以下、「倫理分野」は、どれも基本的なところを押さえておけば事足りる。浅く広く目配りを。
ギリシア思想の開示
①自然の根源(アルケー)を掴もうとしたのが自然哲学者たち
神話的説明から脱却
「水」はタレース
「火」はヘラクレイトス
②社会のあり方に目を向けたのがたち
・「万物の尺度は人間である」はプロタゴラス
→ 主義
③ソクラテス・・・問答法(産婆術)
・「無知の知」という謙虚な姿勢で、
あくまで「な」真理を求めて弟子たちと問答を繰り返す
ギリシア哲学の進展
①観念論(理想主義者)と経験論(現実主義者)
(1)観念論(理想主義者)
・イデア界 → 観念論(理想主義者)が
ソクラテスの求めた普遍的真理を根拠付ける
もともと人間の魂は界にあり、それを想起したり、憧れたりする
だから、不完全な三角形を三角形として認識できる
(2)経験論(現実主義者)
・現実主義者が
・プラトンのイデア論を批判
理想と現実は別々にあるのではなく、現実の中にが内在しており、感覚で捉えられる個物のみが実在している
→ 現実世界の個物のが大切
・プラトンが理想としたのは「政治」
・・勇気・節制
→ 知恵がうまく指導すれば、正義(調和のある状態)が生まれる
・アリストテレスが理想としたのは「制」
→ 過度や不足のを避けた「中庸」を得た政治体制
③アリストテレスの正義論
・「人間はポリス的動物である」 →
法を守るという「全体的正義」だけでなく、
労働量に応じた適正な報酬の配分 「正義」、
損害を被った者に対する賠償支払い 「正義」
といった「正義」によって、「調和のある状態」
= 正義が実現する
→ 後のロールズの正義論などの基盤
キリスト教の開示
①唯一絶対神
②人間はを背負う
③愛の宗教
神の愛()・神への愛・愛
キリスト教の発展
①弟子パウロ
・イエスの死は (自らのひとり子を犠牲にしてまでも、全ての人間の罪をあがなおうとした神の深い愛の発露)
・律法を守ることではなく「」によってのみ、「義」(正しい行為=救済に当たる行為)とされる
②教父アウグスティヌス
・人間が救われるのは神の(神が人間に与える恵み・慈悲)
→ 恩寵は「教会」を通じてもたらされる
→ 教会の権威付け
③スコラ哲学 トマス・アクィナス
イスラームとの接触
→ 新たに知られたアリストテレス哲学とキリスト教的価値観に齟齬
→ むしろアリストテレス哲学を援用し、キリスト教の価値観を確固たるものにしようとした
神の光・恩寵の光(=信仰)、自然の光(=理性)
・「は自然を破壊せず、かえって自然を完成させる」
→ 信仰と理性の「調和」を説く
さらに16世紀、 と呼ばれる新たなムーブメントが起こり大きな勢力に
→ ルターとカルヴァンによる改革・・・教会よりも聖書
イスラームの開示と発展
①成立
ユダヤ・キリスト教の影響を受けつつ、都市の宗教(相互扶助の実践を重視)として成立
偶像崇拝の禁止徹底
②ムハンマド
最大にして最後の(神の言葉を預かる者)
③六信五行
六信(神・天使・聖典・預言者・・天命)
五行(信仰告白・礼拝・断食・・巡礼)
※ムハンマドの家系を重視する派 と
歴代の指導者を認める派
・現在およそ20億人はムスリム
仏教の開示と発展
①神なき宗教
②人間を苦しむ存在と捉える
③真理(ダルマ)を悟れば苦から解脱できる
※四諦(四つの真理)
・諦 苦(四苦八苦)は避けることができない
・集諦 苦の原因は「」の集まりである
・滅諦 煩悩を滅っすれば安らぎの境地「」が得られる
・諦 修行方法に八つの正しい道(八正道 → 中道)がある
※縁起の法→あらゆるものは依存しあっている
: あらゆるものは変化しとどまることがない
諸法無我 : あらゆるものは不変の実体である我は存在しない
→ それなのに我に固執し煩悩をもつからから苦しむ
※慈悲 生きとし生けるものへの愛
いつくしみ・与楽の心、 苦しみを取り除く・抜苦の心
・上座部仏教 南伝
阿羅漢(個人の悟りを目指して修行を完成)が理想
・大乗仏教 北伝
(一切衆生の救済を目指して利他行に励む)が理想
中国思想 諸子百家
①儒家
(1)孔子
・「」(親子兄弟の間の親愛の情→人を愛する思いやりの心)と
「」(社会生活を営む規範)
→ 君子の「徳治主義」による政治を理想
(2)孟子
・「四端の心」
(「の心」「羞悪の心」「辞譲の心」「是非の心」)
による性善説に基づく「四徳」
・「革命」
→ 王が徳に反する政治を行なうならば、民衆の支持を失い、
天命が別のものに移る
→ 禅譲(自ら王位を譲る)と放伐(武力による追放)による革命を是認
※後に漢の時代に儒学が官学化
②道家
(1)老子
・「廃れて仁義あり」
→ 道「タオ」こそが宇宙の根源的存在 これに則ることが大事
道「タオ」に則った「無為自然」
(作為を捨てありのままの自然に身を任せる)の清浄な行いを重視
(2)莊子
・胡蝶の夢
→ 万物斉同(ありのままの自然は本来等しい絶対無差別の存在)
③法家
・韓非子 為政者の統治のための 信賞必罰の「法治主義」を主張