【質問】国債を大量発行すると、なぜ金利が上昇するのか?
前回、債券の価格と利回りがシーソーの関係にあることに触れた。
・人気が上がれば価格が上がって、利回りは下がる(低い利回りでも買い手がつく)
・人気が下がれば価格は下がって、利回りは上がる(利回りが高くないと買い手がつかない)
国債が売られ市場に出回るということは、
国債に人気がない
→価格が下る
→利回りは逆に上昇する
→連動して、住宅ローンの金利なども上がりかねない
・・・といった関係にあることにも言及した。
このことが理解できていれば、同じように考えてやれば理解できるはず。
つまり、国債を大量発行するということは、「売りに出された」と同義だと考えればよい。
そうなると債券市場がだぶつくということ。だぶつくということは人気がないということ。
ということは、
国債に人気がない
→価格が下る
→利回りは逆に上昇する
→金利が上がりかねない
という図式となる。
また、そうした中、そもそも買ってもらわないといけないので、その時の預金利子よりやや高い利子率を設定せざるをえない。
そうなると勢い、様々な金利を押し上げることになる。
しかも、日本の国債は、国際的な格付は芳しくない。
経済成長が低迷しているため、格付けは低く、そのため、利子率は高くないと売れない。
利子率は高止まりしているとのこと。
となると、国債を大量発行したままにしておくと、様々な金利が上がる。
金利が上がると民間の投資意欲は減ってしまう。
結果的に民間の資金需要が抑制されてしまう。
この現象を特に「クラウディング・アウト」と呼ぶそうだ。試験でこの用語が問われることはないと思うが、民間の経済活動が停滞し景気回復のためには好ましくない現象。
だから、ある意味では、致し方なく、日銀がせっせと国債を買い取っているということになる。
どうだろうか?
前回の学びを活かせば、今回は案外スキッと理解できたのではないかな?これが学びっていうものだよ。
それにしても日本はリスキーな運営をしている・・・ということになる。
税収不足から国債を大量発行・・・
「プライマリーバランス」が赤字・・・
ということも受験生なら理解していることと思うが、かと言って増税をするわけにもいかず・・・
という袋小路に陥ってしまっている訳だ。
では、どうしたらよいのか?これに対する処方箋は?
あるいは、そもそも日本は大丈夫?
日銀は保有している国債を今後どう処理するつもり?
などなど・・・様々な疑問が湧き出てくる。
それに対する的確な答えを求めて、いろいろと調べてみようとは思うが・・・ちょっと時間がほしい。
おって、追記するつもりだが、できれば、受験生諸君からの直接の質問を期待したい。