【共通テスト対策】フクフクちゃんの現代社会・倫理・政治・経済

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【今日の時事問題】日本の国家予算 その1

新年度を迎えて

新年度になったのに、ブログの更新がままならかった。
しかし、このブログも受験生にある程度は浸透しつつあるのか、毎日一定の閲覧があるようだ。ありがたいことである。

 

「三つで括って覚える」と」「速習・過去問創作問題」は、ほぼ完成しているので、ぜひ多くの受験生諸君に利用してほしい。なお、上記2つとも、「倫理」については、「現社の倫理」にとどまっていたので、今年は、「倫理」受験生にも役立つような資料を掲載していく。
「知っ得・深める」は、まだこれからどんどん補充していく。
さらに、「時事問題」についても、怠けず発信していきたい。

 

 新高校3年生については、おそらくこのブログを昨年の段階では、のぞくことはなかったと思うが、これまで蓄積してきた「時事問題」についても、ぜひ見返してほしい。そして、今後発信していく「時事問題」を読むことで、意識を高めてほしい。

 

2023・令和5年度がスタートしてもう1ヶ月以上も経ってしまったが、今年の共通テスト問題四択の一つに以下の問題があった。実は、コラムで、以下のような数値を問う問題は出ないかもしれないが、知っておきたいと触れていたものである。
○か✕か判断できるであろうか?

 

【問題】

「日本の国の予算のうち、政府の一般行政に関わる一般会計の2022

年度当初予算は、総額で100兆円を超えている。」

 

【解答・解説】

受験生諸君、いかかであろうか?
おそらく、こういう「数値感覚」が皆には欠けているのではなかろうか?

岸田政権になって、「防衛費の増加」「子育て支援の増加」ということが打ち出されたが、それぞれどの程度の財政規模なのか?

・・・忙しい受験生、そんな「額」なんて知ったことか
・・・というのが本音だろう。

しかし、共通テストで「数値感覚」が実際問われているのだ。
ある程度は、日本の経済状況、規模にかかわる「数値感覚」は身につけておきたいものだ。

 

日本の国家予算

まず、問題文自体は「」で、日本の国家予算は100兆円を超えているということを基軸として知っておきたい。

令和5年度は114兆円余り。
11年連続で過去最大を更新し、初めて110兆円を突破したとのことだ。
「小さな政府」を模索しつつも、日本の国家予算は拡大しつつある。

www3.nhk.or.jp

財務省公開のデータをもとに作成)

www.mof.go.jp

 

GDPとの比較

ここで、指標としたいのが「母体としてのGDP」との比率。

で、受験生諸君に問うが、では、GDPはどの程度の規模なのか?
何兆円なのか?これまた「数値感覚」が皆には欠けているのではなかろうか?

 

 2021年がおよそ550兆円。ドル換算5兆ドル。

 

 これまで私の授業では、
「国民が500円玉を稼いで、政府が100円玉で運営している」

 

・・・といったアバウトな説明を行ってきたが、この程度の認識で支障はないと思われるので、受験生諸君は、こうした「数値感覚」をインプットしておいてほしい。
そして、併せてGDPの「2割」にあたる額が国家予算、という感覚も身につけておくとよい。

 

アメリカとの比較

ところで、アメリカあたりはどんな状況なのか?

アメリカのGDPは2021の段階で23兆ドル、日本の4倍以上。
・国家予算は2022年、1.5兆円ドル、日本の3倍程度。

 

「国家予算」と「GDP」の比率

 こうした規模の違いもインプットしてほしいが、ここで注目したいのは、日米間の「国家予算」と「母体としてのGDP」との比率の違い。
どちらが、国家予算の比率が高いか?というと・・・


アメリカはGDPは日本の4倍だが、国家予算は3倍程度なので
・・・日本ということになる。

 

では、その背景にはどういうことがあるのか?

 

■■■■の累積

その一つが、日本の■■■■の累積、その「返済」が国家予算を膨張させている・・・ということである。

このあたり、君たち若者に認識させること自体、実は恥ずべきことなのたが・・・

■■■■は、何かというと・・・「赤字国債」。

 

不足分を捻出するために発行され続けてきた「赤字国債」。
その返済のために、予算の■割が当てられているという現実があるのだ。

 

その「■割」・・・という「数値感覚」が皆にあるのだろうか?

 

令和5年で言うと、何と、「割」近く。
およそ25兆円が借金返済の予算ということになる。

 

一方で、借金返済を含めた予算109兆円が全て税収で賄えれば、それはそれで見通しもつく。
ところが、実は予算の「3割」、35兆円は、新規国債の発行、つまり借金に頼っているというのが現実。
収入の「3割」が赤字国債頼み、支出の「4割」が借金の返済・・・
となると、令和5年ひとつとっても10兆円の赤字ということになってしまう。

 

ということで、日本の国家予算は、赤字を雪だるま式に累積させながら、先送りの、将来世代任せの状況であるということだ。

 

国家予算の「累積」赤字

そして、積もり積もって、国家予算の「累積」赤字は、およそ■■兆円・・・

この数字が頭にあるであろうか?

 

何と、1000兆円を超えているのである。

 

国家予算の10年分の借金を抱えていることになる。
もし仮に今後「赤字国債」を発行しないで済むよう健全化されたとしても、1年間に25兆円の借金を返済していくとしたら・・借
金返済のためには、何と40年間以上もかかるということになる。

 

「失われた30年」の政治的・経済政策の失敗のためである。
しかも、「今後」、本当に防衛費などを拡大すれば、支出はかさむ一方である。

 

この点は後にまた触れるとして・・・
では、なぜ、こんな状況でも、我々は大慌てしていないのだろうか?
新高校3年生がこれに答えることができればたいしたものである。

しかし、これは、次回触れることにして・・・

 

まとめ

とりあえず、今回は、

「国民は、1年間で500兆円兆稼ぎ、政府は国民からの税金をもとに100兆円の予算でやりくりしているが、税収不足もあって、実は国民に1000兆円借金・・・ただし、今のところ国民からは返却を請求されずにすんでいるが・・・」

という「数値感覚」だけはしっかりとインプットしておこう。