」 企業合同
同じ産業に属する複数の企業が合併するのが「トラスト」
※トラストも原則禁止だが、過度な独占でなければ合併は認められる
※+1 「コングロマリッド」
異なる産業に属する企業の合併は「コングロマリッド」
事業の多角化要請により形成されたもので、禁止されていない。
代表的な企業は楽天
③「コンツェルン」
中心となる企業が様々な産業に属する企業を傘下におさめるのが「コンツェルン」
→企業連携 通常は「持株会社」が株式の取得を通じて結合・支配
※かつての財閥がコンツェルン →禁止
※一方で、1998持株会社自体は解禁
別会社の事業活動を支配することを目的として株式を所有する企業が認められたが、全面解禁という訳ではなく、事業支配力が過度に集中することにならないよう規制されている。
「~ホールディングス」といった名称で、それ自体はコンツェルンではない。
●企業の社会的責任 ベスト3
企業は企業の社会的責任、略して( CSR )corporate social responsibilityを果たさなくてはならない
①そのために何よりもまず、法令遵守、
カタカナで言うところの「コンプライアンス」が必要
Compliance ← comply 守る・従う
②企業統治、
カタカナで言うところの「コーポレート・ガバナンス」の強化も求められている
※そのために情報公開、
カタカナで言うところの「ディスクロージャー」が必要
Discloser → closeさせない
③様々な社会的貢献も
※慈善活動は「フィランソロピー」 philanthropy philos愛する anthropos人類
芸術文化の支援活動は「メセナ」
環境に配慮した企業経営 →環境( ISO ) 国際標準化機構の認証