【知っ得】経済分野の計算問題 ⑦経済成長率
GDPの昨年に対する増加率としての経済成長率も端的な経済動向を示す指標としてよく用いられる。
名目経済成長率
名目経済成長率(%)
= 今年のGDP - 昨年のGDP × 100
昨年のGDP
例えば、昨年のGDPが、100、今年を110とすると
名目経済成長率 = ((110-100)/ 100 ) × 10
= 10(%)
実質経済成長率
物価が上がると当然GDPもあがるため、物価変動の影響を除いた実質的な「実質」経済成長率が計算される。
これが信頼性のある指標としてしばしば用いられる。
実質経済成長率の計算式
実質経済成長率(%)
= 今年の実質GDP - 前年の実質GDP × 100
昨年の実質GDP
今年の「実質」GDPの計算式
= 今年のGDP × 100
デフレーター
※デフレーターは物価指数の一つ。10%の物価上昇なら110となる。
昨年の「実質」GDPの計算式
=名目GDPと同じ数値
※というのも、その年度の物価を基準としている。(100とみなせる)
計算するとしたら、(100/100) × 100 = 100
例題1 実質経済成長率の計算
問題
昨年度のGDPが100兆円、今年のGDPが120兆円だったとする。
物価上昇率が10%だとする。(1)名目経済成長率、(2)実質経済成長率の両方を求めよ。
(小数点第2位以下は四捨五入)
解答・解説(1)名目経済成長率
名目経済成長率(%)
= 今年のGDP - 昨年のGDP × 100(%)
昨年のGDP
= ((120-100)/ 100 ) × 100
= 20(%)
解答・解説(2)実質経済成長率
実質経済成長率(%)
= 今年の実質GDP - 前年の実質GDP × 100
昨年の実質GDP
実質経済成長率を求めるには実質GDPの値が必要。
ということで、これらを求める。
①今年の実質GDP
まず、物価変動の影響を除いた、今年の実質GDPの値を出す
今年のGDPは120。物価上昇率が10%だからデフレーターは110。
したがって、
今年の実質GDP
=(120/110) × 100
= 109
②昨年度の実質GDP
昨年度の実質GDPの額は、そのままの数値を使うから100。
③実質経済成長率
最後に、差額を出し、昨年度の額で割ってやる。
実質経済成長率
=((109-100)/ 100 ) × 100
= 9(%)
よって、(1)名目は20%、(2)実質は9%の成長ということになる。
例題2
問題
昨年度のGDPが500兆円、今年のGDPが550兆円だったとする。
物価上昇率が10%だとする。名目、実質経済成長率の両方を求めよ。
解答・解説
(1)名目経済成長率
=((550-500)/ 500) × 100
= 10(%)
(2)実質経済成長率
①今年の実質GDP
=((550-500)/ 500 ) × 100
= 500
②昨年の実質GDP
=(500/100) × 500
= 500
③実質経済成長率(%)
=((500-500)/ 500 )× 100
= 0(%)
以上、経済に関する計算問題の典型例をみてきたが、最後に、「公式」を添付しておくので活用してほしい。GDPに関する難問も付け加えているので、これにもぜひ取り組んでもらいたい。