「三つで括って覚える現社の倫理」 ③日本思想(1)江戸時代まで
ここは理解は難しくないはず。①鎌倉仏教 ②伊藤仁斎を中核にした儒学の諸派 ③もののあはれ あたりをインプット。
日本の伝統的思想
①八百万神(人間の力を超えた自然物や現象を神と認徴)
→ (自然物に精霊が宿る)
②ケガレを忌み嫌う → 祓い・禊
③心 嘘偽りのない心のありさまを理想とする
仏教の受容
・「世間虚仮、唯仏是真」(世の中は仮の姿で仏だけが真実)
②奈良仏教
・鎮護国家
→ 仏の力で国を守ってもらおうという考え
・ → (古来神々への信仰と仏教信仰が融合)が広がる
・本地垂迹説
→ 仏が世の人を救うために神々に姿を変えてこの世に現われたとする
・神仏同体の説
③平安仏教
(1)最澄
・日本の開祖
・一切衆生悉有仏性
→ すべての生物には仏となる可能性がある
・『』による一乗思想
→ 仏の真の教えはただ一つ、『法華経』に説かれている
(2)空海
・の開祖
・ → 三密の修行を行うことでその身のままで仏になれる
・仏 → 大日如来
→ 宇宙の中心にいる仏、あらゆる諸仏・菩薩の本地とされる
・大日如来が説いた秘密の教えが「教」
・・・加持祈祷を重視
鎌倉仏教
(1)法然
・の開祖
・専修念仏
→ 「」とひたすら唱え、仏に助けを求める
・阿弥陀仏 → 極楽浄土の仏
(2)親鸞
・の開祖
・絶対他力
→ 自分で念仏を唱えても、実はその行為自体も仏がさせている
・「正機説」
→ 煩悩にまみれ、阿弥陀仏の本願にすがる以外にない者こそ、救われる
「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」
(1)栄西
・の開祖
・座禅と公案(師匠が弟子に出す禅問答)を重視
(2)道元
・の開祖 自力求道
・(ただひたすら座禅を組む)
→ 心身脱落(身も心も執着から離れる)
・修証一等
→ 修行は悟りを開くことに同じ
③日蓮
・日蓮宗の開祖
・唱題(「」と唱えるだけで成仏できる)
・『法華経』至上主義
・極楽ではなく、現世での救済を主張
儒学の受容
①学 林羅山
・上下定分の理
→ 自然界に上下の秩序があるように人間社会にも身分秩序はある
②腸明学
・「」を重視 愛敬(孝とは愛し敬うこと)
・時(時間)・処(場所)・位(身分)に応じた実践
③古学派
(1)古学
・士道(は農工商の道徳的指導者として行動すること)
・仁とは「愛」
・「誠」(自分にも他人にも嘘偽りをもたない心を重視)があれば自ずと成立する
・中国古代の聖王が定めた「先王の道」、「礼楽刑政」を学び、
「」(世を治め、民を救う)を実現
国学
儒学や仏教などを受容する以前の日本人固有の考えを取り戻そうとする学問
①
・「益荒男振り」
→ 万葉集の男性的でおおらかな歌風を「ますらをぶり(益荒男振り)」と名付け、「高く直き心」を理想とした
②
・「漢意」批判
→ 儒教や仏教に影響された考え方を「漢意(からごころ)」と呼び、批判
・「惟神の道」
→ 日本の古代の神々のことばや行動にみられる理想的な生き方
「惟神(かんながら)の道 」を追究
・「真心(まごころ)」を重視
→ よくもあしくも生まれつきたるままの心
・「手弱女振り」
→ 古今和歌集や源氏物語に見られる優美な歌風を「たをやめぶり(手弱女振り)」と呼び評価するとともに・・・(真淵は批判的だったが・・・)
・「」
自然の風情や人間の喜怒哀楽を理解できる人を
「」(外界の物を見て、そのときに起こる湧き出る感情)
を知る人として高く評価
・「もののあはれ」を感じる純粋な心を「」と呼び、「漢意」と対置
庶民の思想
①
・町人の営利追求を肯定 倹約と正直を重視
→ 町人の間に爆発的な人気を呼んだ
②
・万人直耕の農耕本位の階級差のない社会(自然世)を理想
・差別と搾取がまかり通る社会(法世)を批判