【速修】社会の正誤問題 ④公害・国内の環境問題
01 上流の工場から河川にカドミウムが流入したために、下流地域で第二の水俣病が発生した。
02 四大公害裁判では、いずれも原告側が勝訴し、原因企業に対する損害賠償請求が認められた。
03 日本では、四大公害訴訟を一因として、公害の防止に関する法制度が整備されたが、法整備以降は公害被害の救済を求める訴訟はなくなった。
- 〇いずれも「産業公害」という言い方がされる公害で、原告が勝訴した。
04 日本では、高度経済成長期以降、都市化の進展によって、家庭排水による水質汚濁や自動車の排ガスによる大気汚染など、都市公害が発生した。
- ✕以下に見るような排ガスなどの「都市公害」と呼ばれる公害が続発したため訴訟は続いた。「産業公害」と「都市公害」という区別は知っておきたい。
05 日本では、汚染による健康被害などに関して、企業がその汚染を故意に生じさせたのでなければ、法律上、被害について賠償する必要はないとされている。
- 〇ここで産業公害と書かれていたら誤りということになる。
06 公害を発生させた企業が汚染防除や被害者救済のための費用を負担すべきであるという汚染者負担原則は、日本の環境政策に適用されている。
- ✕「無過失責任制」により、賠償責任あり。
07 汚染者負担の原則は、汚染物質の排出だけではなく、自然環境の利用や使用済製品の再商品化にかかわる費用負担にも適用される。
08 汚染者負担の原則は、環境利用に伴う社会的費用を商品の価格に含め、企業を環境に配慮した経済活動へと誘導する手法として用いられる。
- 〇汚染者負担の原則は、環境破壊等で損害を与えた場合の負担だけでなく、汚染者が「汚染防止費用」も負担すべきであるという考え方も含んでいる。案外この点が見過ごされることがあるのでインプットしておこう。
09 騒音被害などが問題となった大阪空港公害訴訟の最高裁判決では、個人の権利としての環境権が認められた。
- 〇政経の問題。正しい。そのような原則があると、企業は環境に配慮せざるを得ないということ。それにしても、まどろっこしい言い回しをすることで判断しにくくさせて、ちょっと意地悪。
10 騒音被害などが問題となった大阪空港公害訴訟の最高裁判決では、個人の権利としての環境権が認められた。
11 ハイテク産業による地下水汚染が深刻になったこともあって、公害対策基本法では、地下水汚染が典型的公害の一つとして定義された。
- ✕「地下水汚染」は入っていない。しかし、ICの洗浄に使用される有機塩素系溶剤が地下に浸透するハイテク汚染は大きな問題となっている。
12 自動車による有害物質の排出量を減らすために、政府は低排出ガス車や低燃費車の税金を軽減している。
- 〇エコカー減税。
13 高度経済成長期に公害対策を進めるために、容器包装リサイクル法が制定された。
- ✕「容器包装リサイクル法」が制定されるのは1997年のこと。
14 環境政策は国が統一的に実行するものなので、地方自治体が独自に、国よりも厳しい基準で汚染物質を規制することは許されていない。
15 日本では、汚染防止のために、有害物質を一定濃度以下にする濃度規制のほか、地域ごとに特定された有害物質の排出総量を定める総量規制が行われている。
- 〇当初は濃度規制だけであったが、総量規制も認められるようになった。
16 大気汚染のレベルを下げるための規制は、総量規制から濃度規制に移行する傾向がある。
- ✕逆であるし、移行でもない。濃度規制に加えて総量規制も実施されるようになったということ。
17 環境に大きな影響を及ぼすおそれのある事業の実施に当たり、その事業主は事前に環境影響評価を行うことを法律によって義務づけられている。
18 地域の社会や環境に影響を与える公共事業の実施の是非について、住民投票を行った地方自治体はない。
19 ダイオキシン類は、石炭などの燃焼により発生した汚染物質で、大気中に拡散し、土壌の悪化、森林の枯死、生物の激減などの一因となる。
20 建材などに使用されていたアスベストが飛散し、それに伴い発生した健康被害が問題となったことがある。
21 企業活動による環境への負荷を減らすために、企業は環境管理に関する国際規格ISO14001の取得を法律によって義務づけられている。
- ✕義務付けではない。逆に言うとそうした取得をする企業は一種のステイタスを獲得したことになる
22 国や地方自治体が環境負荷の少ない商品などを調達することが、グリーン購入法によって推進されている。
- 〇学校でも再生紙利用のコピー用紙を購入。
23 日本では、環境対策の推進などの観点から、環境負荷の少ない製品への買換えを促すために、いわゆるエコポイント制度が実施されたことがある。
- 〇リーマンショック後の2009年に実施。景気回復対策でもあった。
24 日本では、環境に配慮した商品を選択する際の目安になるものとして、エコマークがある。
- 〇ISOの規格(ISO14024)に則った我が国唯一の「第三者認証」によるラベル制度。
25 揮発油税の税収は、森林保全や公害防止などの環境対策に充てられる特定財源となっている。
26 日本では二酸化炭素の排出量や化石燃料の消費量に応じた税は課せられていない。
- ✕2012年、「地球温暖化対策税」として石油石炭税に上乗せさせる形で導入されている。
27 防虫や防腐のために、収穫後、農産物に農薬を散布するポストハーベストについては、主に輸入農産物になされており、その散布が健康被害を起こすとして問題になったことがある。
- 〇ポストは「後」、ハーベストは「収穫」のことで、収穫後の農薬処理は、日本では認められていないが、輸入品についてはあり得る そこで、日本では、農薬残留基準が設定されていない農薬が、もし一定量以上含まれていれば、その商品の流通は原則禁止されることになった
28 食糧の輸送に伴う環境負荷を測る指標の一種として、食糧の輸送距離が短く重量が少ないほど大きな値になるフード・マイレージがある。
29 フードマイレージとは、食料の生産地から消費地までの輸送について、輸送手段と輸送距離を基に算出されるものである。
- ✕食料の重さ(トン)× 距離(キロメートル)
30 バーチャルウォーター(仮想水)とは、輸入する農産物等に含まれる水分量を推計したもので、食料自給率が低い日本は海外の水資源に依存しているということになる。
- 〇食料自給率が約40%の日本は、相当量、海外の水を消費していることになる。