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【今日の時事問題】日本の国家予算 その3(防衛費・安全保障)

台所は火の車である。しかし、支出すべきものは支出しないと・・・

 

「防衛費」の増額

昨年末、政府がその一つとしてあげたのが「防衛費」の増額であった。

www3.nhk.or.jp


2023年度から5年間の防衛費を従来の1.5倍超の43兆円に増やす方針を、これまた閣議決定という手法で。
5年間なので単純に割り算すると防衛費を8兆円規模とするということ。
初年度の2023年度は財源確保ができていないため6兆8219億円にとどまったが、それでも前年度より1兆4000億円余り上積みされた数値となっている。

www3.nhk.or.jp

 

受験生なら、日本が「防衛費1%枠」という規制を課してきたことは知っておかなくてはならないが、岸田首相はその規制を破り、さらに2027年度以降もGDP2%程度を維持する考えを表明している。

確かに、アメリカあたりは3%で、NATO諸国もGDP比2%以上を目標にはしている。また、中国の防衛費も右肩上がりに拡大し、周辺の安全保障環境の緊張度が増しているのは明らかだ。

 

しかし、中国の国防予算と比して見たときに、今回の防衛費増額は規模的に太刀打ちできるような水準ではない。アメリカからトマホークを買ったところで安易に防衛ができるわけではない。


本来日本は徹底した平和主義を掲げ、それをもって世界のリーダーたらんとした国ではなかったか。

 

昨年、「教育機関への公的支出」のGDP比(2019年時点)が、日本は2・8%で、データのあるOECD加盟37か国中36位だったことが発表された。教育を充実させ、国際交流、技術移転で貢献すべきではないか。

reseed.resemom.jp

安全保障に関する全国郵送世論調査の結果

先般、共同通信社が安全保障に関する全国郵送世論調査の結果をまとめた。

news.yahoo.co.jp

首相が表明した防衛力強化のための増税方針について「支持する」は19%で「支持しない」が80%を占めた。

これらの結果からは、安保環境の厳しさから一定の防衛力強化はやむを得ないが、大幅な防衛費増額や増税までは望まないとの心理がうかがえる。防衛力を巡る首相の説明は「十分ではない」が88%に達した。

防衛増税80%支持せず 経費43兆円、不適切58%(共同通信

同記事では右のような分析がなされているが、これまでみてきた日本の閉塞感からは当然の心理であろう。
首相は、そうした国民の心理を忖度はしない。防衛費増額の財源を「国債の発行」ではなく、つまり将来世代への先送りではなく、「今を生きる世代で幅広く負担を」と、1兆円規模の増税やむなしの方針を打ち出している。しかし、増税に対する反発も強く、増税の実施は「2024年以降の適切な時期」と先送りしてしまっている。


一方で、現在、税金以外の収入を積み立てる特別措置法案を提出し、これが衆議院で審議入りしているが、会期が40日を切った今国会で、数の論理で通過してしまうのではなく、そもそも防衛費増額が本当に必要不可欠なのかも含めて、しっかりと審議したい。

 

【数字】日本の税収

なお最後に、現在どの程度の税収なのか?
これも問うておこう。2023年予算では、70兆円を見込んでいる。
法人税の税収の増加を期待しているようだが、大企業の富をこのように税金として吸い上げるだけでなく、富を国民に「分配」し、暮らしを再建することで、教育や中小企業、農業分野など、未来を切り拓くのに本当に必要な分野に投資したいものである。