「三つで括って覚える社会」 ③社会保障
①公的扶助も含めた社会保障制度の全体 ②社会保険のしくみと課題 ③繰り返し出題されている社会保障の国際比較はグラフも含めてインプット
- 社会保障の歴史的な歩み
- 日本の社会保障制度 4つの柱
- 地味だが大事な3つの分野
- 社会保障の中核・社会保険は5つ
- 社会保険の歩み 3つの重要ポイント
- 医療保険
- 年金保険 その1
- 年金保険 その2
- 年金保険 その3 (2022/11/15追加)
- 年金保険の課題
- 介護保険
- 社会保障にかかわる近年の変化
- 社会保障の国際比較 その1 (2022/11/15追加)
- 社会保障の国際比較 その2
- 少子高齢化
- 世帯構造の変化
- 共生社会に向けて
社会保障の歴史的な歩み
①17世紀
の原型として
イギリスのエリザベス救貧法
②19世紀後半
最初の制度
ドイツのビスマルクによって
③第一次世界大戦後
・アメリカ ニューディール政策の一環として
法
・イギリス ベバリッジ報告
→ 第2次大戦後「ゆりかごから墓場まで」
・ILO フィラデルフィア宣言
各国に社会保障制度の整備を勧告
日本の社会保障制度 4つの柱
①
②公的扶助
③
④保健医療・公衆衛生
※全額公費(税金)は公的扶助と社会福祉
地味だが大事な3つの分野
①公的扶助
法 → 生活扶助、教育扶助、医療補助など 近年増加
ひとり親家庭の児童のための「児童扶養手当」も公的扶助のひとつ
※生活保護は一定の資格をもつ外国人にも準用されるが、「特定技能」などの資格は対象外
② 児童・母子・老人・障害者福祉の4分野
③保健医療・公衆衛生
感染症予防・上下水道など
※在留資格のない外国人も、人道上、予防接種等の対象となる
社会保障の中核・社会保険は5つ
※労災保険だけは事業主のみの負担
あとの保険は 被保険者(本人)・事業主・政府の三者で負担
※年金保険
原則20歳以上(18歳で就職した場合18歳)~60歳まで
※介護保険は歳以上の加入が義務付けられる
社会保険の歩み 3つの重要ポイント
①1961年 国民皆保険・国民皆年金制度実現
②1973年 老人医療無料化 → 後に崩壊
→2008年 医療制度
③2000年 制度開始 介護の社会化
医療保険
①種類
・自営業者は国民健康保険
・民間被用者は協会けんぽ・組合けんぽ
・公務員は共済保険
といった具合に分かれている。
保険料(負担額・受給額)に違いがあり
②歳以上は後期高齢者医療制度
窓口負担だけでなく、保険料の一部も負担
③窓口負担
現役組は3割
後期高齢者は原則1割 収入によって2割
子ども~高校生まで、自治体により無料というところもある
年金保険 その1
3種の年金
①老齢年金
原則、高齢者・65歳から受け取ることができる年金
②年金
病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代も含めて受け取ることができる年金
③遺族年金
被保険者等が死亡した当時、被保険者によって生計を維持されていた遺族に支給される年金
年金保険 その2
①年金の基盤
年金が基盤(一律の保険料を拠出・政府がを負担)
民間企業と公務員は2階建て部分の厚生年金も(所得に応じた保険料を拠出)
その他、国民年金基金、確定拠出年金など、上記を補完するものもある
②年金の支給開始年齢
基礎年金は65歳
厚生年金も65歳へと段階的に引上げ中
年金給付水準は引き下げ中
③積立方式と賦課方式
方式から方式に移行中
※積立方式
将来の年金受給に必要となる財源を現役時代の間に積み立てておく方式
制度設計当初は当然この方式
▲デメリット が進めば実質目減り
※賦課方式
年金支給のために必要な財源をその時々の保険料収入から用意する方式
現役世代から年金受給世代への仕送りといったところ
▲デメリット が進めば現役負担増
そこで →現在「マクロ経済スライド」と呼ばれる調整・抑制を実施することに
※「マクロ経済スライド」とは将来の現役世代の保険料負担が重くなりすぎないように、一定期間、賃金や物価が上昇するほどは年金額を増やさない調整をすること。デフレ時には実施しない決まりで、これまで3回しか適用されていない。しかし、現在インフレ進行
・・・そこで今後抑制実施
→ 実質的な年金額は目減りしていくことに
年金保険 その3 (2022/11/15追加)
①基礎年金の原資
一律の + 国庫負担金(税金)+ ※国庫負担金は従来の1/3から1/2とされたが、実際は税収不足のため「積立金」の取り崩し等で補填
一方で現役世代による保険料が全て年金に充填されない場合は、将来世代のために積み立てられる
※年金に加入しないということは、この税金の恩恵も受けないということを意味する
②厚生年金部分の原資
