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【今日の時事問題】高校生の金融教育について(金融商品の基本)

厳しい世の中になった 高校生に金融教育が始まった

 

円安だけでなく、財政悪化にも歯止めがかからない。

政府は17日に「補正予算」を閣議決定した。ガソリン価格の高騰を緩和するため、石油元売り各社への「補助金」などに使うためで、2兆7千億円を赤字国債の発行で賄うという。補正予算は、9月以降に臨時国会を開いて組むのが一般的だが、ここのところ、早い段階での「補正」が続いている。一昨年度はコロナ対応で3次にわたる補正予算を組み、70兆円を超える赤字国債を追加発行しているが、今回はそれに比べると小さい規模であるものの、今後、さらに大型の経済対策を追加することも検討されており、台所事情はいよいよ厳しくなる。

 

先般、安倍前首相が、「日本銀行は政府の子会社だから、政府が日銀から借りているお金は、返さず借り換え続ければいい」と発言し、物議をかもしたが、昨年度末には、建設国債赤字国債、復興国債を合わせた「普通国債」の残高が既に1千兆円を超えたとのこと(地方と合わせると1200兆円を超える借金)。この国債のうち半分近くを日銀が保有しているという状況はあまりにも歪(いびつ)。しかし、目の前の逼迫した状況から、赤字国債を発行するしか他に手がない・・・ジレンマである。

金融教育が始まった

ということで、若者たちに厳しい将来を生き抜いてもらうために・・・という皮肉を込めてみたが・・・金融教育が高校でも本格化してきた。家庭科と社会科で協働しながら推進する学校も多いはずだ。
賃金がここ20年間あがっていない日本、資産を増やす術を知っておくことはやはり必要なことだと思う。
で、その資産を増やす方法の一つが、預金や投資である。ところが預金は現在のところ利子がほとんどつかない。承知のようにアメリカが金利を上げたので、アメリカの銀行にドル建てで預金するという方法もあるが、高校生にそんな余裕はもちろんない。可能なのは金融庁が推奨している「積立NISA」といった小額な「投資」かな。実はこれにはジュニアNISAというものもあって、子どもでもできるのだが、まぁ、現状はどうあれ、将来的にはこうした「投資」も検討した方がいいかな、と個人的には思うところがある。後に触れるが、「公的年金」の先行きが不透明だからだ。

 

で、その投資に「株式」があることは知っていると思うけど、もう一つが、先に触れた国債を含む「債券」。これに預金を加えて、この三つのリターンやリスクについて知っておきたい。

「安全性」「収益性」「流動性

一般的に金融商品は、「安全性」「収益性」「流動性という3つの視点から捉えるとよいとされる。

 

安全性というのは「損をしないかどうか」、

流動性とは「現金化しやすいかどうか」、

収益性とは「どのくらいの利益がえられるかどうか」で、

 

この3つの性格を全て兼ね備えた万全の金融商品はないというところが出発点。
安全性と流動性は併存できるが、「収益性と安全性」、「収益性と流動性」は両立が難しいからである。
 

 

具体に金融商品ごとに見てみよう。


預金は元本割れがなく、すぐに引き出せるが、「収益性」が低い。

 

株式は「収益性」が大きいが、リスクもある。「安全性」は低い。結果を予想しにくいので、現金化のタイミングが難しく、結果として流動性も高くない。

 

債券は収益性は預金よりやや高いが、株式ほどの「収益性」は期待できない。一般的に満期が5年とか10年と縛りがあるので流動性は高いとは言えない。満期前に売却することもできるが、損失する場合もある。

 

このように、それぞれ一長一短があるため、複数の金融商品を組み合わせる「分散投資」が推奨されることになる。
また、専門家が運営する複数の株式や債券への投資を、これを信じて託すのが「投資信託」で、その一例が先に示した「積立NISA」。

 

こうした金融商品の特徴について、簡略的にまとめると以下のようになろうか。

 



これを見ると預金が◎が二つでよさそうに見えるが、無論、収益性が低いという大きな弱点がある。若いうちは、「株式」で勝負という人も多いことかと思う。受験も同じ。安全策で行く手もあるが、思い切って、伸びしろのある元気な大学にチャレンジしてみるのも手。

 

なお、もちろんこの表など試験に出ることはない。ただし、「安全性」「収益性」「流動性」については、思考力問題で問われる可能性はあるので、こうした表を見ておくこと自体はどこかで役立つかもね。

 

ちなみに、もうひとつ、個人型確定拠出年金である「iDeCo」もおもしろい投資だ。これは、株、債券だけでなく定期預金なども加えて、自分でその割合を決めて投資することもできる。自分でかける年金で65歳以上にならないとおろせないということで、流動性は全くないが、逆に言うとおろせないので、雪だるま式に貯まっていける可能性をもつもの。税金の「控除」でも威力を発揮するので、就職したら、ぜひ検討を。

※こんなことを新課程の高校生は勉強することになるとのこと。旧課程の受験生も知っておこう。

 

金利、株価、債券の関係について

さて、さらに、込み入ったところまで立ち入ろう。上で見た、株や債券、預金利子のもとになる金利との関係についてだ。この三者にどんな関係性があるのだろうか?

金利と株の関係
一般的にはシーソーの関係とされる。
金利が高ければ、リスクのある株よりも預金 → 株を売って預金する人が出てくる →株価は下がる

インフレを抑えるため、やむにやまれず金利を上げて景気にブレーキがかかる懸念があれば、株価は下落する可能性が高い。
・・・現在のアメリカがこのケース。今アメリカの株価はかなり下がっている。

しかし、必ずしもそうでない場合もある。
景気がよくなって金利が上昇したとしても、まだまだ好景気が続きそうだと期待できれば株価も上昇するケースもある

ということで、ケースバイケース、ということは試験で出題されることはない。しかし、将来資産形成するために、若者も、一般論と、こうした微妙なところがあることは知っておいて損はない。

 

金利と債券の価格
これまた、一般的にはシーソーの関係とされる。金利が上昇すると債券の価値が下がり、金利が低下すると債券の価値は上がる。株式と同様に、金利が高い場合は預金したほうがよい・・・ということ。

 

③株価と債券の価格
上記のことから、株価と債券は親近関係にあるかと思うかもしれないが、さにあらず。これまた一般的にはシーソーの関係にある。金利は一定だと仮定して、景気がよく株価が上がると、投資家にとっては債券よりも株に投資するほうが魅力的になるため、債券を売って株に買い替える人もでるため、債券の価格は下落する。
じゃ、株価が下がれば、債券価格は必ず上がるかというと、これまたさにあらず。債券には流れず、預金にまわる可能性もある。と言うことで、これまたケースバイケース。
 

  
受験生諸君、いかがであろうか?何となくでも理解出来たであろうか?
結論は、シーソーの関係はあくまで一般論・・・一方で「どうなるか分からない、ケースバイケース」ということで、そのため、おそらく、今確認したことは試験には出そうもない。が、一方で、将来、いろんなことを知って、考えていないと損をする、知は力なり、ということは改めて実感しておきたい。

 

最後に、今回のこの文章全体を通じて出てきているのが「債券」。だが、この債券については、どんなものなのか、イメージがないかと思う。
教科書には、「債券の価格と利回りは反対の動きをする」と書いてあるが、これなども理解できるであろうか?生徒諸君に「意味がわからない」と質問されたものの一つ。今回は触れないが、「こんな質問を受けました」コーナーに後日貼り付けるので、乞うご期待。