【共通テスト対策】フクフクちゃんの現代社会・倫理・政治・経済

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【速修】社会の正誤問題 ⑤地球環境問題(2)環境基本法・京都議定書・パリ協定

27 環境基本法は、国や地方自治体、事業者だけでなく、国民に対しても環境を保全するための責務を課している。
  • 〇「国民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。」と規定。

 

28 環境基本法は、公害を発生させた事業者を罰する規定を設けている。
  • ✕教科書欄外にも注記してあるように。何と・・・「罰則規定」はない。

 

29 気候変動枠組み条約に基づいて1997年採択された京都議定書は、先進国が温室効果ガスの排出を削減するための具体的な目標値を設定した。
  • アメリカは離脱したが、アメリカも-7%という目標値を設定した。

 

30 京都議定書では、先進諸国全体として2010年の温室効果ガス排出水準を、基準年(1990年)水準に比べ10パーセント削減するとの数値目標で合意された。
  • ✕先進国全体では-5.2%。EUが最高で-8%。

 

31 京都会議では、先進国と発展途上国に温室効果ガスの排出量を削減することを義務づけた京都議定書が採択された。

 

32 京都議定書では、温室効果ガス排出量の削減目標には国による差を認めず、EU(欧州連合)、アメリカ、日本等の先進国に一律削減させる数値目標で合意された。
  • ✕既に見たように差があり EUアメリカ>日本

 

33 温室効果ガスの排出削減をめぐる国際交渉では、先進国間に意見の対立が見られず、京都議定書は採択と同時に発効した。
  • ✕2001アメリカ離脱。ただしロシアの批准で2005発効。

 

34 温暖化対策は、各国が自国内で行うべきものなので、温室効果ガスの排出権を国際的に取り引きすることは、気候変動枠組み条約で禁止されている。

 

35 京都議定書では、削減目標の達成をより容易にするために、排出量取引・共同実施・クリーン開発メカニズムという三つのしくみが導入された。
  • 〇もうパリ協定の方が重要なので問われることがないかもしれないが、一応知っておこう。クリーン開発メカニズムは、先進国が開発途上国において技術・資金等の支援を行い、温室効果ガス排出量の削減した結果、削減できた排出量の一定量を支援元の国の温室効果ガス排出量の削減分の一部に充当することができるという制度。なお、京都議定書の第ニ約束期間が2020年で失効、現在このメカニズムの新しいルールづくりの交渉が展開されているが、合意には至っていないようである。

 

36 温室効果ガスの排出権の売買が先進国と発展途上国との間で認められた。
  • ✕排出権の取引は締結した先進国間。発展途上国はクリーン開発メカニズムによる削減。

 

37 共同実施は、発展途上国への支援の結果、削減できた排出量の一定量を、自国の温室効果ガス排出量の削減分の一部に当てることができる制度である。
  • ✕これはクリーン開発メカニズム。共同実施は締約した他の「先進国」の削減事業にかかわった場合。

 

38 メタンガスについて、日本政府はその排出量を削減すべきガスとして位置づけていないが、メタンガスにも温室効果があるとされている。

 

39 日本は、京都メカニズムを活用しなくても、京都議定書の第一約束期間での目標を達成できた。

 

40 IPCCが京都議定書の採択を受けて発足し、気候変動に関する科学的知見について、報告書を発表している。
  • IPCC(気候変動に関する政府間バネル)は世界気象機関と国連環境計画により、リオ会議の前、1988年に設立されている。  

 

41 21世紀になって開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議」では、極度の貧困状態におかれている人々の数を減少させることなどを目標とした「国連ミレニアム宣言」が採択された。
  • ✕京都会議後の2002年、リオ会議10年後に南アのヨハネスブルクで開催されたのが世界首脳会議。「ヨハネスブルク宣言」及び、持続可能な開発のために政府やNGO等が協働することなどを記した文書等が採択された。「環境・開発サミット」とも呼ばれる。
    なお、国連ミレニアム宣言は2000年の国連総会で採択されたもので、極度の貧困や飢餓の撲滅など2015年までに達成すべき8つの目標を掲げたもの。

     

 

42 アジェンダ21は、ヨハネスブルクで開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議」で採択されたものである。

 

43 2015年に採択された気候変動枠組条約のパリ協定では、すべての締約国が温室効果ガスの自主的な削減目標を提出し、目標の達成に向けて取り組むことが定められた。
  • 〇「発展途上国」を含むすべての国が自主的に削減目標を設定し、その達成に向けた対策をとることが義務付けられた。2016年発効。

 

44 パリ協定では、先進国はエネルギ-効率の向上、再生可能エネルギ-開発の技術を持っているので、地球温暖化の主原因は発展途上国にあるという共通認識が再確認された。
  • ✕前出の「共通だが差異のある責任」という原則のもと、先進国の方にまずは先行して取り組む責任があるというスタンスが一応の共通認識。この原則のもと、パリ協定には発展途上国も参加のテーブルに着いた。
    ただし、先進国であろうが発展途上国であろうが、この区別を超えて、地球環境問題にともに取り組んでいこうという姿勢が求められている。

 

45 二酸化炭素排出量の多い中国やインドもパリ協定を批准した。
  • 二酸化炭素排出量が多いのは①中国②アメリカ③インド。中国、インドを巻き込んだことは意義がある。

