【知っ得】囚人のジレンマ①(ゲーム理論)司法取引と「自白」「黙秘」
これまでも3年か4年に一回は囚人のジレンマを使った問題が出題されている。
2023年度入試は出る可能性あり。
*まず、囚人のジレンマの本質を確認しておこう。
練習問題 司法取引と「自白」「黙秘」
■ 以下の文章を読んで「利得表」を作成したうえで(1)~(3)の問いに答えなさい。
二人で犯罪を行ったAとBが警察に逮捕され検察送致となった。検察官はAとBを自白に追い込むため、それぞれに司法取引をもちかけた。AとBはそれぞれ別室に身柄を拘束されており、コミュニケーションが絶たれているものとする。
以下が、司法取引の内容である。
・二人の犯行は懲役5年にあたるものとする。しかし、二人ともが「黙秘」するならば、証拠不十分となり、二人とも懲役2年となるものとする。
・AとBいずれか一人が「自白」し、もう一人が「黙秘」するなら、「自白」した一人は即時釈放され、黙秘した懲役10年となる。
・AとB二人とも自白すると、二人とも懲役5年となるものとする。
・二人の犯行は懲役5年にあたるものとする。しかし、二人ともが「黙秘」するならば、証拠不十分となり、二人とも懲役2年となるものとする。
・AとBいずれか一人が「自白」し、もう一人が「黙秘」するなら、「自白」した一人は即時釈放され、黙秘した懲役10年となる。
・AとB二人とも自白すると、二人とも懲役5年となるものとする。
(1)あなたが囚人Aで、相手(囚人B)が「黙秘」した場合、あなたにとって「黙秘」と「自白」のどちらが得か。黙秘か自白か、どちらか一方を記しなさい。
(2)あなたが囚人Aで、相手(囚人B)が「自白」した場合、あなたにとって「黙秘」と「自白」のどちらが得か。黙秘か自白か、どちらか一方を記しなさい。
(3)上記を踏まえて、「囚人のジレンマ」についてまとめた文章を完成させたい。空欄の適語の組み合わせとして最も適切な組み合わせを選んで記号で答えなさい。
① ア自白 イ黙秘 ウ自白 エ黙秘 オ黙秘
② ア自白 イ黙秘 ウ黙秘 エ自白 オ自白
③ ア自白 イ自白 ウ黙秘 エ自白 オ黙秘
④ ア黙秘 イ自白 ウ自白 エ黙秘 オ自白
⑤ ア黙秘 イ自白 ウ黙秘 エ自白 オ黙秘
⑥ ア黙秘 イ黙秘 ウ自白 エ黙秘 オ自白
問題の解き方
*まずは利得表を指示に従って埋めれば良い。埋めた図は以下の通り。
この表をもとに以下の問いに答えてみよう。
(1)あなたが囚人Aで、相手(囚人B)が「黙秘」した場合、あなたにとって「黙秘」と「自白」のどちらが得か。黙秘か自白か、どちらか一方を記しなさい。
→Bが黙秘した場合は、網掛け部分。
黙秘したら2年、自白したら懲役なしなので、Aは「自白」したほうがよい。
(2) あなたが囚人Aで、相手(囚人B)が「自白」した場合、あなたにとって「黙秘」と「自白」のどちらが得か。黙秘か自白か、どちらか一方を記しなさい。
→Bが自白した場合は、網掛け部分。黙秘したら10年
自白したら5年 なので、これまたAは「自白」したほうがよい。
(3)上記を踏まえて、「囚人のジレンマ」についてまとめた文章を完成させたい。空欄の適語の組み合わせとして最も適切な組み合わせを選んで記号で答えなさい。
以下、正解を入れた完成文を提示するので、よくよく理解しておくこと。