【共通テスト対策】フクフクちゃんの現代社会・倫理・政治・経済

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【今日の時事問題】同時代を生きるということ(アメリカ中間選挙、COP27、G20、APEC)

受験生諸君にとって、初めて「戦争」を実感したのが、ロシアのウクライナ侵攻。以降も、政治・経済で習う、様々な事柄が、まさに時事問題として私たちの目の前に突きつけられている。ニュースを自分とは関係のないところで起きていること・・・とせず、まさにその時代を生きた証とし、目に焼き付け、また自分はこれをどう思うか?問いかけつつ暮らしたいものだ。

 

アメリカの中間選挙、COP27、G20、APEC・・・いずれも来春の共通テストでも狙われそうな事項が続く。これらについて、今回、少なくとも受験生として知っておかねばならないミニマム・エッセンスを確認しておこう。

 

アメリカの「中間選挙

中間選挙は、4年に1度行われる大統領選挙のちょうど「中間」の年に全米で一斉に行われる連邦議会の上院と下院の議員選挙や、州知事選挙などを指す。

 

中間選挙は、大統領の任期半ばに行われるため、現政権への「信任投票」という性質を持ち、また、その結果は任期後半の大統領の政策に大きな影響を与える。過去の中間選挙では、大統領の政党が議席を減らすことが多く、「中間選挙」の結果によっては、「ねじれ」も生じ得る。今回も下院ではそのような結果となった。

 

○「国民の代表」と言われる「下院」はそもそも任期が2年と日本以上に短い。2年毎に
435議席が改選される。
「州の代表」と言われる「上院」は任期が6年で、2年毎に3分の1ずつ改選される。
人数は全体で100人と少ないので、2年毎に33名(or34)が改選される。

 

○「中間選挙」と「大統領選挙と同時の連邦議会選挙」との「投票率」の差

試験で問われる可能性があるのが、「中間選挙」と「大統領選挙と同時の連邦議会選挙」との「投票率」の差。どっちの投票率が高いと予想するか?

 

  → 常に「中間選挙」の方が「低い」。

 

大統領選と同時選挙のほうが高くなるというのは何となくだが理解できるはず。中間選挙は40%まで届かず、大統領選挙時は55%前後。このため連邦議会の選挙率はジグザグの様相


■COP27

国連気候変動枠組条約の第27回締約国会議がエジプトで開催されている。このCOP、「締約国会議(Conference of the Parties)」はもともと、1992年のブラジルのリオデジャネイロで開かれた「地球サミット」に由来する。ここで国連気候変動枠組条約が採択され、1994年に発効すると、以来、地球上のほぼすべての国々が参加する地球規模の気候サミットである「締約国会議(COP、Conference of the Parties)」が毎年開催されるようになった。今年は地球サミット」から40年ということもあり、以下の基本的事項を含めて、しっかりとインプットしておきたい。

 

○1992 地球サミット
 リオデジャネイロで  基本理念「持続可能な開発」
 双子の条約  気候変動枠組条約生物多様性条約

 

○1997 京都会議 COP3
 先進国のみ「温室効果ガス」の削減目標を掲げる
 3つの京都メカニズム
 → ①排出量取引②共同実施③クリーン開発メカニズム

 

○2015 パリ協定 COP21
  発展途上国にも温室効果ガスの自主的削減目標の策定を義務づける。ただし、罰則規定なし

 

○2021 COP26
 産業革命(18世紀)前からの気温上昇を1.5度に抑えることを世界共通目標に
 ※EUアメリカ、日本、中国など、それぞれ独自な目標は打ち出す

 

後日、「深める・数値目標の謎」という項目を追加するので、垣間見てほしい。

で、今回のCOP27は、ウクライナ侵攻による環境悪化、化石燃料依存への揺り戻しといった課題、逆風を見据えたものになったが、どのような前進があったか、共通テスト自体には出題されないものの、今を生きる一人の人間として、成果と課題については知っておこう。後日整理する。

 

■G20

インドネシアG20バリ・サミットが開催され、Recover Together, Recover Strongerのテーマの下、2日間にわたり、食料・エネルギー安全保障、国際保健等の課題について議論が行われた。アメリカからバイデン大統領、中国からも習近平国家主席も参加し、この間、米中首脳会談も実現した。ロシアは、プーチン大統領は出席しようもなく、外相も途中で帰国した。

 

このG20の、最初の「サミット」が開催されたのは2008年。その背景が何か?これは受験生なら知っておかねば。「リーマン・ショック」。これは日本にも大きな影響を与え、2008年は戦後最大のマイナス成長となった(マイナス3.7%)。G7だけでは対応できない、新興国も含めて、もっと多くの国で協働していこうということで、2011年以降はG20サミットが毎年開催されるようになった。

 

加盟国はG7とロシアとEUと、新興国11カ国。新興国11カ国とは、中国、韓国、インド、インドネシア、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、南アフリカ、トルコ、サウジアラビア。別段暗記する必要はない。

 

この20カ国が経済的に発展している豊かな国というより、協調しあい、宇宙船地球号をリードしていく責務を負う国と捉えたい。ただ、言うまでもなく、ロシアについては失格、新たな指導者の登場を待たねばなるまい。

 

APEC首脳会談

G20閉幕後、岸田首相はAPEC首脳会談にも参加した。
APECは「太平洋」を囲む21の国と地域の経済協力「枠組み」であることは承知かと。1989年、冷戦終結の年にオーストラリアからの働きかけで実現、アメリカ・中国・ロシアの三国が同じ土俵の上にいること自体、今や奇跡であり、極めて稀有な存在だと考えたい。
ASEAN諸国もそのほとんどが参加している。
なお、来年度APEC議長国はアメリカが立候補した。
また、アメリカは現在、新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」ということを標榜しだした。自由貿易というより、サプライチェーンの確保を含む「経済の安全保障」といった感の強いものだが、インドを取り込み、中国を排除したものになっており、どのような展開をすることになるのか、未知数であるとともに、やや波乱含みか。

なお、EPAの一つで「環太平洋」連携協定であるTPPは、中国・ロシア不参加、一方でアメリカは途中で離脱。ただし、日本はアメリカとは2020年二国間の「FTA」(自由貿易協定)である日米貿易協定が発効した。

より広いEPAで、昨年結ばれた、東アジア地域包括的経済連携であるRCEPについては
ASEANが主導し中国が参加、ロシアとアメリカは加わっていない。中国が参加したのはアメリカ主導で形成されそうだったTPPに対抗するためだったとも。

※なお、こうしたものを以下のように図式化しておくと記憶に残りやすい。このように整理するくせを身につけよう。