     

 

46 パリ協定は2020年以降の地球温暖化対策の法的枠組で、今世紀末までの世界の平均気温の上昇を産業革命前から2℃未満に抑え、これを保つという目標を掲げた
  • 京都議定書の第ニ約束期間が2020年で失効。これを踏まえたパリ協定であった。2023年からは5年ごとに世界全体でどの程度対策が進んでいるかを点検する制度も設けられた。産業革命前(1850~1900)の平均気温に比べて2020年現在1.2度上昇。  パリ協定ではできれば1.5度以内に抑えることも目指しているが、そのためには、いずれ、しかもできるだけ早く、温室効果ガスの排出ゼロを実現しないといけないとのこと

 

47 パリ協定では各国の自主的な削減目標に応じた国内対策の実施を義務付けたが、目標を達成できなかった場合の罰則規定は設定されていない。
  • 〇「否定文」だがこれは正しい。罰則規定があると発展途上国の中には交渉のテーブルを離れる危険性あり。それと、ある国を引き込むためにも・・・そうアメリカを。

 

48 京都議定書については離脱したアメリカであったが、パリ協定については協賛のスタンスを貫いている。
  • ✕「貫いている」といった怪しい言い回しからして✕だと判断できるが、承知の通り、トランプ政権の時離脱。ただし、バイデン政権で復帰。

 

49 現在、日本政府は温室効果ガス排出量を2030年までに2013年比46%削減と目標値を大幅に引き上げ、さらに2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを実現すると宣言した。

 

50 酸性雨は、石炭や石油が燃える時に発生する二酸化炭素が水と結合することで生じ、森林枯死や湖水の酸性化による魚類の死滅、歴史的建造物の腐食・劣化などの被害を出す。

 

51 酸性雨被害の防止のための国際条約は現在のところ結ばれていない。
  • ✕「長距離越境大気汚染条約」が1983年に発効し、削減について定めた議定書により原因物質の削減が強化されている。ヨーロッパ諸国を中心にアメリカ・カナダも参加しているが、日本は参加していない。東アジアについては、日本主導で東アジア酸性雨モニタリングネットワークが設立され、中国、韓国なども参加しているが、削減の義務化についての動きは今のところない。核兵器、安全保障とともに東アジアがどうも一体化し協働していこうという気運に欠ける、これまたその一例である。

 

52 森林破壊は、地球温暖化の促進のみならず、土壌の流出や砂漠化の原因になるとされており、その防止のために、国際的な対策として国連総会において条約が採択された
  • ✕森林破壊の防止にかかわる国際条約は現在のところない。砂漠化防止条約は1994年に。主にアフリカ諸国の砂漠化防止を想定。

 

53 海洋汚染は、様々な有害物質の投棄や、たび重なる原油流出事故により深刻化し、その結果として希少な生物が減少しているため、ラムサール条約によって海洋生物資源の保護政策が実施された。
  • ✕ラムサールは湿地。海洋は「海の憲法」と呼ばれる1982年の「国連海洋法条約」。排他的経済水域などもこの条約によって合意されたものだが、海洋生物資源保護のための総漁獲量規制や、海洋汚染防止のためのガイドラインも示され、各国の国内法の整備を促進する役目を果たしている。放射能汚染水放出がこの条約に抵触するのではという意見。日本政府は処理水と解釈し放出予定だが・・・

 

54 生物の保全に関する従来の条約は、ある特定の動植物や生息地に限定されたものであったが、現在ではそのような限定を越えた条約がある。
  • 〇「ワシントン条約」を先駆けにして、「生物多様性保全条約」によってさらに広範囲な保全がなされてきた。こうした動きを鳥瞰するとこういった表現方法も取ることができる。具体的な条約名ではなくこういった曖昧な表現を判断できると本物の力がついていることの証し。

 

55 地球温暖化の主要な原因物質とされる二酸化炭素の排出を抑制するために、二酸化炭素の排出量に応じて税金を徴収する炭素税が、ヨーロッパを中心に採用されてきている。
  • 〇1990年のフィンランドが先駆け。世界銀行の試算によるとパリ協定の目標を達成するためには、二酸化炭素1トンあたり40~80ドル(4,500~9,000)程度の炭素税が必要とのこと ヨーロッパでは、既にその水準に達している国も少なくないとのこと。なお、日本の「地球温暖化対策税」は二酸化炭素1トンあたり289円・・・アメリカは導入していない。

 

56 WTO(世界貿易機関)では、環境汚染物質の貿易が明らかになった場合、環境保護の見地からセーフガードの発動を認めている。
  • ✕このような聞いたことがない内容が出題されることもある。こういう場合は判断せず、他で勝負というアドバイスをしているがこれなどもその典型。他三つが明らかに正文だったら、これが誤りということになるが仮にこれが正しいとしたら、セーフガードのところでこういった内容を教えてもらっているはず・・・であるとすれば△か・・・といった程度の判断はできるはず。

    また、「有害廃棄物不正輸出取引」に関しては「バーゼル条約」という重要条約もあるので、このあたりから、こいつは怪しいと判断する手もありか。いずれにせよ、できるだけ、基礎項目を自分のものにしておけば、そこからの類推で、こういう「捨て質問」にも対応できるようになるはず。