に比例した保険料(労使折半 半分は労働者が半分は使用者が負担)
※言い換えれば、賃金としてもらえたはずのお金が後に使用者から支払われるという意味でもある
いかに退職後も元気でいるか・・・元を取るためにも健康に留意
③確定拠出年金の原資
公的年金の3階建ての部分の中には、加入者自身が「資産を運用」するため、将来支給される年金額はそれぞれの運用次第で違ってくるという「確定拠出年金」もある。
これには、
(1)原則「企業」が掛け金を拠出する企業型と、
(2)自営業者(フリーランス)・公務員等、任意の「個人の拠出金」を原資とする個人型iDeCoがある
iDeCoには政府による税制の優遇もあり、老後の生活は公的年金では不足するので私的年金で補えという政府の思惑がある
年金保険の課題
①基礎年金の問題
②短時間勤務の非正規労働者への配慮
→ 厚生年金・健康保険への加入条件の
③現在、引き上げによって財源確保を測っているが、
・・・今後も制度が維持できるかは不透明
介護保険
①歳以上が加入
②が運営
※自治体によって保険料が違う
③利用者の負担は原則割
社会保障にかかわる近年の変化
①最低納付期間の短縮
無年金者を減らすため、年金の最低納付期間が25年から年に短縮
②公的年金制度を補完する役割をもつとされる「」制度が導入
③幼児教育・保育の無償化
幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3歳から5歳児クラスの子ども、住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラスまでの子どもの利用料が無料に
つい最近、後期高齢者医療制度の窓口負担が状況によって1割から2割に上がることが決定
社会保障の国際比較 その1 (2022/11/15追加)
国際比較では「」を社会福祉の充実度を測る指標の一つとしている。
①国民負担率
国民全体の所得に占めるとのの割合のこと
※税金全体であって、税金に占める社会保障費のみをとりあげたものではない
あくまで公的生活のために国民に「負担」を強いているものの割合
・・・日本は50% 以下が政府の方針
②国民負担率と福祉水準
国民負担率が高いほど「福祉の水準は」
高福祉・高負担
フランスは国民所得からその7割も税金と社会保障費用に費やしている。
アメリカは3割ちょっとが税と社会保障。福祉はほとんど自己責任。
③税金と社会保険料
税負担率といっても全てが社会保障に回されている訳ではないが、国によって、税金による社会保障が高い国と、社会保険料による社会保障費が高い率を占める国と、様々なタイプがある。
社会保障の国際比較 その2
①北欧型
均一年金(給付水準も高い)
が主な財源
②大陸型
所得に比例した年金給付
が主な財源(特に事業主負担が大きい)
※日本は①と②の中間型
租税が主な財源だが、給付水準自体が小さい
少子高齢化
①高齢化
65歳以上が7%超えると高齢化社会
14%超えると高齢社会
21%超えると超高齢社会
日本 28%超(7✕4!)
※高齢者 > 年少者
→ 地域包括ケアシステムの構築が課題
②少子化
合計特殊出生率
1990年過去最低の1.57ショック
2005年に1.26まで落ち込む
現在も1.34程度
そこで・・・子育て支援
→ 児童手当、育児休業制度、幼児教育・保育の無償化
③2005年~ 人口減少社会に
人口ピラミッド:ピラミッド型・つりがね型・つぼ型
現在の日本
→ 型 土台の「年少者」のところが少ない
世帯構造の変化
・かつて子どもが結婚後も親と同居する拡大家族、
「三世代の直系家族」が中心
・次第に「夫婦と未婚の子ども」からなる「核家族」が中心に
・現在(令和2年国勢調査より)は・・・
① 38.1%
②核家族世帯 54.2%
夫婦と未婚の子どものみの世帯が25.1%
夫婦のみの世帯が20.1%
ひとり親と未婚の子のみの世帯が9%
③その他 7.7%
世帯など
※ステップファミリー(離婚・再婚による子連れ再婚家庭)も少なくない
※共働きで子どものいないディンクスと呼ばれる夫婦類型も増加
(double income no kids)
※違う側面で捉えた、世帯類型としての「高齢者世帯」
65 歳以上世帯員のいる一般世帯に占める割合は、40.7%
さらにこのうち高齢者「単独世帯」29.6% → 全世帯の10%以上
共生社会に向けて
①高齢者も障害者もともに社会に出て暮らしていこうという
②社会にある様々な障害を取り除いていこうという
③できるだけ多くの人が使いやすいような生活環境を作っていこうという
④障害による困難さを取り除いたり、周りの環境を整えたりするという
⑤国籍、性別、年齢等の「多様性」を認めようという
⑥多様性を尊重し、障害の有無にかかわらず全ての子どもが共に学ぼうという
教育